2017年11月13日 (月)

■マルタ旅行記-10(完)■

■11/8-1 聖アンジェロ砦、13ユーロ
ヴァレッタのホテルをチェックアウトするとき、レセプションの男性が笑顔で握手を求めてきた。彼は、いっさい挨拶を返してくれなかった女性の旦那さんらしい。この男性は、他の客と話しているときでも首をひょいと伸ばして「ハロー!」と挨拶してくれた。それだけで、機嫌よく出かけることができるわけです。

9時ごろに空港に着いて、「Luggege Deposit Service」と書いたメモを見せて「どこですか?」と聞くと、インフォメーションで受け付けてくれるという。しかし、手続きにはけっこう時間がかかるので、早めに戻ったほうがよさそう。料金は荷物を受け取るときに払う。
10時に2番バスに乗り、ヴィットリオーザの街へ向かう。10時35分、Birgu Centre下車。バス停すぐのところに海事博物館がある。
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今はとりあえず、岬の突端にある聖アンジェロ砦へ向かう。
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なんでこうやってスタスタと目的地が決まるかというと、主要な観光地の地図を日本で印刷して持ってきてあり、ホテルでどこをどう回るか考えてあるから。だけど、目的地を決めると迷う。何も決めてないつもりでも、日本に戻って元の生活に戻ろうという大きな目的はあるわけだから、いずれどこかで迷うのではないだろうか。

そして、聖アンジェロ砦で13ユーロの入場チケットを買う。三箇所の施設に入れますよ、と地図を渡される。そのうちひとつが、バス停すぐの場所にあった海事博物館であった。
聖アンジェロ砦はパネルと映像を使った、お決まりの展示だったが、マルタ島の複雑な歴史をビジュアルで理解できた。
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ヨーロッパとアフリカに挟まれていたため、何度もあちこちに占領されてきたのだ。「イタリアのちょっと先にある小さな島」程度の認識は、覆されていく。

■11/8-2 遊覧ボート、湾内を回る
11時37分、ヨットハーバー近くのカフェでビール。昼ビーは旅行の醍醐味。
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1.5ユーロ、良心的な価格。しかし、よく聞きとれず、「えっ、4.5ユーロ?」と聞き返したら、ダニー・デビート風の店のオヤジさんが「オーマイガッ!」と肩をすくめたので笑ってしまった。

さて、ヨットハーバー近くに遊覧ボートの乗り場があった。ヴァレッタまで2ユーロ、湾内を回ると8ユーロだという。じゃあ、湾内を回るほうで、と言ったら、他に希望者がいない。やむなく、片道でヴァレッタで降りる客たちと同乗することになった。
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小さな船なので、荷物を真ん中に置くように言われる。向かいに座っていた陽気なおじさんが「写真撮ってあげるよ!」 三枚ほど撮ってくれる。
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「君、泳げる?」「いえ、泳げないです」「大丈夫、溺れたら助けてあげるから。代金は2ユーロでいいよ!」と、気持ちよく笑う。いーなあ。こういう歳のとり方をしたい。
他の人たちはヴィクトリアで下船するのだが、さっきのおじさんは「君は降りないの?」と声をかけてくれる。僕は湾内一周なので、このままボートを操舵するお兄さんと2人きりだ。お兄さんは、明らかにめんどくさそうで終始無言。やや気まずいムードとなる。

降りるとき、料金8ユーロだと思って10ユーロ札を渡すと「16ユーロだよ?」とお兄さんに言われた。ひとりで乗ったから倍額なのだろうか。なぜか「15ユーロにしとくよ」と、1ユーロ余分に返してくれた。それでも、スリーマで乗った大型フェリー90分5都市巡りツアーの11ユーロより、4ユーロも高い。ボラれましたね。

さて、せっかく三箇所を回れるチケットを持っているのだから、海事博物館を目指す。しかし、戦争博物館なら目立つのですぐ分かるが、海事博物館の場所を見失ってしまった。戦争博物館の受付のお姉さんに場所を聞いたが、関係ない橋を渡ってしまったりして無駄に歩き、結局はバスに乗って最初のバス停で降り、海事博物館に入場。大小の船舶のエンジンなどが展示してあったが、ゆっくり過ごしたいので、サッと回って出てきてしまう。
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どうも「博物館」という施設とは相性が合わない。僕がアホなだけかも知れないが。

■11/8-3 純度の高い「他者」「よそ者」
海事博物館を出て、バス停の見える広場のカフェへ。14時ぐらいだ。ここならすぐバスに乗れるし、何より静かで落ち着いている。
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ビール2本とハンバーガーで、12.50ユーロ。
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忙しくあちこちを回った旅だったが、海外にいる間、僕は純度の高い「他者」「よそ者」になりきれる。それぞれの社会の端っこに引っかかりながら、「あそこへ行きたい」「ビールを飲みたい」「船に乗りたい」自分を肯定し、目的のための手段を考えることができる。
その具体的な「手段」の段階で、壮大に道に迷って無駄に歩いたりするわけだが、そこで人に助けられる。そのとき“初めて”人と出会い、他人との関係を結びなおしているような気すらしてくる。

■11/8-4
16時、ヴァレッタを経由してマルタ国際空港に到着。出発の4時間前。
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荷物の預かり代は16ユーロだったが、なぜか現金しか使えない。しかも、インフォメーションにいた女性たちは紙幣ではなく硬貨でお釣りを渡そうとあちこち奔走しはじめた。紙幣でいいのに、なぜ硬貨にしたがるのか、こちらにはさっぱりだ。
「ちょっと待っててくださいね♪」と何度かニッコリと笑いかけられるが、おじさんには愛想笑いとかお追従笑いが分かってしまう。
だけど、責めはしない。「オーケー♪」と、笑って返すのが礼儀というものだ。

(おわり)

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■マルタ旅行記-9■

■11/7-1 インド人を右に!
ホテルの朝食は、これまでで最も素晴らしいものだった。目玉焼きがあれば、たいてい僕はご機嫌である。
ハイポジューム地下神殿は、13時30分の回を予約してある。すぐ近くにあるというタルシーン神殿にもぜひ行っておきたい。しかし、ほぼ同じ町にあるというタルシーン神殿へ行くのが、まずは大変だった。
先に正解を書こう。降りるべきバス停は「Neolitici」。下の写真を見れば分かるように、81~85番、88番、206番のバスが停まる。
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下のようなバス停のはず。このままバスの去った先へ進んでしまうと、壮絶に迷うことになる。左側に公園がある。降りたら、くるりと後ろを向く。Dscn6839

公園の角に、十字架のついた柱が立っている。ここを右に曲がろう。
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曲がると、こんな感じの風景になっているはず。ようは、公園沿いに歩けばいい。
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ものの30秒で、タルシーン神殿に着くはず。
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だけど、入り口はこんなに地味。これと同じアングルからの写真が『地球の歩き方』に載っていたので、まったく別方向へ歩いて迷いながら、ようやく見つけた小さな雑貨屋のお兄さんに写真を見せて聞いてみた。「左に行くと教会があるから、そこを引き返して……」以下、複雑すぎて分からず。とりあえずお礼を言って、教会まで行く。
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色あせた看板を発見。矢印を信じて歩きはじめるが、どこにあるのかサッパリ……。あきらめて教会に戻ろうとしたところ、お腹の大きなおじさんが、暇そうに通りを眺めていた。そのおじさんは、とても丁寧に「ここをまっすぐ行って、四つ目の角を右に」と、指を4本立てる。「それから左に曲がる」。楽しそうに、丁寧に教えてくれた。「インド人を右に!」という、どうでもいい誤植を頭に浮かべつつ、やっぱり分からず、道の真ん中で立ち尽くす。

すると、僕の後ろからスタスタと歩いてきた見知らぬおじさん(右手に何かの紙袋を持っている)が、ピッと前を指差して、「ついてこい」という顔をする。……誰!?
おじさんは前を指差したまま、スタスタと先に立って歩く。大丈夫なのか? 着いていって大丈夫なのか? すると、おお! ありましたよ、『地球の歩き方』のあの入り口が!
おじさんは、「入り口はここだよ」と言うように指差すと、微笑みを浮かべて去っていった。天使は、天使の姿をしてはやってこないのです。
僕は大声でお礼を言って、タルシーン神殿の受け付けで入場料の6ユーロを払った。

■11/7-2 タルシーン神殿
タルシーン神殿は、今まで見た中で巨石神殿のなかで最も近代的な感じがする。最初にゴゾ島で見たジュガンティーヤが紀元前3600年ごろ。タルシーン神殿は紀元前2800年ごろだ。
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次の画像のような石の積み方を見れば、「デザインされている」意味が分かってもらえると思う。
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「仕切りをつくる」「その仕切りをなるべく長く維持する」以上の機能がない。そして、数千年たっても、その機能を維持しつづけている。その物理効果こそがデザインであろう、と思うのです。
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上の画像もそうですね。「長期にわたって形を維持する」、それ以上の目的がない。
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こうした渦巻きや人の足はデザインではなく、装飾でしょう。
そして、タルシーン神殿には、あちこちにCGで再現した部分像があるので、これのディオラマが欲しくなってしまう。
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このテクスチャー、実にいいでしょう?

最後の最後は、いっさい写真を撮らずに、もう一度だけぐるりと回って帰ります。
また迷いそうなので、早めにハイポジューム地下神殿の場所を確認しておきます。

■11/7-3 ハイポジューム地下神殿

タルシーン神殿からハイポジューム地下神殿のあるバス停までは、歩いていけました。ふたつのバス停から簡単に行けるルートを地図と写真で示した個人ブログがあり、そのページを印刷して持って行ったので、まったく迷いませんでした。
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お昼が近いので、チキンパイとビール。しかし、まだ予約の時間まで二時間もある。バスが少なければ、なんとかしてこの近辺で時間をつぶすところだけど、何しろただの住宅街。10分おきぐらいに来るバスに乗って、いちどヴァレッタへ戻る。
バス・ターミナルの周辺をうろうろしてから、再びハイポジューム地下神殿へ。30分前なので、そろそろ人が集まってきている。
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ただ、僕が予約できたのは地下神殿の中を歩くツアーではなく、音声と映像で解説を受け、ガラス越しに神殿を少しだけ見られるというもの(もちろん写真撮影は不可)。実際に歩くツアーは予約でいっぱいだった。
しかし、音声解説には日本語バージョンがあり、「私たちの時間と空間の認識は、いずれ神殿をつくった者たちに追いつくでしょう」という言葉に首肯させられた。させられたけど、やはり歩いて巡れるツアーに参加したかった。

■11/7-4  マノエル島
もうひとつ、目的地があった。地図を見ていて、スリーマの南に歩いて渡れる「マノエル島」という場所があることを知ったのだ。フェリーから見ると、緑が多くして美しい島だった。そこまで行こうと思う。
ヴァレッタへバスで戻ったら、フェリー・ターミナルを目指す。すると、近くにいた老紳士と娘さんに「この辺にフェリー乗り場はない?」と聞かれる。昨日使ったばかりなのに、なかなか思い出せず、「確か、この坂の下です」「たぶん、ここを降りるのです」とたどたどしく説明して、親子が歩いていく後を、僕も歩きはじめた。「ん? あなたもフェリーに乗るんですか?」と聞かれて頷くまで、かなり不審な行動をとってしまったと思う。

マノエル島へ行って、そのままスリーマで夕食の予定だ。なので、往復チケットを買う。
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フェリーで「ここ座っていいですか?」と英語で聞かれて、「ドーゾ」と日本語で答えてしまう。

さて、マノエル島。
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城砦があるものの、中には入れません。観光ガイドに載っていないわけです。
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グーグルマップを見ると、この辺りには遊園地があることになってるんですけど。グラウンドが広がっているだけでした。

思い切りテンションが下がったところで、夕陽の見えるレストランで夕食にします。
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グラスワインとサーモンのステーキ。味が濃すぎた。22.45ユーロ。
夕陽を眺めながら、再びフェリーに乗り、スリーマからヴァレッタへ。
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■11/7-5
こんな日は、ビールでも飲まないとやってられないでしょ。ヴァレッタの街を歩く。
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昨日の老人の酒屋が見つからないが、野菜を売っているお店でCISKビール発見。500ml缶が2ユーロ。安い。野菜を売っているお兄さんは、「ちょっと待ってて、冷えてるのがあるから」と冷蔵庫から新しいのを持ってきてくれた。こういう人のお店で買ったビールは、美味いんだよ。

ポテトチップは、ワインしか置いていない気取った食料品店で買った。
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明日は日本に帰るのだが、飛行機が出るのは夜の8時だ。マルタ国際空港は、有料で荷物を預かってくれるので、まず預けよう。そして、スリーシティーズのうちのひとつ、ヴィットリオーザへ行こうと決める。

決めたはいいが、またしても猛然と道に迷い、へとへとになりながら目的地に辿り着くのであった。

(つづく)

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■マルタ旅行記-8■

■11/6-2 フェリーツアー
昼近くともなると、ヴァレッタからスリーマ行きのバスは、それほど混雑していない。
位置関係を整理しておくと、首都ヴァレッタは三方を海に囲まれた岬で、その北側に突き出た岬がスリーマ。なので、バスで移動するには、一度内地へ戻る必要がある。
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ヴァレッタの南側に突き出た岬はスリーシティーズと呼ばれる三つの都市で、スリーマを出港して、スリーシティーズの湾内までぐるりと回って戻ってくるツアーを探して歩く。
探すより先に、たくさん並んだフェリーツアーの呼び込みのうち、ひとりのお姉さんに声をかけられた。料金は12ユーロだという。10ユーロ紙幣を渡してさらに硬貨を探していると、11ユーロにディスカウントするという。よく分からないが、1~2ユーロがお姉さんの取り分になるらしい。
「10分後にフェリーが出るから、急いで」と言われたものの、遊覧フェリーは大量に停泊している。途中、呼び込みのお婆さんにチケットを見せて、「このフェリーはどこですか?」と聞いたところ、「300メートルぐらい先だよ」とのこと。「えっ、300メートル?」と聞きかえしてしまう。ちょっと駆け足でフェリーに乗り込む。
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12時30分にスリーマを出発、一時間半のツアーである。対岸に見えるのが、首都ヴァレッタ。英語の解説がつくが、聞き取れないので好きなところを写真に収める。
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ヴァレッタの北岸にはミリタリーっぽい船舶や施設も散見される。
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そして、突端に突き出た聖エルモ砦のステルス状の形に魅せられ、午後に見学しようと決める。
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このツアーのいいところは、ちゃんと停泊している船の解説をしながら(乗客がいっせいに船のほうを見るので、分かる)、なんだかマニアックな施設もゆっくり回ってくれること。
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この施設を熱心に撮っているのは僕だけだったけど、船の近くになると立ち上がって写真を撮っているおじさんたちがいて、ちょっと親近感をおぼえた。
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だけど、何よりもこのリラックスしまくった船上の雰囲気がいいよね。
一気にヴァレッタへの興味が増した。なので、スリーマの港についてから、ヴァレッタへ戻る小型フェリーに乗り換える。これは30分に一本ぐらいの割合で、ひたすらスリーマとヴァレッタを往復するだけの水上バスのようなもので、片道1.50ユーロ。現金で払う。
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乗客がぎっしり並んでいても、フェリーの中はこんなに空いている。しかし、切符を売るお兄さんが、あまりの乗客の多さゆえか、いつもキレ気味。

■11/6-3 オーサカ、キョート、ナガサキ

信号も渋滞もない海のうえなので、あっという間にスリーマからヴァレッタに着く。
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ステルスカットがカッコよかった聖エルモ砦を目指す。その中に戦争博物館があるので、見学していくことにする。
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メモがないので覚えていないが、「ここから先はチケットが必要よ」と入り口に立っていた女性に声をかけられて、それで10ユーロの料金を払った。いくつかの建物の中に、中世から近代までの戦争に使われた鎧や盾や矛、実物の野砲などが展示されている。
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出口にあったキュビズム風の彫刻がよかった。

戦争博物館を出て、ヴァレッタの南岸沿いに歩く。
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ホテルに帰り着いて、一階にあるカフェで350mlの缶ビールを買った。2.40ユーロと聞いて驚く。今日はビールを我慢してきたので、うっかり高い店で買ってしまった。
そんなバカな!と憤りすら感じつつ、ヴァレッタの市街に出る。
すると、廃業寸前のような雑然と商品をぶちまけた小さな酒屋があった。本当に営業してるのか? 冷蔵庫の中の500ml缶を指差して「いくら?」と聞いてみる。なんと、ロング缶がたったの2ユーロ。2缶買う。
その老人が「日本人?」と聞いてきた。「オーサカ?」「いや、東京です」「オーサカ、キョート、ナガサキ、オーサカ」と老人は歌うように言って、僕のカードをこっそり盗むようなオーソドックスなギャグをやって、豪快に笑った。こういう人のお店で買うと、そのビールは美味いんだ。

次は、どこかで惣菜パンを買いたいが、なんだか気取ったお店ばかりだ。
すると、晩年のジュリエッタ・マシーナのような素敵なお婆ちゃんの経営する小さなベーカリーがあった。「これがチキンパイ、これがソーセージドーナツ」と、ひとつひとつ教えてくれる。ふたつパンを買うと、お婆ちゃんは「サンキュウ!」と素晴らしい笑顔。
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ホテルへ戻ると、すごい夕陽だった。
惣菜パンの袋をふたつも抱えていたので、気まずそうにレセプションの女性に「ハロー」と笑いかけると、こちらを見ながら髪をいじっているだけで、なんと無視。この女性とは三度ほど顔を合わせたが、そのたびに無言だったし、笑顔もない。
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酒屋の老人、ベーカリーのお婆ちゃんの笑顔を思い出しながら、計5ユーロに満たない夕食をとる。
誰にでも笑顔を見せられるか。年月と体験を重ねて、いい笑顔をつくれるか。それが人生の課題だという気さえしてくる。ウソの笑顔は、すぐ分かる。笑顔と挨拶とお礼はケチらない。
明日は、日本で予約したハイポジューム地下神殿へ行く。しかし、これがまた大変な道行きであり、おおいに人に助けられた。こうして、じわじわと旅のテーマが浮かび上がっていく。

(つづく)

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2017年11月12日 (日)

■マルタ旅行記-7■

■11/5-3 ガーリックフライ
青の洞窟、そしてハジャーイム神殿とイムナイドラ神殿を見学した後、かつて首都だったというイムディーナ、その周辺のラバトへと向かう。ラバトはバスの終点なので、間違いなく行ける。14時16分着。
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イムディーナへは橋を渡って入るのだが、町はまったく機能していない。日曜だったせいか、ラバトの町もほとんどのお店が閉まっており、はやばやと退散することにした。

バスでスリーマに戻り、遊覧船に乗れないかと物色してみたが、すべての遊覧フェリーは15時30分が最終だと分かった。
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しかし、16時近いこの時間、スリーマとヴァレッタへと向かうバスは考えられないぐらい混んでいる。それで、降りるつもりではなかったフェリー乗り場で降りたのであった。
ここからホテルのある対岸へ行くには、街中を縦断するしかないのだが、その地理関係を把握しておらず、ひたすら海沿いを歩く。間違ったと気づき、また反対側へ歩く。汗だくである。
街中に簡単な地図があり、それでようやく自分のいる場所が分かった。街中を突っ切って、反対側の海へ出る。

そして、昨日からめぼしをつけていたレストランへ行った。ワインはハーフボトルを頼む。
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席から乗り出して上の写真を撮っていたら、注文していた料理が届いた。ラビットのガーリックフライである。
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地元の名物料理だそうなので、これは食べておかないと。結果、シンプルな味つけで美味であった。ワインと料理で、計20.25ユーロ。
昨日買っておいたビールがホテルの冷蔵庫で冷えているので、キオスクで買ったポテトチップで一杯やって、20時ごろに寝る。

■11/6-1 首都ヴァレッタ
朝9時すぎに、スリーマのホテルをチェックアウト。しかし、この時間のバスは壮絶に混んでいる。スーツケースを持って乗るなど、不可能。比較的空いているバスに乗ると、座っていた女性(旅行者)が席をゆずろうとしてくれたり、席に座ったら、隣のおばさんが「スーツケースを私の足の前に置いていいよ」と声をかけてくれたり、いろいろ気をつかっていただく。
ともあれ、凶暴なバスの運転に揺られながら、首都ヴァレッタに到着。バス停から坂道を上がって、徒歩数分で広場に出る。このあたりにホテルがあるはずなのだ。

スーツケースを持ってウロウロしているとタクシーの呼び込みがうるさいのだが、「どこへ行きたいんだ?」としつこく聞いてくる運転手がいたので、観念して地図を見せた。
「あのな。俺たちの話している後ろの建物が、探しているホテルだよ。ちゃんと書いてあるじゃん。入り口は角を曲がったところだよ」と笑って、僕の肩をポンと叩いた。いい人だ。
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10時半ごろ、ホテルを出てヴァレッタの町並みを歩いてみる。どこか雰囲気が堅苦しく、なじめない。さっき後にしてきたばかりなのに、早くもスリーマの開放感が恋しくなっている。
そこで、フェリーに乗るためもあって、スリーマ行きのバスに乗った。

(つづく)

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■マルタ旅行記-6■

■11/5-1 青の洞門
ホテルの朝食時、窓から見える朝の空が美しかった。Kimg0728
最高気温22℃とのことだが、朝晩は涼しい。

さて、何はともあれ、マルタ本島では青の洞門(Blue Grotto)へ行こうと決めていた。
スリーマからヴァレッタのバス・ターミナルへ移動。74番バスで行けると聞いていたので、運転手に「Blue Grotto」と書いたメモを見せて、確かめる。
ところが、74番バスは青の洞門の近くにあるハジャーイム神殿、イムナイドラ神殿を過ぎて、終点まで行ってから引き返しはじめた。「ちょっと待って、青の洞門はどこ?」と運転手に聞くと、「着いたら言うから、座って待ってて」と落ち着いている。
そして、「ここだよ」と降ろされたのが、ネットで見た情報とはまったく違うバス停の名前。
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ここで降りれば、ハジャーイム神殿、イムナイドラ神殿にも歩いていけるらしい。
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そして、前を歩くカップルのあとに続いて、それっぽい道を歩きはじめた。
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しかし、結局はさっきの道路に戻ってくるのだから、こんなゴツゴツした道を歩くことはなかったのだ。
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この左下へ降りると、青の洞門である。公衆トイレの前にはオバサンが座っていて、なぜか小銭を入れる箱が置いてある。僕は50セント硬貨しか入れなかったが、2ユーロも入れてる人がいた。ただ座っているだけの人に、なぜ小銭をやらねばならんのか。実に感じが悪い。
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青の洞門はオフシーズンのため、遊覧ボートは休み。ちょっとガッカリであった。
しかも、次の目的地であるハジャーイム神殿、イムナイドラ神殿へ向うバスは、40分たたないと来ない。歩いていくと迷いそうなので、近くのカフェでビールを注文して、バスを待つ。3.50ユーロ、さすが観光地は高い。
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もう一本、小さい缶のビール(1.70ユーロ)も追加して、バス停に向う。どうしても不安なので、本当にハジャーイム神殿、イムナイドラ神殿に行くのかどうか、運転手に確認してしまう。

■11/5-2  ハジャーイム神殿、イムナイドラ神殿
神殿の入り口に大きな看板があったので、「ここで停めて」と声をかける。なぜなら、バス内の降車ボタンが作動しなかったからである。
ともあれ、入り口で10ユーロのチケットを買って、ハジャーイム神殿、イムナイドラ神殿へ向う。
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まずは、ハジャーイム神殿。ジュガンティーユ神殿とは違い、近代的なテントに保護されている。
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風雨で削られていった部分もあるだろうけど、一種のキャラクター性すら感じる巨石の造形と配置。
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「これしか出来なかった」のではなく、「あえてこうした」ようにしか見えない。どの石をどこに置こうか、徹底的に吟味したはずだ。

ハジャーイム神殿から長い道を歩くと、イムナイドラ神殿がある。歩くのがキツい人のため、小さな車も走っている。左右の険しい場所も歩けるようになっているけど、ただ歩きづらいだけなので、オススメはしない。
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石と石の隙間に、ぎっしりと石を詰めて強度を持たせるのは、模型的な発想でもある。
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このように、下のほうは大きな石を、最上部は人が歩くので平坦な石を配置している。力技ではなく、明らかにデザインされている。
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青の洞門の近くでバスを待っているとき、日本人の女性が2人いた。髪型や服装ではなく、ちょっとした仕草やポーズから日本人と分かる。なぜかといえば、日本の住環境、国土の広さなど(地図で見た日本の形だとか)が身体感覚や時間の概念を決定しているから“伝わる”のではないだろうか?
「バスを待つ」なんていう余白の時間には、露骨に身体に宿ったメカニズムが現れると思う。二人で立ったときの距離とか、言葉を発する間合い。百年はただの百年として固定されているわけではなく、体の動かし方によって一万年にも百兆年にもなるのではないか。
これら二つの神殿のあいだで、車座になってチャネリングをしている人たちがいて、そっち方面には行きたくないが、まあ百語のうち一言か二言は、彼らの信念の中にも真実は含まれているだろうと、そんなことを石の近くで考えた。

しかし、これだけで帰らず、さらにバスを乗り継いで、古都ラバトとイムディーナへと向う。

(つづく)

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2017年11月11日 (土)

■マルタ旅行記-5■

■11/4-1 スリーマへ
ゴゾ島を離れて、マルタ島へと移動する。フェリー代は4.65ユーロ、現金のみ。チケットを入場口でかざして、青いランプが点灯しているうちにゲートをくぐる。この通り方が分からずにもたついていたら、黒人のお兄さんが「こうだよ」「ちょっと早いから、もう一回」と、親切に教えてくれた。
また、フェリーに乗る前に自販機でジュースを買おうとしていたら、後ろからおじさんが「ここにコインを入れて、こうスライドさせるんだよ」と教えてくれた。こういう旅をしていて、人間を嫌いになれるわけがない。
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ファンタって子供の飲み物かも知れないけど、そんなことは気にしない。フェリー内でサンドイッチも買う。

ゴゾ島に来るときは首都ヴァレッタに寄らず、空港から直接チェルケウアの港まで来たので、ヴァレッタのバス乗り場は初めて降りる。
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詳細な案内板はあるし、係員の人が「何か困りましたか?」と聞いてくれるのだが、スリーマ行きのバスがない(というか表示された時刻になっても、ぜんぜん来ない)。
なので、いちど空港まで行ってから、あらためてスリーマに行くバスを探した。現金が心もとないので、ATMで250ユーロ、引き出した。
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これがスリーマ。海沿いに、どこまでも遊歩道が伸びている。クロアチアの港町リエカで感じたような、何がどうというわけではないのだが、ざわざわした若々しい開放感。
大きくはないが小奇麗なホテルは、バス停から徒歩数分という絶妙な立地であった。レセプションの対応もしっかりしていて、気持ちがいい。

■11/4-2 巨大なショッピングセンター

子供たちへの配慮も欠かさない、遊び好きの町、スリーマ。通りでは、平日昼間から人々がぶらぶらと散策している。面白そうなレストランもあり、商売っ気が漂っている。
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というか、マルタ共和国はあちこちに子供用の遊び場があり、オモチャ屋はどんな小さな町にもある。大人向けの模型店(ミニカーが主ではあるが)も、頻繁に見かけた。

スリーマに隣接した町、セントジュリアンズまで足を伸ばしてみた。だが、どうもピンとこないので、スリーマ側へ引き返す。
そこから先はトンネルになっていて、もう人は通れない……という場所から、歩行者用の通路が伸びていた。
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駐車場まで完備した、巨大なショッピングセンターへの入り口であった。おそらく正面入り口は海側とは逆方向に大きく開けているのだろう。
中には洋服店はもちろん、美容室もある。本屋で、模型雑誌を買ってみた。7.80ユーロ。
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本屋のメガネのお姉さんが、カードの読み込みがうまく行かず、「もう一度トライしてみます」。そして無事に会計できると「オーケー!」と親指を立てて、「バイ、サー」と笑顔で言ってくれた。なんとキュートな人だろう。

この手の施設によくある、死ぬほど広大なスーパーもあったので、夕飯はここで買おうと決める。
惣菜パンとビール。こういう大型店舗はビールが安いので、二日分買っておく。
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CISKビールの500ml缶が、たった1.24ユーロ。座席のあるようなカフェで買うと3.90ユーロもするので、座席のない小売店で買うことを覚えた。上の写真すべてで、11.64ユーロ。しかも、カードが使える。

夜中、マンションの電気ストーブがつけっぱなしになっている気がして、データローミングをONにしてスマホを検索してみた。もちろん、三鷹で火災が起きたという情報は見当たらず、部屋のストーブは切ってあった。
しかし、そういうセコい不安と「マンションが全焼しようと、関係ないや」という投げやりな気持ちがアルコールによって攪拌されていくのであった。

(つづく) 

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■マルタ旅行記-4■

■11/3-5  ダンジョン
チタデルは、ヴィクトリアの町の高いほうへ高いほうへ歩いていけば、だいたい分かります。坂道の奥がチタデルで、入場料金はかかりません。登って見物するだけなら、タダです。
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そこを勘違いしていて、ビジターセンターに寄って、5ユーロも払ってしまう。このチケットで自然博物館など4ヵ所に入場できるけど、やや規模が小さく展示もたいしたものではないので、トイレに寄るつもりで……チタデル内にも公衆トイレはあったけど、混んでいたので。
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城壁の端を歩けるようになっていて、ゴゾ島全体を360度、見渡すことができます。
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はるか向こうに水平線が見え、豆粒のような町に人々が暮らしていると想像すると、とてもゴゾと島を「小さい」などとは言えなくなってくる。そして、城砦の内側はダンジョン風。
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はるか下の通路を人が歩いていて、「あそこに行くには、どのルートを通ればいいのだろう?」と考えながら歩いていくと、本当にドラクエのテーマが頭の中で演奏されます。ぜんぜん飽きないので2時間以上も歩き回って、夕陽を逃したくないので、シュレンディへ戻ることを考えはじめます。
しかし、眺望の素晴らしさとダンジョンの楽しさ二本立てで、これがタダというのは凄い。そして、午前がジュガンティーヤ神殿で午後がチタデルなら、まあまあ充実した一日だったはずだ。

■11/3-6 メカジキ
15時48分発のバスに乗る。シュレンディ行きは、基本的に空いている。
魚料理が売りのレストランに入り、まずは地元産のワインを注文。
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メカジキとサラダを頼んだら、サラダはメカジキに含まれているとのこと。ワインも含めて、計28.50ユーロ。魚は美味かったが、ソースをつけない方が良かった。
美人のウェイトレスが、「ゴゾ島へは初めてですか?」というようなことを聞いてきたが、口の中に食べ物が入っていたので、「ソーリー」としか答えられなかった。
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ロウソクを持ってきてくれたとき、「さっきのアナタの質問……」と話しかけたけど、今度はこちらが「ホワット?」と聞き返されてしまった。絶望的に、英語力がなくて悲しくなる。しかし、素晴らしい笑顔だった。
「食後のコーヒーはいかがですか?」と言われたが、このままホテルでビールに切り替えるつもりだったのでお断りした。
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しかし、ワイン一本を空けたあとなので、ビールは500ミリ一缶が限界だった。19時ごろ、早々と床に入った。
翌朝はマルタ本島にあるスリーマという都市に移動し、その遊び好きの若々しいムードに魅了されることとなる。

(つづく)

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■マルタ旅行記-3■

■11/3-3 ジュガンティーヤ神殿
さて、ジュガンティーヤ神殿に行くためには、中心地ヴィクトリアからマルサルフォルン行きの322番バスに乗る。そして、降りるべきバス停は「Imqades」。ここで降りると、すぐ入り口。というか観光バスが大量に停まっているので、すぐ分かる。僕は古い情報を信じてひとつ先の停留所で降りてしまったけど、5分ぐらいで歩いて戻れるので、大丈夫。
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入場料は、9ユーロ。この茶色い建物が博物館になっていて、ここを抜けると、神殿への道が伸びている。
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日本ではよく調べず、特に写真を見ないで来たので、野原の中に風雨にさらされたまま石造りの神殿が残されていたのには、本当に驚いた(マルタ本島にある巨石神殿は、ほとんどテントに覆われている)。
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なんと神殿の中に通路があり、内部を歩けます。Dscn6135
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この草木と一体になった状態をキープするためか、「花をとらないでください」といった注意書きがある。素朴なのではなく、知力を尽くして徹底的に計算しつくした結果、ここへ辿り着いた……という究極的な機能性、ロジック、未来性を感じる。空間認識や時間感覚が変容します。
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ジュガンティーヤ神殿を最初に見てしまったので、漠然と手帳にメモしてあったマルタ本島の巨石神殿もなるべく見てやろう、という行動指針が決まりました。

■11/3-4 トースト? サンドウィッチ?
ジュガンティーヤ神殿のチケットで、近くにある風車小屋にも入れる。しかし、ジュガンティーヤ神殿の出口からだと位置関係が分かりづらい。『地球の歩き方』の読者情報では、坂道をあがると右手に風車小屋があると書かれているけど、どう見ても左側だし、不明瞭な情報に振り回された。
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神殿の出口を出て歩き回っていると、風車小屋がこんなに遠くなっている。風車小屋の中は、まあ素通りする程度であったが、坂道にあるというヴィクトリアに帰るためのバス停が、ぜんぜん見つからない。
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上の路線図を見てもらえば分かるように、まっすぐな道が少ないうえ、バス停の間隔にも統一性がない。
一度、マルサルフォルン行きのバスに乗ってしまって終点まで行き、そこからなら必ずヴィクトリア行きのバスがあるはずなので、それで帰ればいいだろう。小さな島なので、うっかり間違ったバスに乗ってしまっても、往復一時間ぐらいで戻ってこられるだろうし。
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上の写真が、マルサルフォルン。ちょこっとビールを飲みながら、ヴィクトリア行きのバスを待つ。
ヴィクトリアに戻ったときには12時を過ぎていたので、広場にあるカフェでビールとサンドウィッチ。ウェイターの青年に「トースト? サンドウィッチ?」と聞かれたので、適当に「トースト」と答えたら、このようなものが出てきた。計6.20ユーロ。
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さまざまな国の老若男女が、好き勝手に歩いたり座ったりしているのを見ると、孤独と安らぎが溶け合ったような独特の安堵感をおぼえる。
午後は、ヴィクトリアにあるチタデルという要塞、城砦へ行く。資料のコピーを見ていてると、広場の近くだと書いてあるし、まあ何となくその辺りにあるだろうと思っていたら、本当に徒歩数分のところにRPGに出てくるような巨大な城が建っていた。

(つづく)

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■マルタ旅行記-2■

■11/2-4 夕陽
まだ明るいので、ゴゾ島の中心都市、ヴィクトリアへ向う。先ほども書いたように、シュレンディとヴィクトリアを結ぶバスは一時間に一本しかないが、起点と終点なので、まちがったバス停で降りてしまうことはない。すべてのバスは、必ずヴィクトリアを経由する。

バスを待っていると、ナイジェリア人の女性が話しかけてきた。「バスは何時に来るのか」「今は何時なのか」、どちらを聞かれているか分からず、スマホの時計を見せながら、あれこれと説明する。説明が下手だったので「すみません」と謝ると、「いいえ、楽しかった」「ここへはラグーンを見に来た」と笑ってくれた。
30分ほどでヴィクトリアへ着く。バス停の場所を忘れないようにしながら、寂しい路地を選んで歩いた。
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ローマ・カトリック教徒がほとんどなので、いたるところに教会があり、民家にもこのようなレリーフが頻繁に見られる。いい具合に、日が傾いてきた。
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帰りのバスの中からの夕陽は、まるで卵の黄身を空に浮かべたような美しさだった。バスの中で女の子が立ち上がって写真を撮っていたが、運転手が「危ないから座って」と言うように手を広げた。
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バスがシュレンディに着くころには、夕陽はものすごい早さで沈んでいった。明日こそは夕陽を見ながらレストランで食事しようと決めて、町にある小さな店でビール、ミートパイとソーセージドーナツを買って帰り、ホテルのベランダで食べる。
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海外ではいつものことだが、夜7時か8時に眠くなってしまう。その国独自のドキュメンタリー番組を見ながら寝るのが好きなのだが、テレビのリモコンが壊れていた。

■11/3-1 遊歩道
翌朝、朝食の前にホテルの周囲を歩いてみる。海沿いの遊歩道で、近所の人たちが犬を散歩させていた。夜と朝は、やや肌寒い。
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シュレンディ、寂しいけれど、美しい町だと思う。
朝食は、スクランブルエッグやゆで卵も並んだ、とても良いものだった。食器を返しに行くと、係のお姉さんは最高の笑顔で「サンキュー!」と受けとってくれた。老若男女問わず、笑顔は人を明るくする。

■11/3-2  気をつけて!
バス停で一時間に一本きりのバスを待っていると、同じシュレンディの別のホテルに泊まっている日本人女性と、再び会った。僕は白タクの運転手にしつこく「バスの行かない場所も案内するよ」と誘われて、困っていた。女性は英語で「高すぎるわよ!」と言って、追い返してくれた。
その女性となんとなく、ホテルの感じや朝食が良かったかどうかの話をした。相手も僕も「~だよねえ」とタメ口をきいていたのだが、年上の人に失礼な気がしたので、「~ですよね」と言い換えた。すると、女性も丁寧語に切り替えてきた。こういう心の機微、距離感の再設定は、けっこう好き。ヴィクトリアにバスが着いた後、「じゃあ、気をつけて!」と女性は元気に言った。去り際も上手い。僕もあわてて、「気をつけて!」と声をかけた。
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ヴィクトリアのバス停近くでは、野菜などを売っていた。マルタ本島の首都ヴィクトリアのバス・ステーションでは考えられない、のどかな光景である。

そして僕は、ジュガンティーヤ神殿を見るため、322番のバスに乗る。『地球の歩き方』の読者情報によると、Tempjiというバス停で降りることになっているが、これが間違っていた。

(つづく)

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2017年11月10日 (金)

■マルタ旅行記-1■

2017年の11/1(水)~11/9(木)まで、南欧・地中海に浮かぶ島国・マルタ共和国へ旅行してきました。
4月のオーストラリアへの旅行では下調べが十分ではなく、一日ボーッと過ごしていることが多かったので、今回は巨石神殿などの名所をなるべく多く回るよう、フェリーと路線バスを使いました(7日間乗り放題のカードが21ユーロで、ゴゾ島とマルタ本島の両方で使用可能)。

■11/1 砂糖のべったりとまぶされた焼き菓子
まずは吉祥寺発のリムジンバスで成田空港へ。航空路は、ターキッシュエアラインズを使用。諸税込みで79,600円。
寒い機内であまりよく眠れないまま、とても大きなイスタンブール・アタテュルク空港でトランジット。4時間ほどあるので、ハム・チーズ・レタスのサンドイッチを食べます。機内食も3回ほど出るけど、こういう食事のほうが人間らしい気がするので、機内食を残してでも食べます。
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朝4時ぐらいに次の飛行機が出るので、もうちょい何か食べておこうと思って、搭乗ゲート前で小さなパイのようなものを注文。これがなんと、砂糖のべったりとまぶされた焼き菓子であった。日本では甘いものなど口にしないのですが、海外なので食べます。これがけっこう、美味かった。
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■11/2-1 体がズレるほど強力なG

朝8時ごろ、マルタ国際空港に到着。気温は20度で、いい天気。日中の気温は18~22度ぐらいで、半袖の人も多かった。僕はジャケットを着ていったし、中には皮のコートを着ている人もいたけど、半分ぐらいの人は半袖、短パン。海の上では日差しが強いので、日焼け止めクリームを持っていって正解だった。
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空港のカウンターで、7日間有効なバスのカード(Explore)を購入。こういう必ず買うものは、メモに書いておいて、それを見せながら話せば確実です。だいたい、僕は水もコーヒーも口で言っても通じません。指差さないと分かってくれません。
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21ユーロです。バスに乗るとき、運転手席でかざせば、ピッと音がして魔法のように通過できます。しかし、これから7日間もあちこち乗りつづけるバス。これが便利でありながら、ちょっとクセモノであった。
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基本的に、掲示板の「NEXT」のあとの文字列をよく見て、降りたいバス停に着く前に停車ボタンを押せば止まってくれます。どのバスでも、車内の時計はなぜか一時間ほど進んでいるので、気にしてはダメ。
それよりも、急カーブの多い道を全速で走るため、椅子に座っていても体がズレるほど強力なGがかかります。スーツケースを置けるスペースもありますが観光バスではないので、巨大な荷物が車内を転がります。つり革は、なぜか固定されていないので、これに頼っていても、やはり体が吹き飛ばされる。両足をふんばって立っていると、私のように膝を痛めることになるかと思います。なるべく積極的に椅子に座りたいのですが、朝と夕方、特に首都ヴァレッタとスリーマ間のバスは降車不可能なほど激混みます。ヴァレッタとスリーマ間は小さなフェリーで渡れるので、私のようにスリーマを気に入って何度も行くような人はフェリーを。
とにかくバスの運転が荒っぽいので、怪我をしないよう気をつけて。

■11/2-2 ゴゾ島へ
マルタ本島から大型フェリーで30分ほどのゴゾ島へ向かう。この小さな島に、宿を予約してあります。
フェリーに乗るため、空港からチェルケウア港まで、バスで移動します。まだ朝9時ぐらいだし、バスも空いているので、焦らずに。ただ、大きな荷物を持って乗ってきた女性が、車中で荷物が盛大に転がって苦笑していたので、くれぐれもバスには気をつけて。
ゴゾ島行きのフェリーは変わっていて、乗るときはチケットは必要ない。何日か先でも、マルタ島に帰るとき、買えばいいのです。そして、乗り場であるチェルケウア港の周辺は、バス停以外に何もないので、さっさと列に加わって、フェリーに乗ります。
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このとき、日本人の60代後半か70代ぐらいの女性に「チケットいらないって本当なの?」と話しかけられました。この方はスリーマに滞在していて、とても気に入ったと言っていました。数日後、僕もスリーマの雰囲気が好きになって、せっせと通うことになります。
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その女性とはいったん別れて、フェリー内の売店でビールとサンドイッチ。このCISKという現地のビール、マルタ滞在中、何リットルも胃に流し込むことになります。
フェリーが港に着いたら、まず中心街であるヴィクトリア、ヴィクトリアから宿のあるシュレンディ(Xlendi)へとバスを乗り継ぎます。先ほどの女性もシュレンディに三泊するそうなので、同じバスに乗ります。この方は他の日本人旅行者とも話していたけど、ほどほどの距離感で接してくれるので、ありがたい。

■11/2-3 シュレンディ
シュレンディ行きのバスは一時間に一本。どんな辺鄙な場所かと思っていたら、小さくて可愛らしい町だった。
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13時半ぐらいにホテルに着いて(少しだけ迷ったので、現地の人に教えてもらう)、シャワーを浴びてから港に出てみる。
港の端から細い階段が出ていて、ちょっとした洞窟なんかがある。
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行って戻ってくると、軽く息切れする程度。まだ15時すぎなので、海沿いに何軒か並んだレストランのうち一軒で、まずはビールとチキンナゲット。カードは使えなかったので、ユーロ紙幣で。
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白髪の太ったオジサンたちが、大声で笑いながらジョッキを傾けている。こんな昼間から、小さな入り江で。
そんな光景を見ていると、外国に来た、ひとりで見知らぬ土地へ来た、という孤独な優越感で満たされていく。

(つづく)

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