2016年11月10日 (木)

■イグアスの滝-9■

■11/5-1 「Safari」社のツアー
プエルト・イグアス滞在、4日目。一日をフルに使えるのは、今日だけだ。朝食や掃除をしてくれるおばちゃんが、「今日、チェックアウトよね?」と、スペイン語で話しかけてくる。「いや、明日の朝」。チェックアウトだけは英語なので、ちゃんと分かった。
あと、日本人客だと思うが、じっと下を向いたままスマホ見てて楽しいかよ。俺が1時間後に出発しても、まだホテルの食堂にいたよな? ホント、陰気なやつ。俺は「Safari」社のツアーに参加するからな。

で、朝10時30分に公園の入り口前って言ったよな、「Safari」社のダミアン君。ぜんぜん、誰も来ないよ!
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11時ごろになってから、「あなたがヒロタ?」と、ごついオヤジが話しかけてきた。よほど僕が不安な顔をしていたのだろうか、「心配すんな」「いまジープが来るよ」「準備はいいかい?」と聞かれる。「……あれ? 俺の英語、なんか変かな?」と気にしはじめるオヤジ、なんて可愛いんだ。
それで、カメラの設定を間違えて、へんなボカシ・フィルターがONになってしまったけど、これが「Safari」ツアーのジープだ! これに乗って、ガイドと二人きりで、笑ってしまうほど凸凹の道を進む。
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タイガー・アントだったかな。こういう珍しい虫だとか、トカゲだとかをガイドが発見して、豆知識を教えてくれる。「ここに足跡があるな。今朝ついた足跡だ」とか、けっこう面白い。英語も聞きやすいし。「いろいろな異なる種類の植物や動物がいるだろ? すべて異なっているから、森はパーフェクトなんだ」と、なかなか名調子だ。

ただ、やっぱりこのツアーは損している。ガイド氏が「これからどうする? 何、サン・マルティン島へ行きたい? 島が閉まっている場合もあるぞ。閉まっていたら、オススメの道を教える。まだ通ってないはずだよ」とレコメンドしてくれるのだが、まるで「追加のオプション・ツアーに参加しないか?」と、誘っているように聞こえてしまう。
2時間のジャングル・ツアー後、ガイド氏は公園の敷地内の事務所で降ろしてくれて、「ここでツアーは終わりだ。じゃあな」と去っていった。その「終わり」って言葉を聞くまで、追加ツアーに参加しないといけないのか、ドキドキだったぞ。

■11/5-2 3キロの小道
サン・マルティン島への渡し舟は通っていなかったので、ガイド氏がオススメしてくれた滝を見にいく。数組のグループとすれ違ったけど、ほとんど人気のない3キロの小道。
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でね、歩いてみるとガイド氏のオススメした理由がわかった。動植物的な意味でオススメなんだよね?
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なるほど、なるほど。立ちどまると、いっせいに虫が体にたかってくるので、虫よけスプレーが必要だったかも。
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そして、滝は下から見られなくなっていたので、上からちょびっと見られるだけ。下から見られたら、感動したかも知れないな。往復6キロ、2時間もかかったよ!

最後に、また“悪魔の喉笛”を見にいく。園内列車には、またしても同じTシャツを来た若者の団体客と鉢合わせたので、ヤツラが来る前に、早足で先回りする。
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変なフィルターが入ってしまっているけど、虹が出てるでしょ? 合計で三つも虹が出ていた。そして、Tシャツの団体客が到着するころに、展望台を立ち去る。

■11/5-3 夕闇
とても迷ったけど、二番目の駅で途中下車した。もう午後4時だけど、このまま帰るのは物足りない。最後の最後にグルッと……そう、滝を上から見下ろすコースを回っていこう。そう、一日ごとに日が長くなっていくけど、夕闇に沈む気配を感じながら、ここの滝を見ていたいとずっと思っていた。本当さ。
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そうか、街のほうは日が高かったんだな。ともあれ、プエルト・イグアスでの最後の晩メシは、やはりアルゼンチン・ステーキにした。400グラム。
噛みしめるたびに悲しくなるほど、痛烈な旨み。ごくりと飲みくだしてから、「うまい」とため息が出る。

だけど、このお店はカード払いのとき、パスポート番号を書かせるんだ。「パスポートはホテルに置いてあるから、やっぱり現金で払います」と言うと、じっとりと俺を睨みながら「NO」。何だよ、その態度。ひでえ。人として最悪だよ。
店の名前を書いてもいいんだぞ。単にイジワルしてるだけだよな、ホント最低の店だ。そうまで人を絶望させたいのかよ。味がいいだけに、引き裂かれるような気持ちだったよ。

ほんと、切ないというか情けない。こうして今後も、人間たちのくだらなさと戦いつづけねばならないのかよ?

■11/6 チェックアウト
朝食後、きっかり9時、ベッドメイクや掃除、朝食の支度をしてくれたおばちゃんに多めのチップを渡して、最初に声をかけてきたタクシーに飛び乗った。
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■イグアスの滝-8■

■11/4-1 ブラジル行き
旅行記を検索していくと、ブラジル側のフォス・ド・イグアスの街から、バスやタクシーでアルゼンチン側のプエルト・イグアスに移動した体験が多い。ようするに、その逆をやれば、フォス・ドに行けるはずだよね。日本から持参した旅行記のプリントをバッグにつめて、今日はポロシャツとスニーカーで出かける。

バス・ターミナルで、メモを見せる。そこには「フォス・ド・イグアスまで 往復切符」と、スペイン語で書いてある。「旅の指さし会話帳」を使えば、これぐらいのメモは誰にでも作成可能なのだ。
ところが、往復切符は売っていない。片道しかないという。まあ、片道でいいだろう。20ペソ。安いし。
飲み物を買って、ぼんやりとバスを待っていると、フォス・ドとプエルトの公園同士をつなぐレアなバスが停まった。資料によると、こいつは一日に4往復しかしていないレア・バスなのだ。しまった、これに乗れば一発で、まったく知恵を使わずにブラジル側の公園に行けるのに……でも、別のバスのチケット買っちゃったからな。

ともあれ、フォス・ド・イグアス行きのバスが来たので、それに乗る。旅行客と地元の人、両方が混じっている。
そして、どこの誰であれ、アルゼンチンを出国するイミグレーションでは、必ず全員が下車する。慣れた人たちは車内に荷物を置いたままだが、持って出たほうが安心だ。
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並んでいると、ほどなく順番が来るので、スタンプを押してもらう。何も面倒なことは聞かれない。ただ、僕の乗ってきたバスは、本当にこれでいいのかしら? 別のバスに間違えて乗って、知らない場所に連れて行かれたりしない? そっちが心配になるタイプだ、私は。乗客や運転手の顔を、しっかり覚えておこう。バスはブラジル側に移動して待っているので、ちょっと不安になるんだ。

■11/4-2 日本人
そして、数分後にブラジル側の入国イミグレーションに到着。ここは無視していい。ここでスタンプを押してもらうのは、ブラジルに泊まる人や、ブラジルから他国へ移動する人のみ。
実はさっき、僕と同じ赤いパスポートを持った青年に「どうも」と笑いかけられた。彼はブラジル側で、巨大なリュックを背負うと、下車していった。ワイルドだな、あちこち旅して回ってるんだろうな。僕は臆病者なので、東京へ帰れるチケットを用意しておかないと不安なタイプだ。

フォス・ド・イグアスの町並みが見えてきた。プエルトと違って、実にいろいろな店がある。活気があって、ワクワクしてくる。このまま滝に行かずに、街を散策しても楽しそう。
ところが、もう1時間ほどバスに揺られている。途中、旅行客が大量に降りていったが、あそこが終点だったのか? 以前、早とちりしてバスを降りて、えらい目にあったことがある。あんな経験は二度とごめんなので、「降りろ」と言われるまで乗っていることにする。

しかし、またイミグレーションに着く。また同じオジサンに、ハンコを押してもらう。ちょっと待てよ。さっきと同じ道だろ、これは。ひょっとしてアルゼンチン側に戻ってきてない? 「片道」って言ったじゃないか。なすすべもなく、プエルト・イグアスのバス・ターミナルまで戻されてしまう。3時間の旅。これじゃ、脱出しようとしても経路が循環している舞浜サーバーみたいじゃん。
もう一度、ブラジルに入国し、今度こそ下車しようか迷う……。もう12時なので、決断を急がないと。なんかアホらしいけど、イグアスの滝へ行くバス・チケットを買った。

■11/4-3 サファリ
今日の公園は、やけに空いている。すると、ほーら。入園してすぐのエンパナード売りのお姉さんが、アメをひとつオマケしてくれたよ。客が少なければ、誰でも心に余裕が生まれるのさ。飲み物は、安定のミリンダ。オレンジ・フレーバーで。
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心に余裕があるものだから、昨日、トラックとスピードボートのツアーを申し込んだ「Jungle」社のちょっと手前に、「Safari」という別のツアー会社のあることに気がつく。果たして、「Safari」とは何か?
聞いてみると、公園の外にあるジャングルを、ガイドと一緒にジープで回るんだという。一日に二度、10時と16時のみ実施。そのせいか、あまり熱心に客を集めていない。ダミアンという係の青年は、「滝の上と下のコースを回って歩いて、それから戻ってくると16時ぐらい。ちょうどツアーの出発時間だよ」 ……えっ、4時間も歩けってこと? それは苦しいだろう、ダミアン。俺、昨日もここを歩いてまわったもの。
むしろ、明日の朝10時出発のツアーに参加できないか聞いてみた。OKだが、「公園の入り口、外で待っててくれ」という。本来は、公園の中ほどにある事務所から出発するらしい。くれぐれも言っておくけど、「公園内で客を募って、公園外を回るツアー」だからね? うーん、ややこしいツアーだな。だから、客が寄りつかないんだよ。
しかし、ダミアンの「あなたの国でアニマル・プラネットは放送してる? そう、ああいう感じのツアーだよ!」という、幼稚な口説き文句が気にいった。550ペソ。「じゃあ、明日の朝10時30分、公園の入り口でね」と、ダミアンと握手した。

さて、そういうことなら、今日は素直に園内列車で、終点まで行こうじゃないか。今日は空いてるし、お行儀の悪いチビッコ団体客も乗っていないし。
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■11/4-4 遊覧ボート
そして、今日も“悪魔の喉笛”へ! 僕の地獄のお友だち!Dscn0349 Dscn0363  

駅まで戻ってくると、「Jungle」社の遊覧ボート・ツアーの出発場所があることに気づいた。あと30分で出発だ。いいね。乗ろう。「ちゃんと“悪魔の喉笛”は見た?」と、係のお兄さんが確認してくれる。200ペソ。
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今日は、滝にはアタックしないけどね。みんながスペイン語で和やかに談笑している中、ぽつんと取り残されるのも、おつなものだよ。船をこいでるオジサンが、「ほら、アンタも見てごらん」と、気を使ってくれたりしてね。のんびりした、いいムードだった。

■11/4-5 使用ずみバス切符
そして、今日は日が傾かないうちに、プエルト・イグアスの街へ戻る。猛暑の中、缶ビール片手に歩いて、メシにありつける場所を探す。もちろん、カード使える店ね。
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だけど、小さな店ではカード使えないんだよ。それでまた、バス・ターミナル近くの高級っぽいレストラン。なんとなく薄暗いムードの。
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「旅の指さし会話帳」を、カバンから出したり入れたりしながら食事していたら、後ろから「落ちましたよ」と、流暢な日本語で話しかけられた。グレーの髪の穏やかな日本人男性が、僕の使用ずみバス切符を拾ってくれた。
耳をすますと、その男性はスペイン語で女性と会話しているようだった。いいけどね。俺は日本語で書かれた絵入りの「旅の指さし会話帳」がないと、晩メシひとつ注文できないんだよ、悪いかよ!(つづく)

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■イグアスの滝-7■

■11/3-8 悪魔の喉笛
さて、イグアスの滝公園内は、もちろん園内列車を使えば、楽に移動できる。なんといってもタダだし。しかし、座席にゴミが捨ててあったり、他人の座る席に靴をのっけてる大人も多いし、マナー違反が目に余るんだ。
そんなときは、ひとりになりたくなる。構わずに、線路脇の道を歩けばいい。ただし、列車の運行が終わる午後4時から4時半ぐらいに、徒歩で移動できる道にはロープが張られてしまう。公園からプエルト・イグアスへの帰りのバスは、夜の8時15分まであるのに。
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蝶々がいっぱい飛んでいるけど、この脇道は、歩くには向いてない。滝も川も見えないし、正直にいうと退屈だ。ご覧のように、水たまりも多い。カップルが、道の真ん中でイチャイチャしている場合もあり、ちょっと立ち止まって、彼らにペースを合わせてやらないと気まずい。

めけずに歩いて最後の駅に着くと、左側に遊歩道が伸びている。トイレも売店もある。遊歩道を1キロちょっと歩くと、“悪魔の喉笛”と呼ばれる、イグアス最大の滝が待っている。
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だけど、こんな写真を見ても、何がそんなに怖いのか、さっぱり分からないとは思う。スケール感がくるって、逆に、ミニチュアを見ているような気分になってくる。
足のすぐ下、数十センチのところを通った水が、足の裏をすべるようにして80メートル直下の滝つぼに落ちていく。その足がすくむようなエリアには、さすがに立ち止まる人は少ない。

どうかしている、こんな場所に展望台を建築するなんて、どれだけ工学的知識が必要だったんだ? どれだけの工期と人員がかかったんだろう? この公園をよく見ると、あちこちの川や滝に、打ち捨てられたような過去の橋梁が残っている。
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この場所が、最初にヨーロッパ人に発見されたのは、16世紀のことらしい。「誰でも訪れられる公園にしよう」と狂ったことを言いはじめたのは、この橋や展望台を設計したのはどこの誰なのか、それを知りたい。どこから、こんな情熱が生まれてきたんだろう?

そこは、世界の終わる場所だった。際限なく、轟音とともに滝つぼに流れ落ちる大量の水は「とりかえしのつかなさ」そのものだった。お前の人生は巻き戻せない――そう言われたような気持ちだった。
この大いなる終焉は、美しい虹によって祝福されてもいた。鳥や蝶たちは、この悪夢のような光景を、単なるインフラとして利用しているかに見えた。
それでも、絶望をかかえた人たちは、この滝を前にして打ちのめされるかも知れない。その巨大なデッドエンドと、自分の肉体とが、同じ物質で出来ていることに気がついて、少しだけ胸をなでおろすのかも知れない。

■11/3-8 ハナグマ
こんな宗教的な体験のあとに、小言はいいたくないんだけどさ。
園内列車が不愉快なので、またしても線路のわき道を通って帰ったわけ。すると、またハナグマにかまっているおバカなファミリーがいるんだよ。写真とったり、「ハロー」!とか猫なで声でチヤホヤしていて、いいから、道をふさぐなよ。ハナグマは害獣だ。あんたらも、ファストフード店で買ったエンパナーダをハナグマどもに盗まれてみろ、殺意がわくから。

ハナグマにかまっている連中への抗議の意志として、僕はわき道のどぶ水の中を歩いた。
「オウ!」と驚かれたよ、サンダルごと、どぶの中をジャブジャブ歩いてるんだから。だけど、こうでもしないと気がつかないよな。超ラブリーなハナグマちゃんに構って、堂々と道をふさいでいるモラルのとろけた君たちはさ。
「ハナグマに構うな」、これがイグアスを訪れるときの鉄則だ。あいつらは、人間の愚かしさを増大する生きものだ。まして、ハナグマに構っている人間など、相手にしてはいけない。

■11/3-9 魚料理
崇高さと腹ただしさのいりまじった気持ちで、プエルト市街に戻ってきた。
さすがに疲れたので、適当なレストランに入る。だけど、本当はバス・ターミナルの先に、安いお店が並んでいるんだよね。ともあれ、店員おすすめの魚料理を頼んだ。Dscn0320
大量のフレンチ・フライも、ジャンクでいい感じ。ビールはもちろん、1リットル・サイズで。
ただ、このお店は蝿が多いんだ。あと、カードが使えない。こんな大きいレストランなのに。プエルト・イグアスのお店は、VISAカードのマークが貼ってあるのに「実は使えません」というパターンがあるので、要注意。店先でカードを見せて「OK?」と聞いてみたほうがいい。

ともあれ、ジャングル・ツアーとスピードボートで始まったプエルト2日目が終わりつつある。
明日はブラジル側のフォス・ド・イグアスへ行くべく、ベッドの上に資料を広げて、必要なことをメモしていく。ところが、ダメだった。ブラジルに入国はできたのだが……(つづく)

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■イグアスの滝-6■

■11/3-5 スピードボート
まだ初日の11時すぎだというのに、ほぼハイライトがやってきた。
ボート乗り場で、係の人から救命胴衣を着けてもらう。あと、荷物を入れるための分厚い袋を渡される。この袋は、かなり強力な防水効果がある。ただし、多くの人が使ってきたので、ちょっと匂うんだ。そこのみ、我慢だ。
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ボートは、思ったほど揺れない。端っこに乗ったが、それほど怖くないので大丈夫。写真を撮ってもいいポイントでは、エンジンを止めてくれて、ふわふわ漂う。
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この写真の同志たちは、ちゃんと日焼け止めクリームを塗ったのかな? 今ごろ、頭が『第5惑星』のエイリアンみたいになっていなければいいけど。
このスピードボートは、滝につっこむというより、間近にちかづいて、真下から滝を鑑賞する乗り物だ。もし、目をあけていられたら。水圧と水流で、ほとんど目をあけてられない。たまに、怪獣の口みたいな滝がチラリと視界に入るが、またしてもバケツ50杯ぐらいの水を、座席に全力でたっぷり注ぎ込まれて、「おおう」と声が出てしまう。もうダメだ、笑うしかない。ひとりで旅行に来た、友だちも恋人もいない高齢独身者の僕でさえ、大声で笑った。滝と格闘してるみたいだよ、怪獣映画かよ!

耐水のポンチョみたいのを着てても、絶対にムダ。僕の前に並んでいた女の子たちみたいに、むしろ積極的に脱いで水着になるのが大正解。1時間たっても、まだTシャツが乾かない。
カメラをダメにしないよう、「Jungle」社のオジサンが、スペイン語で「ここでカメラしまう!」みたいなことをジェスチャーで示してくれる。なので、このツアーのハイライト・シーンは、絶対に写真に撮れない。体験するのみ。生きててよかったぞ、しみじみ! こんなツアー、よく考えたな! 殺す気か! めっちゃ元気でたぞ!

二度ほど滝にアタックして、大満足で終点につく。救命胴衣と袋を返して、あとは自由だ。やっと普通の観光に入れる。しかし、どんなアホらしいと思っても、体験しておく価値はある。信じてほしい。

■11/3-6 広場
滝の下側から、階段をのぼるコースで降ろされた。ちょっと階段がキツい気がするけど、景観に心を奪われる。
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どこをどう歩いてたのか、自然とツアーの出発点に戻っている。コースは、よく考えてある。さて、12時すぎでファストフード店は、どこもそこそこ混んでいるが、並んで買わざるをえないほどではない。サンドイッチと、でかいギョーザみたいなのをトレーに乗せて、お会計のところで「オレンジ、オレンジ」と、バカみたいに冷蔵庫を指さす。「ああ、ミリンダね」と、お姉さんにクールに訂正されるが、恥ずかしくはない。みんなで助けあって生きていこう。ケチャップの袋を、三つもつけてくれたし。ぜんぶで、180ペソ。Dscn0236
この巨大なギョーザは、エンパナーダという。園内でも、街中でも売っている。名物料理だと知った。食べやすいので、大好きになってしまう。詳しくは、「旅の指さし会話帳 アルゼンチン」の44ページを見て。

この広場は、気持ちいい。どこかで、ラジオが鳴っている。音楽を奏でている。木陰。芝生に、無言で座っている人々。年老いた夫婦。若い夫婦、親子。小さな家族。完璧な時間。

■11/3-7 二番目の駅
腹が満たされたので、とにかく遊歩道を全制覇してみよう。しかし、二番目の駅から園内列車に乗ろうとして、あきらめる。同じTシャツを着た数十人のチビッコ集団が、座席を占有してやがる。荷物を座席に置くのはもちろん、4人席を3人で使ったりしていて、もう最悪。そこの引率教師、ちゃんとガキどもに注意しろよ。
そして、列車に並ぶ行列の真ん中に入ってきたハナグマを「これは珍しい動物だ……こんな動物を間近に見られて、なんて俺はラッキーなんだ」と言わんばかりに、真剣にカメラを向けている白人のイケメン。アホか。ハナグマなんて、そこのファストフード店で食べ物を狙おうと、うじゃうじゃいるよ。「ハナグマは相手にするな」って、『地球の歩き方』にも、くどいほど書いてあるだろ! 公園内にも、注意のマークがいっぱい貼ってあるよ!

もう、ほとほと人類に絶望したので、二番目の駅から歩くことにする。さっきのガキたちが、列車で追い抜きながら「アリガト」「コニチハ」と声をかけるが、もちろん全身全霊、リミッター解除のフルパワーで無視。心の奥底から、シカト。俺、お前らのこと大嫌いだからさ。いまのお前らは、人類の敵だから。お前らが、どんな崇高な思想の団体であろうとも。

で、2キロか3キロぐらいかな。線路わきの道を歩きはじめた。その向こうで、僕の人生は、いったん終わるんだ。(つづく)

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2016年11月 9日 (水)

■イグアスの滝-5■

■11/3-1 日焼け止めクリーム
ホテルの朝食は、自分でパンをトーストして、ハムとチーズをはさむ形式。あとは、新鮮なフルーツいろいろ。飲みものはオレンジジュースにコーヒーという、理想的な朝食パターン、最高のブレックファスト・クラブ。世話係のおばちゃんに「グッド・モーニング」と声をかけると、「Buen dia」と、現地のあいさつが帰ってきた。

バスのチケットをバッグに入れて、滝でズブ濡れになってもOKなように、Tシャツと短パンとサンダルを装着。あと、私のようなハゲは、たっぷりと日焼け止めクリームを塗ろう。昨年、ギリシャのサントリーニ島で買ったクリームを持参して、大正解だった。
どうでもいい話。バス・ターミナルの近くで、新興宗教の勧誘のお兄さんに声をかけられた。「日本人? 私も日本にいたことあるよ!」と、昭和40年ぐらいの色あせた日本語の勧誘パンフを見せられる。「いや、急いでるんだよ」と振り切り、バスに乗る。時間のある人は、あの歴史的価値のありそうな、なさそうなパンフを読んでやってくれ。
お兄さんは「アリガト」と、ちょっと寂しそうだった。二日目以降は出現しなかったレア・キャラだ。

■11/3-2 グレート・アドベンチャー
バスは20分~30分ほどで、イグアス国立公園(Iguazú National Park)に到着。
実は、ヴィクトリア・アギーレ通りのあちこちにあるバス停で「CATRATAS」と表示されたバスを止めて、運転手に現金を払っても乗れるらしい。しかし、私は事前にすべてを用意しておきたい派だ。
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さて、いよいよ国立公園に着いた。チケット売り場は、十分に窓口がそろっているので、ほぼ並ばずに買える。330ペソの現金を払えば、誰でも入れる。初日だけ、窓口で「どこから来ましたか?」と聞かれた。「ジャパン」と答えると、なぜかチケットに「Japon」と印刷され、もぎりのオジサンが「オハヨー、アリガト」と挨拶してくれる。

さて、何はともあれ、滝につっこむスピード・ボートに乗りたい。勢いあまって、公園のチケット売り場で「ボートに乗りたい」と口走ってしまったが、「それは園内に入って、右手にある会社に言いなさい」と、丁寧に説明される。
黄色いロゴで「Jungle」と書かれた小屋があるので、「Greart Adventure」と書いたメモ帳を指さす。これぐらいは、日本で下調べして、メモってあるのだ。ジープで森の中を走り、ボートで川を移動、最後に滝につっこむフルコース。時間のない人は、ボートでつっこむだけの「Nautical Adventure」が、安くていいと思う。
とにかく、「Jungle」の小屋でチケットを買う。地図を一緒に見ながら「ここで待って、ここからここまで移動。最後はズブ濡れになるぞ、大丈夫か?」と、とても丁寧にゆっくり、聞きとりやすい英語で説明してくれるので、なにも心配はない。

■11/3-4 ツアー開始
ツアー「Greart Adventure」は、800ペソだ。チケット発行のとき、ツアーの開始時間を書いてもらえる。「え、どこに集まればいいの?」と聞くと、園内列車に乗って、二番目の駅から徒歩と説明される。
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ここだ。ファスト・フード店が集まった、広い休憩所のようなエリアに、「Jungle」のロゴ。
園内列車がイヤな人は、ぜんぜん歩いていける。最初の駅、二番目の駅、最後の駅と、三駅しかない。たまに、すごい行列になっているので、遊歩道を歩いてもいい。2時間ひたすら歩けば、ちゃんと最後の駅まで着く。この列車については、ちょっとイヤな思いをしたので、後で書こう。

10時15分、ツアーがスタートする。まだ1時間ほどあるので、園内の小さな売店で、オレンジジュースを買う。20ペソ。売店のお姉さんは、たまに愛想が悪かったりするけど、いろいろな人がいる。売ってくれないわけじゃないので、広い心で臨もう。
さて、10時をすぎたので、そろそろ乗り場に並ぼう。思いきり横入りされたけど、そんなことで怒っていては、日本では暮らしていけないだろ、思い出せ。泰然自若として、横入りは見のがそう。何度でも。
ちょっと見づらいけど、こんな黄色いトラックでジャングルの中を進む。
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座席は5人がけだ。最後部の右端に乗ったが、振り落とされるのではないかとビビるほど、めっちゃ揺れる。こわい人は、真ん中の席へ。
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しかし、このトラック・ツアーは、僕に向いていた。頭を真上に向けていると、曼荼羅のように、つぎつぎと木の葉の模様が変化していく。説明は英語とスペイン語のチャンポンなので、聞かなくてもいい(というか分からない)。1時間ぐらいだろうか、えんえんと緑の中を進む。永遠とも思える時間。
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ジャングル・ライドの終着点が、そのままスピード・ボート乗り場になっている。(つづく)

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■イグアスの滝-4■

■11/2-6 バス・ターミナル
プエルト・イグアス市内から、イグアスの滝へ行くバス・ターミナルを探して歩く。
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Av. Victoria Aguirre(ヴィクトリア・アギーレ通り)を歩いていると、YPFというガソリン・スタンドがある。そこを折れて、Av. Cordoba(コルドバ通り)に入る。そのまま、まっすぐ歩く。
コルドバ通りとAv. Misiones(ミシオネス通り) が出会う角に、バス・ターミナルがある。上が、私の作成した正確な地図。
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ミシオネス通りとコルドバ通り、このふたつが大事。ヴィクトリア・アギーレ通りは関係ない。間違った地図を印刷していったおかげで、さんざん歩くことになった。五叉路があったりして、いちど迷うと、とことん迷うんだ、バス・ターミナルの周辺は。

バス・ターミナルには、いくつかのバス会社の窓口が並んでいる。
RIO URUGUAY社が、イグアスの滝へ向かうバス便を多く発着させているので、「CATRATAS」(滝)と書かれたメモを見せると、すぐ売ってくれた。「明日の朝に乗りたい」と言うと、「こっちが往路、こっちが復路」と、二枚を渡してくれる。往復で130ペソ。もちろん、乗る直前でも売ってくれる。
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英語は、若い人なら通じる。オジイサンは「私はスペイン語しか分からん」と言いながらも、ちゃんと往復チケットを売ってくれた。RIO URUGUAY社は、バスが派手なところもいい。分かりやすい。

■11/2-7 両替
先に、バス・ターミナルのことだけ、まとめて書いてしまった。実際の僕は、バス・ターミナルを探すと同時に、両替してくれそうな場所も物色していた。
ツアーなどを紹介している旅行会社の前で、小声で「Cambio、Cambio」と語りかけてくる男がいる。いかにも闇両替っぽい怪しい雰囲気だが、空港では両替している時間がなかったのだから、しかたない。レートは、1ドル=15ペソだった。
両替してくれた、ちょっと怖い感じの背の高いオジサンは「落とさないよう、ポケットにしまっておけよ」と、声をかけてくれた。ちゃんとレシートも発行される。なにかあったときのために、120ドルだけ、ペソに替えないでおいた。

さて、ペソも手にはいったし、明日の滝行きのバス・チケットも買えた。バス・ターミナル付近にはカードの使えそうなレストランが櫛比しているので、晩メシとしよう。現金は国立公園の入場料や、園内のツアーの支払いのため、なるべく温存しておきたい。
本当は、スーパーで缶ビールと惣菜パンですませたかったのだが、カードが使える・使えないでモメたくなかったし、スーパーに入ったときのヨソモノを見る目が冷たかったので、4晩ともレストランで食べることにした。
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これが、プエルトに着いた初日の晩メシ。ポークソテーとクリームライスだったかな。ビールは、1リットル入りの大きなビンを、ワインみたいにクーラーで冷やしてもってきてくれる。
この街の人の使う英語は、聞きとりやすい。英語を使わない人はとにかく、まったく使わない。

いい雰囲気の店だったが、肉は堅くて、クリームライスは量が多すぎる。胃が重たくなったしまったので、さっさとホテルへ戻る。
晩メシ代は、他のレストランでも、たいてい300ペソ前後だった。2千円ちょっとだね。

■11/2-8 夕暮れ
ホテルへの道すがら、夕暮れがきれいだった。
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上から二枚目の写真に、ガソリン・スタンドのYPFが映っている。僕は、明日から何度もヴィクトリア・アギーレ通りを経由してバス・ターミナルへ通うことになるので、目印は大事だ。

まだ21時なのに、部屋でスウェットに着替えて横になると、沈み込むように眠ってしまった。
明日は、ようやく滝へ行く。(つづく) 

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■イグアスの滝-3■

■11/2-1 ふたつの空港
ようやくアルゼンチンに入国できたのに、空港のインフォメーションで「プエルト・イグアス行きの飛行機は、どこから出ますか?」と聞くと、「この空港からは出発しません。別の空港からです」と、予想をこえる回答を聞く。どういう意味だろう、成田の第一ターミナルと第二ターミナルみたいなもんだろう……と勝手に解釈して、案内お姉さんの「バス」「一時間ぐらい」という言葉を無視して、ターミナルCへと歩きはじめた(この場所はターミナルA。なぜか、Bは存在しない)。

300メートルぐらい離れたターミナルCで聞いても、「ここではなく、別の空港」との答え。しかも、ドアの外を指差して「タクシー」と、一言。ここまで簡潔な英語だと分かりやすい。「では、その別の空港の名前を教えて」とメモ用紙を差し出すと、「AEROPARQUE」とボールペンで書いてくれた。
もう先に答えを言おう。僕の下調べが甘かったのだが、海外からの国際便が発着するのは、エセイサ国際空港(Aeropuerto Internacional de Ezeiza)。僕が右往左往しているのが、エセイサ国際空港のターミナルAとC。
そして、プエルト・イグアスへ行くには、ホルヘ・ニューベリー空港(Aeroparque Metropolitano Jorge Newbery)に、移動しないとダメである。どちらの空港もブエノスアイレスにあり、ArBusという会社がふたつの空港間に、往復バスを走らせている。片道150ペソ。所要時間1時間。

■11/2-2 タクシー
もちろん、ブエノスアイレスにふたつの空港があるなんて重要な情報は、無事にホテルに着いて、夜中に「旅の指さし会話帳」を熟読していて把握したこと。今は大急ぎで、タクシーに乗りこむしか知恵がない。

「AEROPARQUE」と書いてもらったメモを渡すと、運転手の浅黒いお兄ちゃんは「まかせとけ!」って感じで走りはじめた。あと3時間で、僕の乗るべき飛行機が離陸してしまう。最悪のケースを考える。
タクシーは高速道路に乗る。高速を下りると、海が見えてきた。いや、海ではなくてラプラタ川なのだが、まったく土地勘がないので、こんな海と市街地の間に空港があるのか、不安になってくる。

運転手のお兄ちゃんは、「航空会社はどこ?」と聞いてくる。どうやら、もう近くまで来ているらしい。チケットに印刷された「LATAM」という文字を見せると、「ああ、LATAM社ね。オーケー」と即座に理解して、両手の親指を立てて「どう? 俺、けっこう使えるでしょ!」といった笑顔で、何か決めゼリフを言った。思わず笑い声が出てしまうほど、いい笑顔だった。
だが、カードを使えるかどうか聞くと、「えー、それは無理……」と、とたんにシュンとしてしまった。「じゃあ、米ドルは使える?」と聞くと、スマホで計算してくれた。52ドルだったけど、60ドル渡した。
お兄ちゃんは満面の笑みで荷物を運んでくれて、握手で別れた。出発まで2時間もある。LATAM社のカウンターに並んでいると、お兄ちゃんは、僕が車内に忘れていったボールペンとKindleを届けにきて、またしても握手して、僕らは別れた。Kindleを忘れるなんて、よっぽど慌てていたんだな。

■11/2-3 イグアスの滝国際空港
チェックインをすませて航空券を手にすると、僕は売店でシュエップスを買った。まだペソを持っていないので、カードで支払う。
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上の写真が、ホルヘ・ニューベリー空港。いい雰囲気のカフェが並んでいたので、本当はもっと、ゆっくり過ごしたかった。ここから、イグアスの滝国際空港(Aeropuerto Internacional Cataratas del Iguazu)へ飛ぶ。イグアス空港は国内の便しか離発着しないのに「Aeropuerto」、すなわち「国際空港」という名前なので、まぎらわしい。
ネットから座席指定できなかったので、窓際のシートで2時間をすごす。そろそろ暑いので、日本から着てきたジャケットを脱ぐ。昼間の気温は、11月でも30℃前後だ。

■11/2-4  プエルト・イグアス
もう迷うのはゴメンなので、イグアスの滝国際空港に着くなり、プエルト・イグアス市内へのバスを探す。ホテルには「16時ごろに着く」とメールしてあるので、ちょっと焦っている。バスは1時間後に出発とのことなので、タクシーにしよう。空港にあるタクシー会社のカウンターで、米ドルが使えるかどうか確認して、さっさと前払いしてしまう。そろそろドルをペソに替えたいのだが、ホテルのカウンターで両替すればいいや……ぐらいに考えていた。

先に書いておくと、イグアスの滝国際空港からプエルト・イグアス市内までは、タクシー代300ペソだ。市内と空港をバスで往復したい人は、ネットで調べておくといい。いきなり市内のバス・ターミナルに行っても、「別の場所でチケットを売っている」らしいので、事前確認したほうがいい。
ともあれ、僕は米ドルでタクシーを利用した。端正な顔立ちの運転手は、「ホテルの名前は?」と聞いてくれた。ホテルの地図を見せると、プエルト市内のはずれにある、小さなホテルまで車を走らせてくれた。いつも、ホテル探しで死ぬほど迷うので、とっても助かった。

■11/2-5 ホテル
ホテルは、小さくて頑丈な鉄扉をあけてもらわないと、中に入れない。出入りするにも、鉄扉用の解除キーを使う。それだけ物騒なエリアということなのだろうか、とにかく何もない住宅街にある建物だ。僕に割り当てられたのは、4人部屋で広い。周囲は静かだ。
ホテルのオーナーは、若い長髪のお兄さん。彼の飼い犬が、大喜びで僕に飛びついてくる。荷物を置いて、半そでのシャツに着替えると、僕はバス・ターミナルを探すために出かけた。日本で印刷した地図を、バッグに入れる。それと、米ドルをペソに換金しないと……このペンションのような、フロントすらない小さなホテルでは、両替は無理な気がした。
両替所は、現地語で「Cambio」だ。「旅の指さし会話帳」にそう書いてあるので、メモ帳に書き写しておく。

ホテルの周囲は閑散としているが、日本で印刷した地図を片手に、まず大通りに出てみた。中心街に向かうと、さすがに人が増えてくる。
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Av. Victoria Aguirre(ヴィクトリア・アギーレ通り)、街を斜めにつっきる、この大通りさえ覚えておけば、まず迷わない。……そう確信するまで、もちろん1時間ほど汗だくでさまよったわけだが。中央車線にヤシの木が植えてあって、それがヴィクトリア・アギーレ通り。

さて、日本のブログで見つけた地図によると、ヴィクトリア・アギーレ通りにバス・ターミナルが面していることになっている……が、それは間違い。面していない。地殻変動でバス・ターミナルが移動したのでもないかぎり、誤りである。
正しいバス・ターミナルの場所は、次のブログに掲載しておこう。(つづく)

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2016年11月 8日 (火)

■イグアスの滝-1■

11/1(火)~8(火)まで、アルゼンチンのプエルト・イグアスという街へ旅行してきました。
世界三大瀑布のひとつ、「イグアスの滝」の周辺につくられた広大な国立公園へ、3日つづけて通って、三種類のツアーに参加。詳しくは、おいおい書いていきます。
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もちろん、こんな写真でイグアスの滝、わけても最も巨大な滝“悪魔の喉笛”の恐ろしさを伝えることは、到底できない。本当に恐ろしいのは、この右側。そこには勝手に鎖を張ってナワバリをつくり、観光客をダシにしている商売人たちもいる。
だが、そんなセコい連中のことなんて、どうでもよくなってくるほど、この旅は特殊だった。何しろ、3日目の朝、自分が日本で住んでいる町の名前、いつもの仕事の様子を忘れてしまった。あれは面白い体験だった。

今回も大量にメモをとったので、おいおいブログにまとめていこう。その前に、この旅の概略を。


おそらく、プエルト・イグアスに滞在して、3日もつづけて滝に通った人は少ない気がする。僕が事前に調べた旅行記は、ブラジル側(フォス・ド・イグアス)に泊まって、バスでアルゼンチンへの国境をこえて、プエルトの街のバス・ターミナルから滝へ向かう人ばかりだった。それなら、ブラジルから日帰りで出かけられる。
(ただし、フォス・ドからプエルト行きのバス停留所は、とても分かりづらい場所にあるらしい。ブラジルからアルゼンチンへ行きたい人は、別のブログで調べてほしい。)

僕も、当初はブラジル滞在を考えたが、今年は仕事が立てこんでおり、ビザを取得する時間がなかった。
そもそも、ブラジルからは、滝の遠景しか臨めないと聞いた。イグアスの滝の80パーセントがアルゼンチン側にあり、滝のギリギリまで近寄るボート・ツアーもある。だったらもう、プエルトまで飛行機で行って、ついでにプエルト市内のホテルも予約してしまおう。そんな、乱暴な計画だった。
もし滝に飽きたら、ビールでも飲みながら、プエルトの街を歩けばいいって考えていた(向こうは、これから夏だし)。英語がほとんど通じないそうなので、「旅の指さし会話帳」を古本で買っておいた。


まず、11/1に成田発。米国ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ空港を経由して、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスにあるホルヘ・ニューベリー空港へ。
そのまま、国内線でプエルト・イグアス国際空港へ、11/2の夕方に到着。プエルト市内のホテルにチェック・イン。
丸3日間、プエルトに滞在。11/6朝にプエルトの空港(滝からはそう遠くない。というか、公園とプエルトの街の中間あたりに、イグアス国際空港がある)を発つ。11/8には、成田に帰ってこられる。

しかし、あまり詳しく、事前情報を調べる時間がとれなかった。
絶対に立ち寄る都市や施設の名前、友だちが教えてくれたレストランの店名、現地で申し込むツアーの名前などを、小さなメモ帳に大きな文字で記しておく。地図も印刷しておく。「地球の歩き方」は図書館で借りて、必要なところだけコピーして、ファイルに入れて持っていく。

お金は米ドルを数万円、用意した。友だちは、米ドルを闇両替店でペソに換金しないほうがいいと言う。カード払いが、けっこう使えるらしい。ただし、滝のある公園に入るには、ペソの現金(おとな一人330ペソ)が、絶対に必要となる。
滝を見るには、ペソの現金必須。これは、どのブログでも、くどいほど書いてある。
また、滝に突っ込むボート・ツアーを考慮して、頑丈そうなサンダルとショートパンツ、Tシャツを買っておいた。


滝を間近に見るのともうひとつ、この旅にはサブ・テーマがあった。
昨年秋から対人恐怖が悪化し、映画館で隣に人が座るだけで、猛烈に発汗してしまうようになった。旅先ではやること、考えることが多いので、対人緊張が和らぐ。今回の旅も、飛行機やバスの中で汗をかいたりパニックにならないよう、訓練したい気持ちもあった。

よって、医者から処方してもらった精神安定剤も大量に必要だ。
今回は、まず成田で。次に、ブエノスアイレスで未知のトラブルが待っていた。(つづく)

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