2015年6月 1日 (月)

【実在児童への性暴力写真に関する請願書】について

山田太郎参議院議員に紹介議員になっていただき、山崎正明参議院議長に宛てて、請願書を提出いたしました。山田議員から明日(2015年6月2日)、参議院議長に紹介・提出予定とのことです。
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実在児童への性暴力写真に関する請願書
一 請願の要旨
平成22年9月7日、高松高等裁判所において、「児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」違反について、ひとつの判決が下りました(添付資料参照)。
被告人は当時6歳だった女児を公園の公衆トイレに閉じ込め、下着を脱がせて写真を撮影しました。この際、被告人は女児の頭に射精し、それを写真に収めています。ところが、この性暴力写真は、高松高裁では「児童ポルノ」には該当しないと、判断されました。
平成26年、児童ポルノ規制法が改正され、平成27年7月15日から単純所持の罰則化が始まります。しかし、6歳女児の頭に射精した性暴力写真は「児童ポルノ」ではないと判断されましたから、所持も自由ならインターネットに掲載するのも自由ということになってしまいます。顔の映った写真を取り締まれないようでは、被害女児の苦痛を取り除くことができません。被害女児は、今現在も人権をないがしろにされ続けています。
性暴力の証拠写真が「児童ポルノ」に該当しないのであれば、「性暴力をふるわれている実在児童の写真を世の中に流布させない」手立てを、私たち大人が責任をもって考えるべきです。
二 請願事項
1.「児童ポルノ」の定義を「性欲を興奮させ又は刺激するもの」ではなく、「実在児童が性加害されているもの」「実在児童への性暴力が認められるもの」と修正、あるいは文章を書き加えてください。
2.もしくは、「児童虐待の防止等に関する法律」で「性暴力をふるわれている実在児童の画像」の製造・提供を禁ずるよう、法改正してください。
3.法改正にあたっては、被害女児が事件当時を思い出して苦しむことのないよう、細心の注意を払ってください。
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上記の(添付資料)とは、TKCローライブラリー()で閲覧できる「高松高裁平成22年9月7日判決(TKC文献番号25464058)」のことです。
会員制サービスですので、全文を掲載することは出来ません。以下、要点になる箇所のみ、引用します。

“「同女の頭部等に射精した上,これを同カメラで撮影し,その電磁的記録を同携帯電話機に内蔵する記録媒体に記録して,もって(中略),衣服の一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した」と認定し,児童ポルノ等処罰法7条3項,2条3項3号に該当するとしているが,同画像は,判文によっても,実際の画像をみても,児童ポルノを定義した同法2条3項3号に該当しない(以下略)”

“児童ポルノ等処罰法2条3項3号の「性欲を興奮させ又は刺激するもの」は,一般人を基準として判断するものであるところ,原判示第2の事実において,被告人が撮影,記録した画像は,6歳の児童に対するものであり,一般人を基準とすれば,性欲を興奮させ又は刺激するものではないから,児童ポルノに該当しない(以下略)”


判決文を見ると、「被害者のズボンと下着を脱がせて下半身を裸にし,両足を開脚させるなどしてことさら陰部を露出させる姿態をとらせ,これを撮影,記録したもの」は、「被害者が6歳であっても,一般人を基準として,性欲を興奮させ又は刺激するものに該当する」として、【児童ポルノ】とされています。

しかし、私は「陰部の露出している写真」が、一般人の「性欲を興奮させ又は刺激する」から【児童ポルノ】、「頭部に射精した写真」 (顔面のアップ)が「性欲を興奮させ又は刺激しない」から、【児童ポルノ】ではない(例えば、インターネットにアップしても処罰されない)のは、倫理的に納得できません。
「一般人の性欲を興奮させるかどうか」ではなく、「撮影過程に加害行為があったかどうか」を基準にしてこそ、「児童の権利を擁護する」法の目的にかなうのではないでしょうか?

請願書をめぐる過程は複雑で、受理されなかったり、採択されない場合もあります。
日本政府が、明らかな性暴力の記録写真を「非合法」と認定してくれる日まで、何度でも提出したいと考えています。

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