2011年1月15日 (土)

■0115■

体が疲れているはずなのに、脳が眠ってくれないときは、『ギャラクティカ』シーズン3のバル66_01_2ター裁判のくだりを見ていたのだが、ここ2~3日は、シーズン4のクーデター話をくり返し、見ている。
アダマ提督が「反乱に加わった者に、これだけは言っておく。お前たちを許しはしない。恩赦もない!」と激怒するシーン、吹き替えもいいけど、原語で見ると、より爽快だ。
(写真手前にいるのは、名誉の死をとげたジャフィ一等兵)

銃を両手に、つぎつぎと突破口を開いていくカーラ、『ダイ・ハード』そっくりに黙々とトンネルを這っていくチロル、誰もが素晴らしい活躍を見せる。


もはや、そこいらのプロ編集者などかなわぬ執念で作り上げられた『メガゾーン23』同人誌、7568_l 『2325』、COMIC ZINさんで通販が始まっています。→こちら

『メガゾーン』は、版権をめぐる争いで、作品の秘めているポテンシャルが削がれてしまった。作り手が権利だ金だと騒いでいる間に、この同人誌のメンバーは、せっせと手を動かしていたわけであって、ページをめくるたび、「プロなんかクソくらえ」という気持ちにさせられる。

「大人は汚い!」とこぶしを振り上げた『メガゾーン』の意志を引き継いでいるのは、この同人誌だけだと思う。


『ぼくのエリ 200歳の少女』に対する、映倫の表現規制問題を風化させないために――。
「切られた猥褻 映倫カット史」を読んでいる。昭和31年公開の『太陽の季節』(原作:石原慎太郎)が、映倫の組織改組のきっかけとなったのは知っていたが、詳しく読むと、仰天である。

『太陽の季節』のヒットを受け、大映は石原原作の『処刑の部屋』を映画化。その公開直前、朝日新聞が夕刊二面トップで、大映社長に公開質問状を叩きつけたのだという。しかも、「井沢淳」と記者の名前入りで。
この公開質問状は、「映倫の審査基準は甘い、もっと規制しろ」という批判なのだが、勇気のある記者もいたものだ。下手をすれば、クビが飛ぶ。

『ぼくのエリ』のために、誰が何をしてくれただろう? せめて、映倫が配給会社に圧力をかけ、「映っていない性器を消させた」事実は語りついでいこう。ペンは剣よりも強し。


「マイマイ新子と千年の魔法の本ができるまで」ブログ、毎日更新中。→こちら
俺は「やる」と言ったら、やる男だぜ。おそらく、ギャランティの範囲を大きく越えていると思うのだが、この本は金のためにやってるんじゃない。作品に対する、感謝の気持ちなんだ。

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2010年12月26日 (日)

■『新子』本、制作日誌23■

とうとう、ラフとテキストのしめきり、前日となりました。
私が「すべて間に合わせる!」と豪語したせいか、誰とも連絡とれず、えんえんと書いては編集部に送信、体力あれば作業続行、なければ寝て、起きたら作業……という孤独な日々でした。

さて、美術設定は図版が大きく、描きこみが細かい。本のサイズはA5なので、絵がつぶれてしまわないか、GIMPで実寸まで縮小してみる。
101225_22110001 「この大きさなら、ぎりぎり入る」サイズまで小さく表示し、モニタの上に紙をおいて、シャーペンであたりをとる! 最後の最後で、原始的な方法に戻ってしまうのだ。
どうしても、絵にノド(本の真ん中のところ)がかかってしまう場合は、デザイナーさんに向けて「ノド、気にしなくて良いです」と書いておく。


美術のページは、建物の絵が並んで単調になりがち(上原さん、こんな言い方してすみません)だが、場面カットを挿入しながら、ストーリーを追えるように構成した。
101226_16070001ただ、場面カットを入れるときは、絵コンテで流れを確認し、それでも分からんときは、DVDを見る。新子の家なんて、もう目をつむってても歩けます。

あと、あれですよ。平安時代の国司の館は「諾子ちゃんのおうち」と呼ぶと、博物館的な気分が吹き飛んで、グーですよ。西対屋なんて、「諾子ちゃんのおへや」ですからね。
「諾子ちゃんのおへや」ページを、どう盛り上げるか、構成を考えました。


本日夜から、ラピュタ阿佐ヶ谷で『新子』、上映ですね。
生意気を言わせてください。この映画は、僕の戦友です。こうして一年たっても、まだリングに立っていられるのですから。

私は徹夜になりそうなので、ラピュタに行ける皆さんは、楽しんできてください。私もクジビキしたいぞ。

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2010年12月25日 (土)

■『新子』本、制作日誌22■

朝10時起床。キャラ表の最後の4ページを終わらせる。
昼食は、「多加はし」のカツ丼。ちょっと高いけど、栄養ありげなので。クリーニングに出していたDish04シャツ5枚うけとり、栄養ドリンク3本買って、帰宅。

残り30ページ、美術設定と小道具を配置し、各コーナートビラの文章を書けば、とりあえず一区切りのはずである……が、それらをすべて、明日中に形にする約束なので、がんばる。
紙とシャーペンとボールペン、そしてパソコンとケシゴムだけの単調作業なので、もはや作業風景を載せても意味ないでしょう。

キャラ解説のキャプションは、ちょっと調べ物しましたが、監督チェックで直されると思います……でも、たとえ付け焼刃でも、僕は調べないと気がすまない性格みたいです。


まだ大学を卒業するかしないかという頃、若手監督の映画企画にかかわったことがある。具体的には、原作漫画をベースにした脚本があり、その脚本のプロットはいっさい変えないまま、シーンの密度やセリフを増すという作業だった。
(まったくの偶然だが、その企画には『マイマイ新子』の山本宣伝プロデューサーも参加していた)

ストーリーの核になるのは、ロケットである。だけど、もとの脚本には固体ロケットなのか、液体ロケットなのか、燃料はどうするのか、まったく書いてなかった。
なので、僕は図書館に行って、まず、子供向け学習図鑑でロケットの基本を学び、それからアポロ計画のビデオや最近の専門書なども拾い読みして、脚本にディテールを入れていった。

すると、監督は「これはロケット・マニアではなく、ロケットのことなんて知らないお客さんが見る映画なんです」と反発した。
それは逆です。(ラブストーリーであれ何であれ)ロケットのことをしっかり考証しておかないと、ロケットの映画なんて撮ってはいけないんですよ。
「自分が知らないんだから、お客さんも無知のままでいい」という態度は、たとえば実写版『ヤマト』なんか見てても、感じられる。


原作の『ナウシカ』を読むと、「抜刀!」とか「土塁が邪魔で、俯角がとれねえ」なんてセリフが、当たり前のように出てくる。
「細かいことは分からないけど、しっかりした知識を裏づけに書いてあるんだなあ」と、頼もしい気分になる。どうしても気になる言葉があったら、調べればいい。それだけ、世界が広がるわけだから。

本を読む楽しみなんて、自分がいかに無知かを知るためじゃないかという気さえ、するのです。

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2010年12月24日 (金)

■『新子』本、制作日誌21■

一迅社さんの公式ブログ「マイマイ新子と千年の魔法の本ができるまで」、まだオープンしていない様子。代用というにはお粗末ですが、今日も制作日誌です。

本日は、キャラクター設定画のページを再開。この後、美術・小道具と設定画がつづくのだが、やはり読者はキャラの絵が見たかろうと思い、「まったく触れないキャラ」はないようにページ割を考える。とりあえず、三年三組は全員のせよう!とか。全41名、けっこう大変。
545_6 (←こんなの出来てたんですね。さりげなく表紙も載ってる)

まあ、平安時代まで合わせると、キャラ表が膨大な数になるんですわ。でも、画面に出ていないキャラはいないので、全網羅したくなってしまう。

シーンの確認用に、ちょっと台本を読んでいたら、多々良のセリフに涙してしまった。
今夜と明日が勝負かな。日曜日、小道具ページをいじっている程度なら、間に合うかな。


さて、『メガゾーン23』25周年記念同人誌『2325』が刷り上ってきたので、何部か見本誌をいただきました。今回はスタッフ・インタビューはないのですが、「ネタですか?」というぐらい貴重な資料が掲載されています。今まで、どのムックにも載っていません。
D_hyousi執筆陣を紹介しますと、いぬ/榊大悟、魚谷 潤、オーバーダード/佐藤弘、きみづか葵、木村世忍、ギムレット、ことぶき つかさ、彩工家、@sculptd90、武神 拳、氷川竜介、廣田恵介、ぷぅ、帆足剛彦、前岡和之、ムスタング、もん太、よっちむ、乱化 嫁乃助、レナト・リベラ・ルスカ(敬称略・五十音順)となっています。

序文が氷川竜介さんなので、「なに? 公式?」とか思ってしまいます。
どちらかというと「ガーランドが好き」「メガゾーンの立体物が好き」という人向けの本かも。廣田は「非実在歌姫小史~イヴはミクでもミンメイでもない~」という文章を書かせてもらい、きみづか葵さんにカラーイラストを描いていただきました。

発売は、コミケ最終日にて!

2010年12月31日(金)
東6ホール ヌ-22a 時祭組
メガゾーン23 25周年同人誌「2325」
発行/時祭組 制作「2325」制作委員会
価格1000円
A4横サイズ32ページ(カラー&白黒)

※「フェスティバルタイムズ」バックナンバーの販売もあります。

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2010年12月23日 (木)

■『新子』本、制作日誌20■

早起きして、ラフ2ページを終わらせる。
仮眠して、栄養ドリンクを飲んでからテキストを書けば、とりあえず、カラーページは形になるはずである。
『新子』本の制作は、一日も休まない!

昨夜、ある友人と「去年の今ごろ、同人誌で『新子』の資料本を出そうなんて話してたよね~」と、しみじみ。
一年前は「大人のためのマイマイ・ナイト」に毎日通っていたのだから、よっぽどヒマだったんですね。あ、防府巡りの同人誌は買いに行かないとなあ。

今日はカラーページのテキスト終わらせて、明日からモノクロ・ページに戻る予定。


仕事の合間を縫うようにして、キネカ大森へ。
101223_12050001デジタル版『ぼくのエリ 200歳の少女』。2本立て1,300円とお得なので、未見の方はどうぞ(明日24日まで)。

何も引かない、足さない、水のような映画。
エリの内面からほとばしる生命力に、震えるほど圧倒される。ラストの列車のシーンには、何か肉眼で見ているものとは別の、つまり、「今の私」がそこに映っているような気がした。「作品と関係を結ぶ」とは、このような体験をいうのだろう。

二度目のせいか、ディテールの繊細さにも、目を見張った。どうやら旅立ちを決意したらしいオスカーが、部屋に飾ったミニカーのドアを、ひとつひとつ閉めていく。
それが、どんな意味なのか説明はできないよ。でも、それがどうしても欠かせないカットであることだけは、なぜか分かる。

この映画を見た以上、「何かをあきらめる」とか、「生きることに消極的になる」とか、そんなことは許されない気がしてくる。エリの、あの瞳に凝視されてしまった以上は。


さて、肝心のモザイクですが、フォトショップの「ぼかし」ツールで消したような処理になっており、初見の方は、何が映ったのもかも気がつかなかったと思います。事実、同行したお姉ちゃん(キャバ嬢ではない)は「えーっと、どこにモザイクが?」と首をかしげていた。
この処理なら、僕も見逃したと思う。

しかし、忘れてはいけません。映画倫理委員会は、性器さえ映っていないのに、このカットの処理を配給会社に命じたのです。回答書には「事前に申請者に伝えてある」という意味のことが書かれていますが、これは事実ではありません(配給会社に電話で確認済み)。
実写映画においては、すでに表現規制は始まっています。そして、日本に映倫を止める機関・団体は存在しません。

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2010年12月22日 (水)

■『新子』本、制作日誌19■

師走ですね。
ラフ作業中に電話があり、納品済みの某原稿、本文に使ったネタを別のものと差し替えたいという。ということは、キャプションも同時に直さねばならない(『新子』本の話ではありませんよ、念のため)。
こういう場合は、文字数はまったく変わってないのに、ちゃんと別のネタになっている……というのがクライアントさんも嬉しいし、こっちも直しがいがあるというものだ。
40分で書き直して、『新子』の作業に戻ったが、返事がない。さらに直しが出たら、どうしましょ。


4ページ、ラフ完了。カラーは、残り2ページ。
101222_15140001今日は、エイベックスさんから送られてきていた場面カットを、ひとつのフォルダにまとめる作業から始めた。どうして、こういう基本的なことを最初のうちにやっておかないかな、と自分でも思う。

思えば、『新子』本を書きませんか、と最初に言ってくださったのは、エイベックスの岩瀬プロデューサーであった。「ようやく、恩返しできるときが来ましたよ」と電話してくれたのだった。
岩瀬さんに最初にお会いしたのは、署名が始まる直前あたりで、もしかして「勝手なことしないでください!」と怒られるのではないかと、ヒヤヒヤしていた。にこやかな方だと思ったけど、あの日は一日、署名の「しょ」の字も出なかったよな~。しみじみ。

よく分からんが、佐波川の写真を探していたら、涙が出てきた。この本を作っていると、こういうことが、よくある。
テキスト書き終わって、体力が残っていたら、残り2ページもやっておくか。明日は、ほとんど作業できないのだから。


昨夜は、『海月姫』第6巻を読んで、まやや様のトリコになってしまった。
51gbyapncbl最初に見たときは「だから、オタクが自分を肯定しようとして、こういうキャラを親しげに描くなよな」とイライラしていたのだが、この漫画、「そのままでいい」とも「そこから変われ」とも言ってないんだ。

「オタク/オシャレ」の間を、服装一枚で、軽やかに往還するだけなんだよな。
権力……もっと言うと、社会的な「親」を共通の敵にすることによって、「オタク/オシャレ」の対立を、どんどん無効化してしまう。
でも、だからこそ主人公たちの闘争は、学園祭っぽいんだよな。「親」に対する反抗だから。

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2010年12月21日 (火)

■『新子』本、制作日誌18■

昨日、メイキング・ページのラフとテキストが終わった。
さて、次は『新子』ならではの目玉コーナーだ。改めて素材をチェックし、どう配置するか考える。……これは、なかなか大変なことを始めてしまったようだぞ。
編集女史に調べてもらった情報を、テキストに起こして整理するという、難解な方法をとる。それを参照しながら、なんとかラフを書いてみたが、どうしても収まらない。

そうこうしているうち、因縁の深い『アクエリオン』BD-BOXのブックレット・デザインが上がってきたので、チェックして戻す(3月発売なのに、なぜこんなに進んでるんだ)。

その後で、もう一度、撮出し素材まで戻って、ひとつひとつレイアウトを見ていき、プリントアウト101221_16560001してみる。
そうしたら、突破口が見えてきた。面白いもんで、紙にした瞬間、パッと分かった。
今夜中に3ページぐらいやって、明日3ページやれば、もう出口は見えてくる。一時は、どうなることかと……。

『新子』本、深く静かに制作中。


TSUTAYA三鷹北口店が、ずーっと品切れにしていた『海月姫』第6巻、南口の本屋で、やっと買ってきたよ。
でも、一日のノルマが終わるまでおあずけ。『ハイジ』の再放送も今日で終わってしまうし、だんだん癒しアイテムが減っていく。

クララの「立てない」は、あなたに置き換えると何ですか? あなたにとって「できない」「やれない」ものって何ですか? そういう問いを発しているね、このアニメは。
「立ちたい」と言っているくせに、同時に「できない」「やれない」と言い訳するのは、やっぱり「弱虫」「意気地なし」なんですよ。
35年かけて、ようやく僕は、このアニメに追いついた。

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2010年12月20日 (月)

■『新子』本、制作日誌17■

一迅社さん公式の「マイマイ新子と千年の魔法の本ができるまで」ブログ、もうちょっとスタートが先になりそうな気配なので、進捗日誌を再開します。
もうブログ自体は出来ているので、今週末にはオープンするでしょう。


カラーページのラフとテキストが、OKとなったので、昨日はモノクロ・ページに載る設定画を配置していました。
Sscan20001(作業風景は殺風景なので、北海道・北見から送られてきた『新子』本の書店用ポップを。まだ本が出来てないのに、この熱気!)

単に設定画を並べるのではなく、監督インタビューの未使用部分を聴きなおして、台本も読んで、なるべく情報を込める。
山口弁の台本(ちゃんと本に収録されます!)を読んで、「これ、発音できないよ……」と笑う程度の、静かな部屋。


ふと、「俺と『マイマイ新子』の関係は、これで良かったはずだよな」と手を止める。
吉祥寺での上映とイベント、あの時、協力してくれた人たち。わざわざ見に来てくださった石黒昇監督を、深夜の吉祥寺で見送ったこと。名も知らぬお客さんとの会話、福田麻由子さんに渡した花束。
――幸せだった。あの春の日の思い出があれば、まだ、いくらでも進んでいける。『新子』本は、粛々と制作中です。

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2010年12月17日 (金)

■『新子』本、制作日誌16■

昨日は、一迅社にて打ち合わせ。
デザイナーさん呼ぶ前に、「本当にコレで構成いいのか? 読んだ人、分かるのか?」会議。
この本には、映画を見た人が知っているようなストーリー説明とかは必要ない。それは、いい。でも、101216_16560001今のままでは、レンタルで見て買ってくれる読者(非アニメ層)が、置いてきぼりにならないか?
それは確かに危惧していたところではあるので、テキスト増量でフォローすることにする。

こういう時は、相手の条件をのみながら、自分のやりたいところは死守する。結果的に、あきらめていた原画を一枚、載せることが出来るようになった。
非は非と認める。反省もする。こういう席でいばらず、結果を見せる。

帰ってきたら、某ムックの直しが大量に……慌てず騒がず、冷静に書き直していく。さっき送ったから、いまから『新子』本の作業に戻ります。今日は、朝までがんばるよ。

ところで、一迅社さんは『新子』本のために公式ブログを準備中だそうで、それがスタートしたら、この日誌はやめて、通常運転に戻ります。
だって、何の情報もなく「まさか、制作中止?」「無期延期?」とか思われるのは、すごくイヤじゃないですか。そのための日誌だったので。

発売まで、あと43日?


今年は、アニメそのものより、そのアニメを嫌いな人や、好きな人のリアクションに学んだ年であった。

『けいおん!』を誉めると⇒インテリな高等アニメ・ファンに「あんなアニメの演出に感心してるのか」と笑われます。

『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の悪口を言うと⇒「フィクションと現実の区別がついてない」と怒られます。

後者に関しては、このブログに反論を書き込んだ人たちの心理を分かりたくて、辛抱強く見つづけてます。『けいおん!』だって、最初は「キャバクラ・アニメ」とさげすんでいたけど、見つづけているうちに、評価が180度とまではいかなくとも、150度ぐらいは変わったと思う。

僕は、自分がどこまで変われるか知りたいがために、作品を見てるようなところがある。「自分」というのは、変化の断層面でしかないと思う。そんな、絶対的なものじゃないよ。

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2010年12月16日 (木)

■『新子』本、制作日誌15■

やれやれ、やっぱりTwitterはおそろしいよ。ポッドキャストで『けいおん!』を誉めた瞬間に、アレコレ言われてしまった。
なんで、あの人たちの言葉は、ああまで自信満々で暴力的なんだろう……。


昨夜は、あるムック用に、実写映画の解説20本。たいした文字数でもないのに、2時間半もかかってしまった。
101214_17570001本日午後、デザイナーさんと打ち合わせなので、なるべく材料は多いほうが良かろうと思って、キャラクター初期稿のラフを切る。
(絵コンテも、ページの許すかぎり掲載します。何枚ぐらい入るかなあ)

初期稿のページはたいした量ではないので、午前中のうちに終わらせてしまおうかと思う。
メイキングのページは「絶対にこう」という配置の仕方があるが、キャラクターの絵は違うように思う。どうしても迷いが出てしまうので、デザイナーさんに任せる部分が大きい。均一に、ぜんぶ同じサイズというのは、やっつけ仕事みたいで面白くない。デザイナーさんが「この絵は、ぜひ大きく」と積極的になってくれると、いい本になる。

さて、どんな打ち合わせになるんだろうか。

発売まで、あと43日! 大丈夫、間に合います。


もうひとつ、Twitterで見つけた話。猪瀬直樹副知事が、都条例について「出版倫理協会や映倫などの人が審査するのです。せいぜい月に数冊が区分棚へ移される程度。「非実在青少年」という役人言葉が消えたことにむしろ感謝していただきたい。」
……えっ、ちょっと待って。なんで、映倫が出てくるの? 映倫は表向きには劇場公開映画のレイティングが仕事であって、その権限は二次利用(テレビ放映、ソフト化)までだったはずだろう。出版にまで権限、拡大するの?

確かに、映倫のサイトの「配慮すべき法令」に「青少年の健全育成に関する条例」と書かれてはいるが、それは飽くまで映画に関してだろう。猪瀬副知事のウッカリ発言だと思いたいが……。

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