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2023年4月11日 (火)

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先週金曜日は、府中市美術館「江戸絵画 お絵かき教室」へ。
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曇りの日なのに、バス停を降りてから美術館までの道のり、すごく軽やかな気分だった。
企画展は自由で、遊び心をもって考え抜かれた優れたものだった。でも、その日全体を、朝からお気に入りの喫茶でモーニングを食べて出かける自分の軽い「気分」が貫いていた。どんな良いアイデアを前にしても、感じる心がなければ無駄なのだと思う。


日曜、月曜と徒歩圏内の喫茶店へ出かけたが、ちょっと脳内麻薬物質が過多じゃないかと思うほど、玉川上水の樹々や陽の光が気持ちいい。
帰り道、三鷹駅前の商店街が途切れる寂しい場所へ出て、ちょっと陽の傾いた深い午後を歩く。すると、ずっと過去の記憶をたどって歩いているような深遠な気持ちになる。
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こんな毎日喫茶店へ行って、お金がどんどん減っていくのかと言うと、決してマイナスにならないように、どこかでバランスをとっているんだと思う。これが、20~30代のときには出来なかった。時間がない、お金がない……そのショートスパンの焦りが、貧困へ直結する。
30代の終わりに離婚したとき、相手の引っ越し費用など数十万円も払ったのに、まだ十分に貯金が残っていた。あの時から、「焦らなくていい」という余裕が生じた。その余裕を接ぎ木するようにして、今まで何とかなってきた。なので、離婚したときに住んでいた戸塚の風景を見ると、あの時の解放感がよみがえってくる。
キャバクラで放蕩しようと海外へ2週間旅行しようと、何とかなっている。仕事に追われてもない、毎日好きに暮らしている。

街を歩く人の服装を、心の中で論評するのが好きなのだが、最近は「そのシャツの柄いいね」「色の組み合わせが冴えてるな」と誉めるようにしている(もちろん心の中で……男女問わず、写真を撮りたくなるようなスタイリッシュな人もいる)。
以前は「そんなダサい格好よくしてられるね」とけなしてばかりいた。しかし、良いところを見つけるようにすると、自分の心も明るくなる。


最近観た映画は、アッバス・キアロスタミ監督『トラベラー』、『作家マゾッホ 愛の日々』、4時間もある『象は静かに座っている』、東映動画『海底3万マイル』。
『トラベラー』はモノクロなので、キアロスタミ監督がイタリアン・レアリズモに近い資質なのだと分かる。
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トリュフォーの『大人は判ってくれない』のような少年の逃避行で、追いつめられたような解放されたような曖昧なラストシーンが胸に残る。

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