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2022年6月14日 (火)

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ホビージャパン ヴィンテージ Vol.7
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先月末、ようやく発売となったムックです。巻頭特集の構成と執筆を担当。

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先月末に世田谷美術館と五島美術館をハシゴし、今月は横須賀中央に前泊してバスで横須賀美術館へ行った。
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その間、あちこちで夕飲みしているのだが、やはり飲みすぎると酔うことが目的化してしまい、つい家でも安いワインを飲み続けてしまう。すると、その日に払ったコスト(お金だけでなく、自分の足で探した情報の価値や恵まれた天候)は台無しになってしまう。


最近観た映画は『ブルーサンダー』、『未来警察』、『アシュラ』、『さらば愛しき人よ』。
原田眞人が1987年に撮った『さらば~』は、80年代の軽佻浮薄な気分やファッション、当時の業界人のカメオ出演に感傷的な気分にさせられ、なおかつ原田得意のひねった癖に彩られた悪役たちが楽しい。『ガンヘッド』を経由して『タフ』シリーズへ至るアクションの系譜が、明らかにこの映画から始まっている。

日本映画も面白いなと思いはじめたので、なんとなく「女性向けのポルノだろう」との偏見から遠ざけていた『娼年』を気まぐれに観てみた。
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そして、その成熟した人間観に、すっかり感心させられた。映画が終わるころには、冒頭に登場した軽薄な女子大学まで、身の詰まった彼女だけが生きてきた唯一無二の性を背負っているように見えてくる。ひとりひとりの女優が、恥も照れも年齢も武器にしながら、その人だけの喜びを表現していた。

ネオンサインに彩られた夜の街はCGのように人工的に美しく撮影され、昼間働いている人々が歩く横断歩道は穏やかなグレーに沈んでいる。表層的に生きるしかない凡人たちを軽蔑しているわけではない。グレーの世界には、グレーの世界なりの穏やかな落ち着いた美しさがある。凡人たちだって、言葉に出来ないだけで彼ら固有の生と性を生きているはずなのだ……そんな厳粛な距離感が、映像の質感から伝わってくる。
映像なんて綺麗に撮れれば何でもいいんだろうと、ずっと思ってきた。『娼年』の映像には、倫理と世界観がある。ひさびさに、誠実な表現を見た気がする。

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