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2022年4月15日 (金)

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EX大衆 2022年5・6月号 本日発売
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“ファーストガンダムの隠れた名作が映画化! いま、新たな1ページが開かれる 『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』考察ガイド”、特集記事を執筆しました。ザク研究、映画化されなかったベスト・エピソード選集など。
この手の企画記事は、お手の物です。

カメラは近づき、カメラは遠ざかる――「戦闘メカ ザブングル」第1話に見る富野演出の基本【懐かしアニメ回顧録第89回】
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アキバ総研で連載しているコラム。ひさびさにストーリーではなくて、演出のことを書けました。


「いま、ウクライナで起きていることが理解できる」と古くからの友人が言うので、プライムビデオで『あの日の声を探して』を見た。
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現代とは思えないような、泥臭く原初的な人間の堕落、憎悪がむき出しに描かれている。
確かに優れた映画なのだが、そういえば「友人が話題にしていたから」……などという理由で映画を見ること自体、ひさしぶりのことだ。いつもは、ただ自分の内面や記憶とのみ対話して、その日にやりたいことを決めている。誰とも話さない。せいぜい、喫茶店の人に注文を言うか、クリーニング店に衣類を出すとき、事務的な会話をかわすぐらいだ。

どこからどこまでを友人と呼ぶのか分からないが、少なくとも「親友とそれ以外」という考え方をやめた。「彼は親友だから」と関係を口にした途端、たちまち呪縛となる。そこまで他人に期待しない、そこまで他人を追わない……それが、僕の生き方になっている。
たまたま、仕事でも付き合いのある人と飲む機会が重なったのだが、やはりどうしても相手のペースが気になり、自分の機嫌とのバランスを考えてしまう。相手を尊重しつつ、自分が後悔したりしないように……そのバランスを考えるのに疲れたから、ひとりで過ごすようにしている。
反面、友人がひょいと映画のタイトルを口にしてくれたように、自分とは関係なく遠くで世界が動いているのだと実感できる、この距離感も心地いい。孤独だけど孤独じゃない。海外旅行へ出ると、この温かい疎外感をキープできる。
こんな雨の日、喫茶店で窓際にすわって濡れた街路を眺めるのもいいが、常連客が大声でマスターと雑談している、その自分とは無関係の世界の残響に身を浸すのも楽しいものだ。ずっと、自分には孤独を楽しむ素養があった。しかし、若いころは「友達はたくさん居るべき」という俗説に取りつかれていたので、この年になってようやく味わい方が分かってきた。


一方、他人に依存し、他人を犠牲にすることで不自然なまでに自分が優れている、ケタ外れに優遇されていると意識しつづけねばならない自己愛性パーソナリティ障害の人たちに、もっと手短な呼び名はないだろうか?と考えている。「人格障害」では差別になるので、「パーソナリティ障害」なのだと聞いた。長すぎて覚えづらいとは、誰も思わなかったのだろうか。
「発達障害」「PTSD」という呼び名は、社会に定着した。言葉は悪いけど、バカとかマヌケとか無能とか、あきらかに社会に存在していたのに「努力が足りない」などと適当に言いくるめられてきた多数の人たちが、顕在化された。「発達障害」という呼称で救われた人は、かなり多いと思う。
そして、自己愛性パーソナリティ障害の人たちによるモラハラやドメスティックバイオレンスなどの加害と支配は、社会の一部と言ってもいい。しかし、彼らはナルシシストとかサイコパスとか、おおいに曲解されうる通俗的な呼び名しか与えられていない。それでは、問題が可視化できない。

自分が常に話題の中心にいないと気がすまず、ウソをついてまで他人の心に踏み込んでくる……何か問題が起きたとき、自分だけは責任を負うまいと他人を攻撃する。そういう幼稚でずる賢い人たちのせいで、どれほど多数が人生を台無しにされただろう? 自己愛性パーソナリティ障害は、社会の病根だと言ってもいい。
そういう迷惑な人たちは社会で養ってあげて、本当に仕事のできる人たちのみが、十全に能力を発揮できる間だけ働けばいいと僕は考えている。


『あの日の声を探して』以外で、見た映画。
『リリーのすべて』、『キャッツ』。どちらも、トム・フーバーの監督作品だ。
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『リリーのすべて』は、性別と異なる内面を持った男性が主人公で、しかも彼は画家である。したがって、『英国王のスピーチ』以上に画面は絵画的に構成されている。二重になった自我を表現するため、鏡面も積極的に使われている。その絵画性に着目すれば、『キャッツ』のように人工美にあふれた作品も理解できる。『キャッツ』はカット割りも構図もへったくれもなく、俳優と特殊メイクとCGによって描かれた動くイラストレーションだった。

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