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2022年3月26日 (土)

■0326 ポーラ美術館~国立新美術館~森美術館~東京国立近代美術館~東京都現代美術館■

旧キットの金型改修で爆誕した1/144ザク・マリナーを組み立てたら、「機動戦士ガンダムZZ」の混沌ワールドに溺れかけた!【80年代B級アニメプラモ博物誌第20回】
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いつもの連載コラムです。

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22日に小田原駅前に泊まり、翌朝一本きりの直通バスで、ポーラ美術館へ向かった。
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林の中の遊歩道は、雪のため閉鎖されていた。よって、林の中に展示してあるという作品には出会えなかった。
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しかし、質感に富んだロニ・ホーンの作品は、ゆったりと空間をつかって展示してあり、雪明りの差し込む半地下の建物にも満足した。
「水の風景」と題して、モネの作品を水をキーワードに集めた展示はロニ・ホーンのモチーフとの共鳴を狙ったもので、その意図の明確さに気持ちがよくなった。いわば、印象派は添え物だ。美術館全体を堂々とひとつのコンセプトが貫いている。これが正しいのだと思う。
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365日、大晦日も元旦も休まず営業しているという(近隣の温泉から足を運ぶ客がいるのだろう)。しかし、こんな山奥のカフェの食材は誰が運んでくるのだろう? こんな都会を離れた寂しい美術館で働くのは、どんな気分だろう?
直通バスは確かに数えるほどだが、この一帯に温泉や遊楽施設が点々としており、スマホでパスポートを提示して路線バスを乗り降りする客もいた。乗り換え場所さえ間違えなければ、簡単に小田原駅まで戻ってくることが出来た。

■3/24
東京へ戻ってきた翌日、24日は国立新美術館へ向かった。
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ダミアン・ハースト展は、似たような桜の絵ばかりで、開放的な空間を構成している。しかし、「えっ、これだけ?」と拍子抜けするような物足りなさがある。
もうひとつのメトロポリタン美術館展は、行列が出来ていたので素通りするつもりだったが、空いてきたようなので入場してみた。
しかし、この手の「〇〇館展」はパッケージ化されて巡回しており、美術館サイドが企画したわけではないという。まして、新美術館は収蔵作品がなく、小屋を貸すだけの美術館だ。だから、この日も場所を借りて素人の作品を展示する公募展が二つもあった。

カフェに寄ると、いかにも俗物な画家きどりの老人が、若い女性相手に「あいつは美大出身で、俺が絵の勉強を見てやった」といったホラ話を得意げに吹聴している。
そうした通俗的な雰囲気が、メトロポリタン美術館展には濃厚に立ち込めていた。みんなもっともらしい顔で小さな絵を食い入るように見つめていたが、本当にいいと思っている? お互いに顔を見合わせて感心したようにため息なんてついているけど、ポーズだけなんじゃない? こういう権威にまみれた企画を「つまらない」と言うには、それなりに勇気がいると思う。


白けた気持ちを少しでも消し飛ばしたくて、そのまま陽光に照らされた六本木の街を横断して、森美術館へ向かった。
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Chim↑Pom展。彼らの作品は二つほど見たことがあって、覚悟はしていたのだが、高校の文化祭レベルだった。
権威や道徳を蹴破って乱暴に表現するとしても、技術は問われると思う。彼らの作品……というよりガラクタは、とにかく汚い。下手くそなだけだ。お客さんの半分は呆れていたが、もう半分は熱心に写真を撮っていた。悪いけど、最上級の美術展を見たことがないんだと思う。
福島原発や原爆ドームをモチーフにするとしても、「そうでもしないと注目してもらえない」薄っぺらさと余裕のなさが感じられる。そして、こうした批判からも「ほらね? そう言われることも最初から織り込んであるんですよ」と逃げているような、「本気でない」ムードが感じられて、すっかり不愉快になった。

先ほどのメトロポリタン美術館展もそう。芸術になんて本気で興味があるわけじゃないのに、自分を騙して、それっぽく取り繕ってしまう。「自分は凡人とは違うんだ、感性が優れているんだ」と思い込んでしまう。人生に待ち受ける罠のなかでも、これはなかなか厄介と思う。


さて、どうしよう? まだ昼過ぎだ。海や川が近いわけでもないし、飲む気にはなれないので、どこか喫茶店へ行こうか?
高校のあった国立競技場の近辺はよく歩くが、原宿方面がにぎやかな感じがして、前から気になっていた。
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まず商店街の入り口に神社があり、その向こうには怖気づいてしまうほど洒落た店舗がポツポツと立っている。
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駐車場のようなところに、真っ白なプレハブの小屋があって、「なんの店舗だろう?」と近づいてみたら、扉をあけてショートヘアの快活そうな女性が歯を磨きながら出てきた。まるで、ヌーヴェル・ヴァーグの一場面のようだ。
そこから先は、不思議な気分だった。脳内物質が不均衡になり、認知能力が鈍ったせいだろう。道行く人々が、みんな洒落た格好に見えるのは場所柄かも知れないが、誰もが映画のエキストラのように「よーい、スタート」で演技をしているように感じられるのだ。
人物だけでなく、建物もすべてがセットのような、表面だけのハリボテに見える。それは多少不気味ではあったが、どちらかという気分がいい。酩酊しているような感じであった。すべてが音楽のように調和していた。
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グーグルマップで調べてみると、駅の反対側に、テラス席のあるカフェが見つかった。
川沿いでも海沿いでもないが、流れるような車の列をながめて、右から新宿御苑の鳥の声、左から高架を走る中央線の音の聞こえる都会らしい環境が、今の気持ちにマッチしていた。
クラフトビールを二杯飲んで、帰宅した。あの酩酊した気分には、なかなか戻ることが出来ない。

■3/25
翌日、25日は朝から東京国立近代美術館へ向かった。
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鏑木清方展。日本画で美人画なんて興味なかったはずだが、漫画やアニメに通じるような生き生きとしたスケッチには、心をつかまれた。
大きな絵では着物の柄はパッキリと明快に塗り分けてあり、女性の顔はうっすらと透き通るように、まったく別の描き方をしている。技術が、すなわち説得力なのだ。

また、会場の章立ては「生活」「物語」とテーマで追ってきて、第三章で「小さく描く」と絵のサイズへと視点を変えている。その明快さ、大胆さも気持ちがいい。
コレクション展も、気をつけてみると技術に秀でたものが多い。


竹橋から木場へ、バスを使って東京都現代美術館へ。なんと四つも展覧会があるが、すべて観る。
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井上泰之展、吉阪隆正展。特撮も建築も、ただ図面や写真の羅列になりかねない。後者は、建築模型の向こうに実寸大に引き延ばした図面を配して、さらに本人の写真もライフサイズで壁に貼っている。
しかし、どちらも「なるほど、考えたな」という印象。この美術館では、過去に石岡瑛子やミナ ペルホネンなど、興味の範疇外から一気に胸に飛び込んでくるような優れた展示があった。


さて、コレクション展はあまり変わり映えしないのではないか、だからこそハズレのない安心感を抱いてもいるのだが、中西夏之の抽象画が貼られていて、まずはこれが良かった。
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適当に模様を描いているのではなく、色の選び方が洗練されている。
撮影禁止だったが、宇佐美圭司の抽象画も、同じように完成度の高い作品だった。これだけで、十分に満足のいくものだったが、入場無料の展覧会もあった。
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藤井光の、木板や絨毯などの素材を等間隔にぎっしりと部屋に敷き詰めた作品。空間ごと体験する、有無を言わさぬ作品を無料で見られるのは凄い。
もう15時近く、少し日が傾いてきた時間に若いカップルが入り口でチケットを買っていて、「こんな時間から観るのか、もう一日も終わるのに……」と勝手にセンチメンタルな気分になってしまった。曇り空の下、小さな公園で親子が遊んでいても、似たような気持になる。そういう寂しい雰囲気が、僕は好きなのだと思う。


さて、木場近くのケバブ屋にテラス席があると知った。川沿いなので迷わず寄っていこうと思ったのだが、小さなテラスは橋のすぐ近くで、近所の人が自転車で通るような落ち着かない場所だ。
それと、隣のセブンイレブンの前で、中年男が一番安い缶ビールを買って、路上にしゃがんで飲んでいた。あの男と僕と、何が違うんだろう? こんな場所で妥協してはいけない、茅場町から数分のところにビル4Fのテラス席があると聞いていたので、そこを目指す。

ところが、時間帯が悪い。ランチは15時まで、ディナーは17時からという店ばかり。
グーグルマップを必死に調べて、茅場町から秋葉原へ移動、浅草橋近辺のテラス席を片っ端から当たるが、川沿いではなく歩道に面していたり、どこか今ひとつだ。ヘトヘトになってしまったが、ここまで来たら両国へ行くのも同じだと思って、隅田川の向こうのイタリア料理屋を目指す。ところが、その店もランチとディナーの中休み。これはもう、飲まずに帰れという神のお告げなのだろう。

しかし、いつか浅草橋での取材のときに、川の向こうに見えた灯りが気になっていた。確か、水上バスの発着場だ。
そこを目指して横断歩道を渡りエスカレーターで登ると、なんとテラス席のレストランがあった! こういう時の自分の勘というかツキは、なかなかのものだ。
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疲れていたので、素直に「ビールとナッツじゃダメですか?」と言えた。ボーイは「軽食ですか? メニューには載っていませんが……」とクラフトビールを紹介してくれた。もちろん、それにする。そこでしか飲めないものを必ず選ぶ。「いつもの安い生ビールでいいや」などと妥協はしない。
一食4,000円という高級店だが、トータル1,700円ほどですんだ。


最近観た映画は、『クリムゾン・タイド』、『フォレスト・ガンプ/一期一会』。

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