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2022年1月 2日 (日)

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大晦日に『ロープ』、元旦に『間違えられた男』を視聴。ヒッチコック作品は、プライムビデオに豊富にある。
『ロープ』は30年前、大学の講義で観た。その時は舞台劇と変わらないという印象をもったが、全編ワンカットという試みを自嘲するかのような大仰でコミカルな演技は、『ハリーの災難』に近いと感じた。ヒッチコックの冷笑的な側面が強く出ている。
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『間違えられた男』は、例えば上のカット。無実の主人公を冷酷に追いつめていく刑事二人。左側に立っている一人は活発に動き回ってアレコレと喋るが、右の一人はジッと座ったまま主人公を睨んでいる。いわば、饒舌と沈黙の両面から主人公を圧迫しているわけだ。こういう機能的な演出が好き。
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このショットもいい。保険会社の事務員たちが、主人公を強盗犯人だと早合点する。書類に視線を落としたままヒソヒソ話をしているので、必然的に顔をこちらに向けた3人が、ギュッと詰め合ってフレームに収まる。視野の狭い、主観的な印象になる。向き合って話していたら、こんな異様な感じは出ない。

前半では主人公が検察に追い詰められていき、後半では妻が精神的におかしくなる。まるで、2本の映画を一括りにしたような構成も意外性がある。主人公は真犯人の突然な登場によって、不合理な形で救われる。『鳥』が特にそうだが、ヒッチコックの映画には理に落ちない唐突なことが起きる。
この映画は1956年のもので、成熟した完成度だ。だが、完成された劇映画をヌーヴェル・ヴァーグが鮮やかに破壊する。そのタイミングが無作法で劇的だと、いつも思う。


年末は、ウォーターフロントで夕飲みしようと決めていた。
なので、12月30日は渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで「ザ・フィンランドデザイン展」を鑑賞してから、新橋へ移動。ゆりかもめで芝浦ふ頭まで行って、ひさびさにレインボーブリッジを歩いて渡った。
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お台場海浜公園まで歩けば、15時30分ぐらいには台場のレストランに着く……のだが、かつて見たことがないぐらい混雑している。おまけに、いつも行くレストランはテラス席が封鎖中。その他の店と同じく、ぎっしりと行列が出来ている。
それと、外国人観光客が多い。別に外国人でも日本人でも同じことなのだが、6~7人ぐらいでぞろぞろ歩いているのが嫌な感じ。群れると、似たレベルの人たちが集まってきてしまう。その澱んだ空気が、生理的にダメだ。

夕飲みはあきらめて、東京テレポート駅まで歩く。このまま家まで帰るのはバカバカしいが……と思いながら電車に乗り、ふと思いついた。天王洲アイル駅で降りれば、WHAT MUSEUMの帰りに寄ったカフェに行ける。
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こういう時の僕は、すばらしい機転を発揮する。16時を回って日の沈みかけた、ちょうどいい時間帯に滑り込めた。ただし、寒いのでビールは一本だけ。奥の高級レストランには風よけがあり、外国人のカップルが雑談している。
後から、ひとりだけカフェから出てきてテラス席に座った人がいたが、それ以外は閑散としている。対照的に、暖かい店内は混みあっている。
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ほぼ、視界の360度が夕陽に染まっていく。この天国感というか、映画『バニラ・スカイ』のような超絶感をいつも求めている。 
ひとりでなら、いつどこで何をしてもいい。読書、喫茶、美術、映画、飲酒、何だって思うがままだ。

人が群れている、ということは考えずに習慣で行動する人たちが滞留しているというだけのことだろう。向上心のない無気力な人たちが集まってくるのだから、その場の空気は澱む。澱んだ空気を避けていれば、必然的に自分だけの場所が出来ていく。

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