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タカラ製1/100「巨神ゴーグ」を組み立てて、“甲冑ロボ”の極意を学ぼう【80年代B級アニメプラモ博物誌】第15回(■)
ただ旧キットを素組みするだけの連載ですが、なんと、記事のいちばん下に、当時の設計担当者の方のコメントが投稿されていました。
「懐かしいです。ウインガルもゴーグのキットもタカラ時代に担当して設計&商品化しました。 当時の記憶がよみがえりました。」
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まず、10月28日(木)はアーティゾン美術館『M式「海の幸」』展へ。
明治時代の画家、青木繫の絵画「海の幸」を、現代芸術家の森村泰昌がまずテキストで批評し(壁に絵の論評が書かれているのだ)、そして自らコスプレで「海の幸」を再現することによって、新しい文脈を与える。
最終章は映像作品で、青木繫の仮装をした森村が、青木の生涯や彼の生きた時代を関西弁で振り返る(それによって、森村が創作意図がより明確になっていく)。意図を言葉にしてしまうと元も子もないのだが、その誠実な語り口には胸を打たれた。
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その後、隅田川まで歩いて、川沿いのカフェで一杯。
ちょっと物足りないので、とりあえず清澄白河駅まで歩き、バスに乗って勝どき駅へ行くか、歩いて木場公園へ行こうか迷う。どうしても隅田川沿いで飲みたくて、地下鉄で蔵前へ向かい、テラス席のあるレストランまで歩いた。
ハッピーアワーなので、ビール500円。2杯飲んで、ポテトを頼んでも1400円ですんだ。
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11月2日(火)は、寺田倉庫のWHAT MUSEUMへ。バンクシー展は混んでいるので、Obayashi Collection展だけ見ることにした。客は、僕ひとり。
全3部構成になっていて、二階には数十点の現代美術作品が集めてあった。ジョン・チェンバレンの、鉄板を折り曲げてまるめた作品に、すっかり心奪われた。
ダン・フレイヴィンの蛍光灯を使った作品は、たしか京都で見たと思うのだが、思わず「アッ」と声が出てしまった。いつの間にか、記憶に残っていたらしい。
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せっかく天王洲運河に来たので、川沿いのレストランを目指す。
お値段の高いレストランは混雑気味で、その手前にあるカフェで比較的安いビールを飲んだ。まだ15時ぐらい。すっかり、川飲みの癖がついてしまった(毎日、ポカポカと暖かいし……)。お値段を考えないと、ちょっと生活が心配になるぐらいの金額が、ゴッソリと出ていってしまう。
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ホームレス……というか、テント暮らしをしながらシェア・オフィスで仕事している人のブログを読んでいて、アートとして移動可能な家を作った坂口恭平さんのことを知った。
ただちに坂口さんの『独立国家のつくりかた』を読んだのだが、工夫しながら独自の生活を営むホームレスたちに取材しながら、「学校社会」ではなく自由で創造的な「放課後社会」に生きてきた自分を発見していく前半はエキサイティングだった。考えてみれば、誰ひとり自分の意思で日本に生まれたわけではなく、誰ひとり日本国と契約した人はいない。いつの間にか、漠然とした「決まり」として、税金を払わされているのに過ぎない。35年ローンで家を買って、家のために35年も働きつづける。
しかし、『独立国家のつくりかた』の後半では「やはりお金は必要」と論調が変化し、著者が躁鬱病であることを告白したあたりから、威勢のいいスローガンが、空虚に感じられてくる。
つまり、前半で「お金なんて重要じゃない」「お金がなくても生きていける」が、躁状態の言わせた軽挙妄動だと分かってしまう。この失望は大きい。ロジックで「お金がなくても生きていける」と証明してほしかった。社会に所属しない、完全な自由……それは夢ではないと思いたい。
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