« 2021年5月 | トップページ | 2021年7月 »

2021年6月27日 (日)

■0627■

アニメスケールの「1/460 古代ロボ ゴダイガー」(アオシマ)を知っているか? 連載初、アニメ未放映のオリジナルロボを決死の覚悟で組み立てろ!【80年代B級アニメプラモ博物誌】第12回
Wellrexmmexport1624111840421mh1624111872
各方面で大反響だった「寿司プラモ」のその後とこれからの展開を、秋東精工さんに聞いて、ついでに金型で成型させてもらった!【ホビー業界インサイド第71回】
Wellmh162411187209201
2日連続で、アキバ総研に連載記事が掲載されました。「B級プラモ」は、無事に連載一周年を迎えることができました。


さて、都議会議員選挙。三鷹市に転居してきてから十数年、選挙には欠かさず行くようにしているけど、今回はあまり関心がなかった。
金曜朝から選挙カーの音が響き、「すぐに通りすぎるだろ」と二度寝しようとしたら、マンションのかなり近くで演説会が始まった。これがウルサイ。司会の女性が「続きまして……」「続きまして……」と、ゲスト(というか応援演説の人)を紹介しつづけて、ぜんぜん終わらない。もう、寝るのはあきらめた。演説会は40分以上続いて、ようやく終わったのだが、その後は演説カーが名前を連呼しまくる。

枕元のスマホで「三鷹 選挙」と検索すると、この人であることが判明した()。加藤こうじ候補。自民党の中では、かなりキャリアのある人みたい。しかも、俺と同い年だよ。
応援演説には、三鷹市長や地元の国会議員など、偉い人たちがズラリと集まっていたらしい。地元の商店会関係で、俺と一緒にアニメ企画展を開催した人も来ていたみたい。

とりあえず加藤さん宛てに苦情のリプライをしてみると、他にも近隣で迷惑していた人が書きこんでいた。だけど、当たり前なのか知れないけど、加藤候補者本人は僕らの批判リプは完全にシカト、地元の自民党関係者や賛同者の好意的なリプには細かく「いいね」をつけている。
こういう身内意識は、自民党も共産党もたいして変わらんのだな……と呆れつつも、やはり腹の虫がおさまらないので、加藤さんの選挙事務所に行ってみることにした。徒歩数分のところだ。

■選挙事務所、選挙管理委員会、三鷹警察署
加藤さんの事務所では、女性の方が奥から出てきて名刺を受け取ってくれた。
俺は不愛想に苦情を言ったのだが、女性は「来ていただいて、ありがとうございます」と、丁寧に頭をさげた。その人の話によると、今朝と同じ場所では演説する予定はないという。東京都選挙管理委員会にも電話で問い合わせてみたが、選挙カーは朝8時から20時まで、とくに制約なく走り回れるという。「候補者の権利ですから」と、電話口の男性は強く言い切った。

翌日、今度は夕方に加藤さんの選挙カーがマンションのほぼ真下で名前連呼を始めたので、俺は跳ね起きて警察に電話した。
ほどなくして三鷹警察の方が来てくれたが、「選挙カーを取り締まるとしたら、もう法律を変えるしかないですね……」とのこと。だけど、記録には残してくれるという。通報はやりすぎとも思ったけど、どういう対応をしてくれるのか、どこまでが警察の守備範囲なのかは、よく分かった。(俺は加藤さんのアカウントに「警察に通報しました」と煽りリプしたけど、たぶん見てないんじゃないかな)
三鷹警察の人は、こちらの気持ちを細かく汲んでくれる有能な方だった。

■雇われツイッター
でもねえ、自宅近くで40分以上も大音響の演説会をやらなければ、俺は加藤さんの存在なんて知らずにいたと思う。
自宅で働くフリーライターとして、致命的にうるさいから苦情を言いにいったり、執拗にリプライしたにすぎない。このブログを読んでいる人なら分かるだろうけど、俺は池内さおりさんのような共産党員には激しい攻撃を加えているけど、自民党に対して特別な言動は見せてないはずだよ。どちらかというと、サヨクやツイフェミに批判的だったよね、最近の俺は。

だけど、加藤さんが自民党のせいか何か分からないけれど、彼の支持者に「雇われツイッター」と言われてしまった。
Wellmh162411187209201_20210627163401
この人、5人ぐらいしかフォロワーがおらず、俺は2万人以上フォロワーがいるので、なにかビジネスでもやってると思われたんだろうか?
で、ひとつだけ「いいね」が付いてるでしょ? 加藤さんは支持者は多いから、末端の支持者だろうと思ってクリックしてみたら……。
203473250_4073796002714283_4432816912092
ふはは、まさかの本人でした! あらためて「人間ちっさ」と思ったけど、保守というか右翼っぽい人たちは、自分たちに寄せられた批判を「反日勢力の工作」扱いしたがるね。「在日」とかさ。今回の場合は、「反対陣営から金で雇われてる」とでも思ったわけでしょ? もし金で雇われてるとしたら、俺はもっと上手に煽るし、芸術的に攻撃すると思うわ(笑)。
(7/1追記:もうひとり、自民党所属の三鷹市議・伊東みつのりさんも「いいね」してました。徹底的に組織と勢力のみで行動する人たちだ……)

騒音で俺の仕事を邪魔するなら、自民だろうが立憲民主だろうが、右でも左でも関係なく怒るよ。それが自由な人間だからな。ひとりの人間の中に、右翼的な部分も左翼的な部分も混在しているんだと理解している(だからリベラルとかフェミニストの人が、ファシズム的な発言をするのは人間として当たり前だと思っている)。

共産党や左翼の人が、自分たちへの批判を「ネトウヨども、差別主義者どものヘイトスピーチ」と十把一絡げにまとめるのとまったく同じことだ。「反自民」とか「反アベ」などと党派性に縛られていると、世界を敵味方に2色に分けるしかなくなる。
「可でもなく不可でもなければ、我が身は風のように自由でいられる」——岡野玲子さんの『陰陽師』の言うとおりなのにな。

■バカを力関係によって優位に立たせるシステム
あと、大事なことを忘れた。加藤さんは、自分のツイートに付けられた批判的なリプを非表示設定で見えなくしている。
Wellmh162411187209201_20210627170301
この2つの批判リプのうち、上の「自民党には絶対投票しない」と書いた人のリプは、加藤さんのツイートからは見られない。すると、「批判なんかなかった」ことに出来る。
……これ、政治家としてどうなの? 反対意見はもみ消すってこと? 言っておくが「自民党だから」じゃないよ、共産党議員だってファシズムみたいなヤバい言動してるよね。あのさ、有権者の批判意見に傷つきながらも、正々堂々と自分をさらけ出していけば、味方に出来るかも知れないじゃん。フォロワーがようやく350人を突破した弱小アカウントにとっては、チャンスだと思うわ。
だけど、加藤さんは消しちゃうんだよ。
もうちょっと言ってやろうか。「消したのは間違っていた」と反省すれば、今よりは好感を持たれるだろう。それが、戦略というものだ。でも、この人はやらない。それぐらい不勉強で、愚鈍だと思う。

あと少しだけ書こう。
俺が直接会ってきた政治家って、わりとバカな人が多かった。バカと言っては失礼だけど、一方的な見解を簡単に信じて、それ以上は調べようとしない。そもそも、漢字が読めない。間違った言葉を、偉そうに使っている。まわりに指摘する人もいない。
あと、話の流れをぶっちぎって、自説をペラペラと話しつづける。周りが「その話はさておいて」と軌道修正しても、気がつかずに、また自分の話に戻してしまう。すげえバカ。……失礼だけど、「え、こんな知能レベルで務まるの?」と思ってしまったのは確か。
だけど、彼らは組織や地域の中では、揺るぎのないポジションにいる。だから、バカでも高額の議員報酬で生きていける。

都議候補のアカウントを見ていると、「今日も元気に」とか「暖かいご声援を」とか、頭の悪いポエムみたいなことしか書いてない。
返す側も「さすがは〇〇さんですね」「これで子供たちの未来が」とか、同レベルでしょ? それで生きていけるぐらい単純な頭の人たちが、みんなで生きていくためのシステムが選挙とか政治じゃないかと、僕には思えてきた(以前に、共産党を「底辺を生かすためのライフネット」と書いたけど、政治家とか選挙そのものが「バカを組織の力関係で格段に優位に立たせる」システムじゃないのか? フェミニストの石川優実さんを「もう出馬するぐらいしか生き残る道はない」と指摘している人がいた。→ ようは、そういうこと)

俺たちめんどくさいオタクは、人と会ったら「最近は面白い映画あった?」などと話す。高い審美眼を維持して新しい知識を得ていないと、会話にならないから。「最近は50年代のハリウッド映画を観ているよ」とかさ。バカにされないよう、それから自己研鑽のために勉強するわけだ。
ところが、趣味ではなく「地域」だけで生きている人って、誰と誰が結婚したとか、どこの出身だとか、大学の後輩だからどうだとか、誰と仲がいいとか、動物的な人間関係だけで完結している。そういう人たちが長く、大きく生きていくには政治しかない。
だから、「大学時代の先輩の〇〇さんが応援に駆けつけてくれました~!」とか、いい歳のおっさんが中身のない自慢をしてマウントをとれちゃうわけ。彼らからすると、俺らのように血縁や地域ではなく「趣味と知識だけで自由になる」生き方は理解できなくて、だから「お前は敵陣営の工作員だろう」とでも思わないと納得できないんだろうな。

ちょっと話が長くなった。
加藤さんは自民党の偉い人だし、組織票で勝てるだろう。それは、俺には関係のないことだ。
だけど、建前といえども「地域の有権者のために」と口にするなら、批判を正面から受け止めて利用するぐらいの技量を見せてみろよ。数人しかフォロワーのいない弱小アカウントに「いいね」してるの見て、哀しくなったわ(笑)。

■追記
加藤こうじ候補、俺をブロックしてきました(笑)。ということは、都合の悪い有権者の批判リプを非表示にしていたのは間違いではなかったんだな……まあ、それでも地元の組織票で当選すると思うよ。だから、こんな真似ができるんだろうな。
N

| | コメント (0)

2021年6月20日 (日)

■0620■

2021年にふさわしい現代的なガンダム作品『閃光のハサウェイ』、超絶クオリティの理由を小形尚弘プロデューサーに聞いてみた【アニメ業界ウォッチング第78回】(
819pmevnz2l_20210620182401
小形プロデューサーに、取材させていただきました。


萩尾望都さんの『一度きりの大泉の話』を、数日で読み終えた。
819pmevnz2l
早い話が、ひとりの漫画家が理想の作品や価値観を夢想して、それに従わない競争相手を仲間と共謀して排除した。排除された萩尾望都さんは、単に「やられやすい性格」だったのだろう。僕も「やられる側」だから、分かる気がする。
創作の世界は、才能に恵まれた人が優越意識を持ちやすいので、「私の価値観を認めない相手を仲間はずれにする」動きが表面化しやすい。嫌味を言ったり、あれこれ嫌がらせをして、何とか相手を傷つけようとする。
価値観の違いを認めず、相手を支配下に置きたい。従わない邪魔者は何とかして排除したい。それは特殊なことではなく、人間の本能なのだと思う。

最近、YouTube Musicで音楽を流しっぱなしにしているが、恋愛の歌がとても多い。
「いつも二人だったから、ひとりの夜はさみしい」とか、そういうヤツ。ミュージシャンも才能や優劣が最上位で、称賛されて愛されて誉められてナンボの世界なので、独善的な優越意識や支配欲が生じやすいものと推測する。
で、悪いんだけど、「いつまでも二人でいたい」「お前だけを愛する」みたいな理想化された(それゆえに強制力のつよい、威圧的かつ依存的な)人間関係しか知らない人が多いんじゃないだろうか。「ひとりの夜は寂しい」ぐらいしか悩みがないのでは。非モテで孤独で、外見のキモいミュージシャンなんて、あまり聞いたことがない。
そういうことも含めて、(とかく美化されがちな)クリエイティブな世界は怖い。

(20代のころに付き合っていた女性は、「男の人が楽器を持っているだけで、ゾクゾクしてしまう」と言っていたし、口説き文句として「俺、音楽やってんスよ」を常用している男もいた。音楽をやっている人は確かに艶福で、いつも色恋沙汰が絶えなかった……偏見とは思うが、そういう印象が強い。才能本位と言いながら、通俗的な「カッコよさ」と直結するのがミュージシャンの世界ではないだろうか)


繰り返しになるが、他人を支配して言うことを聞かせたいのは、人間の本能なのだろう。漫画家やミュージシャンにかぎった話ではない。
おそらく、乳幼児のころは母親に依存して育つので、人間誰しも「愛される」「誉められる」「言うことを聞いてもらう」が本能に組み込まれてしまうのではないだろうか。その母親という他者に対する甘え、依存、支配欲が性欲とリンクして、生殖行為へ連鎖する。セックスというのは支配的な、暴力的な行為なのに、本能レベルで遺伝子に組み込まれているため、人間の清い理性は反発する。
(まあ、だから先ほどの「ひとりの夜は寂しい」的に、暴力的な性欲や支配欲を美化して歌にでもしないと、自分の醜さに耐えられないのではないか)

べつに恋愛しなくても生きてはいけるが、そういう枯れた人間でも「他人に誉められたい」「自分を認めさせたい」厄介な欲望に呪われている場合が多い。偉くて決定権のある人が、すさまじく凝った嫌がらせで隷従を迫り、一円の得にもならないのに「俺の言うことを聞け」「あいつも俺の思いどおりにしてやったぞ」と、主従関係を築きたがる。それもこれも、お母さんのオッパイを吸っていた頃の習慣であり、恨みでしかないのに。
「他人をどうにかコントロールしたい」、それが人間関係の基礎とすら思えてくる。欲望なくして、人間関係は築けないのではないだろうか。だとしたら、ますます社会から距離をとって、隠遁するように、影のように暮らしたいと願う。

何かしら楽しく生きるコツがあるとしたら、とにかく他人に期待しない、他人への感心を薄めることだろうか。
もっと言うと、「他人に認められたい」欲望をなるべく希釈する。あれこれ絶望すれば、他人がどう思おうが、さほど気にならなくなる。
ひとりの時間が充実すると、ゆったりした時間の流れだとか、空や木々など自然の美しさが身近に感じられる。コーヒーやアルコールが、またとない友となる。作品も、落ち着いて自分の価値観だけで鑑賞できるようになる。本当に用がある時だけ、ちょっとだけ人間の世界へ出かけて、また戻ってくればいい。

| | コメント (0)

2021年6月13日 (日)

■0613■

「映画大好きポンポさん」の色彩設計・千葉絵美さんに、アニメの色を考えることの面白さを聞いてみた【アニメ業界ウォッチング第77回】
197728242_20210613141501
『空の境界』の時に知った、色彩設計の千葉絵美さんへのインタビューです。こういう取材は宣伝会社は提案してくれないので、自分で企画して、プロデューサーと交渉するんです。

昭和50年男 VOL.011
197728242_20210613141701
●レジェンドモデラー&メカデザイナーが集結 ガンプラ40年プレイバック
この記事は、僕が司会進行を担当した「メカデザイナーズサミット」の音声を再構成したものです。トークイベントの仕事を、うまいこと紙媒体へと繋げられました。


先週水曜日は、ひさびさに森美術館へ。「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」、入り口と出口に誰が見ても満足できるような巨大な作品を配置しているのは、あいかわらず上手い。
197728242_4026234484137102_1333832431800
しかし、僕が感心したのは、『ディファイアンス・エンジン』に出てきた蒸気コンピューターのようなインスタレーション。
暗闇に三枚のスクリーンが吊るされているが、そのスクリーンは、ジャガード織機に使うパンチカードの束でできている。スクリーンに映像を投影すると、パンチカードの無数の穴が、後ろの壁面にデジタル的な模様を描き出すのである。
197728242
これは、30分ぐらい室内を歩き回って、すっかり見とれてしまった。
帰りは東麻布まで歩いて、小さな喫茶店でコーヒーとハムトースト。
197728242_20210613144501
アルコールはどこの店舗も出してないだろうから、昼飲みはあきらめた。


抜群に面白いルポルタージュ、『「低度」外国人材―移民焼き畑国家、日本』。数日前に読了した。
重労働と莫大な借金を抱えた外国人の技能実習生たちは、失踪して狭いアパートや借家に集まって生活する。見つかったら困るのは自分たちだろうに、彼らは大勢で騒いでパーティを開いて、騒音で警察を呼ばれて、不法滞在で逮捕されてしまう。その自分勝手さがバカだし、そうまで迂闊だから騙されるわけだ。

自分の要領が悪いばかりに損したり、勝手につらい目にあっている人間は、かつての自分を見ているようで腹が立ってしまう。
僕も若いころは、異常に効率の悪い安いアルバイトを転々としていた。
ある工場では、何のために使うのか分からない電子部品を朝から晩まで通電テストして、次のラインに渡す。渡すときに、専用のケースに部品を入れるのだが、ちょっとズレると全部ガタガタになってしまう。そんな出来の悪いケースを、どうして長年採用しているのか、さっぱり分からない。
アムウェイの通販商品を梱包するアルバイト(アムウェイの名前を伏せて募集していた)では、あまりにラインの流れが早すぎて、みんなパニックになって緊急停止ボタンを押しまくっていた。そのバイトは定員きっちりで運用しているため、ひとりが欠勤するだけで、忙しさは倍になってしまう。ものすごく頭の悪いオペレーションで、みんな夕方にはヘトヘトになって、僕は帰りに記憶をなくすぐらい飲酒していた(二日酔いで、無断欠勤したことさえある)。

バカだから貧乏になり、貧乏だと思考がバカになっていく。その手の最悪な労働環境のアルバイトは、決まって時給が安いのだ。

“一銭も無駄にできないほどのカツカツの生活を強いられている人は、知らず知らずのうちに、何気ない日常生活ですら多大な認知的ストレスを感じており、それがより創造的で生産的な思考に脳内のリソースを割くことを妨げてしまう。結果として、ブラック企業に何年も在籍する人が生まれたりする。”) 
御田寺圭さんの一連の指摘は、完璧に正しい。


30代の前半まではマルイのカードしか作れず、限度額いっぱいの8万円を借りて、毎月8千円ずつ返していた。35歳で結婚したとき、その未払い分が何万円か残っていたのだから、よほど金がなかったのだ……というより、金の使い方が下手すぎた。

20年たった今はどうなのか? 実は、ピーク時の年収の半分しか稼げてないのに、美術館や喫茶店へは頻繁に行っているし、突発的に新幹線で旅行にも行く。そこそこ貯金があるので、来月いきなり困ることもない。まあ、半年後に大きな仕事が入らなければ困るだろうが、何本かは決まっている。
この流れをつくるまでに、あれこれバランスを考えたし、売りこみもした。もっと大事なのは、付き合う人間を絞りこんだこと。一方的に損ばかりさせる相手とはケンカせずに距離を置く。すると自然に、信頼しあえてストレスなく仕事を回していける相手だけが残るのだ。たぶん上手く行ってない人は、くだらない相手と仲良くしすぎなんじゃないだろうか。「なんとなく、この人は気に入らないんだよな」と思ったその直感は、決して間違わない。疲れない相手とだけ付き合えば、毎日そこそこ機嫌よくなり、前向きな考えが身につく。

僕は学校の成績は最下位から二番目ぐらいだった。社会に出てからも、損なバイトばかりで貧乏だった。僕は脳に欠陥があるんだろうし、この人生は失敗だと、暗澹たる気持ちで毎日を過ごしていた。
だけど、その後に積んだ経験……離婚とか母親の死とかも含めて、人間というものに諦めもついた。もはや他人には期待しないし、俺ばっかりが無理しないとも決めた。そうして残された道は細いけど、豊かだよ。毎日好きな時間に起きて、好きな仕事しかしてないもん。

| | コメント (0)

2021年6月 3日 (木)

■0603■

個人クリエイターと共同で小さなプラモデルを創りだす! 「キャビコ」ブランドを展開する金型メーカー、エムアイモルデが製品づくりの舞台裏を明かす【ホビー業界インサイド第70回】
T640_907759
稲城メカデザイナーズサミットの司会をやった時に知り合った、エムアイモルデの宮城島さんに取材させていただきました。

月刊モデルグラフィックス2021年7月号
 T640_907759_20210603153901
連載「組まず語り症候群」は第103回、『レンズマン』のフィギュアキット、1/24ウォーゼルを取り上げました。


ルポルタージュ『「低度」外国人材―移民焼き畑国家、日本』、面白い(群馬県に旅行したとき、ものすごい数の外国人の若者が群れ騒いでいて、ちょっと不安になった。外国人の家畜泥棒が跋扈していることにも、納得できてしまう)。
    T640_907759_20210603154301 
悪い業者に騙されて、多額の借金を抱えるベトナムからの「留学生」(という名目の労働者)が出てくるが、おそろしくアホである(念のため書くと、著者は、この外国人の犠牲者たちに寄り添おうと努めている)。
物事が上手いこと行かないヤツ、あっさり騙されてしまうヤツは、自分から負ける仕組みの中に飛び込んでいって、まるで反省も改善もしない。
著者は悪徳の「留学」斡旋業者にも取材するが、彼らに騙されて大変な目にあっているはずの「留学生」は、なぜか自分を騙した相手の前ではヘラヘラして、まったく不満を口にしないのだという。こういう優柔不断さも、ダメ人間の見本のようで参考になる。具体的な打開策・改善策を示されても、ダメ人間は素通りしてしまうのだ。
(反面、騙した側の業者は「違法だと言うなら、出るところに出るぞ」的に悠然と構えている。良い悪いではなく、人間の大きさが違う。騙す側のほうが圧倒的に賢い。「でも悪い業者なんでしょう?」などと道徳面からバカ正直に評価しようするから、騙されるのだ)

自分がやばい状況に置かれていると認めるには、確かに勇気を必要とする。
ダメな人というのは勇気がないので、重要な局面なのに笑ってごまかしたり話をそらしたり、「なぜ今それをやるか?」という頓珍漢なことを始める。スマホ歩きしている人も、「今それやる必要ある?」の典型だと思う。人にぶつかる弊害のほうが大きいのに、その弊害には目が向かないのだ。
「過酷な現実とキッチリ向き合う」「今すぐやれる解決案を試す」、人生はその繰り返しでしか、良くならない。


静岡に二泊して、取材をしてきた。
駅前に小さな横断歩道があり、そこはタクシーの通り道になっている。だのに、タクシーが来ていることに気がつかず、横断歩道に立ち止まって話している女性二人がいた。話している内容は「昨日も、この道を通ったよね」「いや、それは勘違いであっちの道だよ」……といった、「今ここで話す必要あるか?」というもの。こういう人たちは仕事も生活も、ぜんぶ「今それやってどうすんの?」の連続で、時間をドブに捨てて周囲に尻拭いさせていると思う。
大変なことが起きているのに、「こんなの何てことないよ」「ギリギリになったらやるから、まだ平気だよ」と正常性バイアスを働かせる人は(僕の父親がそうだったけど)、目の前にしていて怖くなる。目の前でどんどん、本人も愚鈍になっていくし、事態も悪化していく。こちらが「とりあえず、今すぐこうしてみては?」と改善策を提案しても、信じられないといった顔で「誰がやるんだ、そんなもん」「一体どうやって?」と、こちらをバカにしたような尊大な態度で否定する。悪化する事態から目をそらそうとする。そして最後には、とんでもない事になってしまう(僕の父親は、母親を刺殺した)。

兄も父親も、勇気の必要な重要局面で改善策をとらず、どんどんバカになっていった。だから僕は、バカに敏感で、バカを許せないのかも知れない(僕は中学~高校の成績表は1と2ばかりで、いつも最下位だったので、いくら学校の勉強ができてもバカはバカなのだろう)。
僕の鍛えてきた「ダメな人センサー」は役に立っている。ダメな人は同レベルのバカと群れることで、現実から目をそらそうとする。複数人で過ごすときは、よく相手を観察してみよう。人数が多いことで気が大きくなって尊大にふるまうようなヤツは、次から会わないようにした方がいい。情けなどかければ、ダメ人間の思うつぼだ。彼らは、自分の借金を他人に払わせようとする。そんなことで人生を蕩尽したくはないだろう?

| | コメント (0)

« 2021年5月 | トップページ | 2021年7月 »