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2021年2月 9日 (火)

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昭和50年男 2021年3月号 明日発売
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「特集/オレたちが認めた好敵手」で、「アムロとシャア」カラー6ページ記事を構成・執筆しました。
この本に書くのは初めてですが、編集者は融通がきいてレスポンスも早く、気持ちよく仕事できました。フリーライターを続けられるかどうかは、よい編集者と出会えるかにかかっています。互いに尊重しあえるかどうか。支配したりコントロールするのではなく。
そして、ダメな人や高圧的な人と仕事していたら、同じような人たちに出会ってしまう確率が上がります。支配したがる人は支配できそうな相手をいつも探しているし、ダメはダメ同士と仕事したがるので、必ずそうなってしまうのです。

神風動画が単独で自社制作したアニメ映画「COCOLORS」は、アニメ業界に咲いた“小さな花”【アニメ業界ウォッチング第73回】
20年前、ライターになりたての頃、興味をもって取材に行ったことのある神風動画さんに改めて取材しました。
元妻が『ナンバーファイブ吾』を愛読していたので、「ああ、あの時代か」とピンときます。『ほしのこえ』のDVDをとぼしい情報だけで予約して、在籍していたゲーム会社で自分たちでもアニメをつくろうと焦ったりもしました。ああいう無駄な焦りがなくなったので、今はすごく楽です。


プリプラ「妖精ピコ」
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開発に2年ほどかけて発売したとたん、即完売となってしまいました。僕が初めて企画からディレクションまで関わった、組み立てキットです。
といっても、いくつもの案の中からどのデザインを選んでどう造形してパーツ分割するかはMICさん側が決めて、この成形色もMICさんの判断です。僕はもっと黄色味の強い色にしてほしかったけど、この色で売れたのだから、MICさんが正しかったのでしょう。
相手がどんどんやりたい時には、ストップをかけずに好きにやってもらった方がいいです。誰かが決めないと動かないときは、自分がやればいい。「意見が通らないならやめてやる」、これが一番よくない。何も結果を残さずに損だけすることになります。


先週は、国立新美術館の「佐藤可士和展」へ。
恥ずかしながら、まったく知らない名前だったのだが、知らないからこそ行かないといけない。知っているものだけ見ていたら、世界は狭まる。
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果たして、本人がキュレーターも務めたという展示は思い切りのいい、洗練された展示だった。空間の使い方、密度感……「歩いて自分のペースで見て回る」美術館特有の能動性を喚起するものだった。
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写真は撮れなかったが、コンビニの食品パッケージの実物をぎっしりと敷き詰めて、よく見ると壁の片側に図面が混じっている……といった騙し絵のような見せ方もよかったし、工業製品の中に筆や絵の具のタッチを残した不定形なものを混ぜ込むセンスもいい。


その日は、いつものようにレインボーブリッジを芝浦ふ頭方面から渡って、お台場のレストランでビール。
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一秒とたたない間に変化していく、雲の動きを楽しんだ。「1秒、2秒」と数える間に、数十分、数時間とも思えるほど豊かに、雲の形は跡形もなく変化していく。
頭上を飛びすぎる鳥の羽の裏側に、西日が当たっているのがくっきりと見えた。錯覚ではないかと思うほど、明瞭に。


実は、昨日もたまたま用事があって、芝浦ふ頭にいた。なので、同じようにレインボーブリッジを渡って、15時から16時にかけて、ちょうどいい時間にお台場に着くことができた。
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しかし、事前に調べてあったレストランは場所が分かりづらかったり、なんと16時で閉店だったり(そのくせ店を閉めずにドアは開けたまま)、肩透かしをくらったのでノンアルコールで帰った。ひどい曇り空で震えるほど寒かったので、それはそれでいい。

「場所が分かりづらい」というのはダイバーシティ西側7階のことで、ガンダムベースに行こうとして間違って降りてしまった人もいるのでは? 7階の西側エレベーターを降りるなりスポーツ施設の受付があるので、「?」と戸惑ってしまう。実はエレベーターの右側奥にレストランがあるのだが、降りると受付のお兄さんに「レストランは6階です」と言われてしまったので、「もういいや」となる。
別にそういう要領の悪い部分を改善してほしいとは思わない。もともと「場所が分かりづらい」と言われつづけている店で、それでも頑張って行く客もいれば、あきらめて帰る客もいる。それだけの話だ。


レンタルで観た映画は、ベルイマンの『夏の夜は三たび微笑む』、主演女優のアクションだけが見どころの『高慢と偏見とゾンビ』。

後者の、CGが普及して撮影がデジタル化してからの「隅から隅まで意図が行き届いていて、意図のないものは入っていない」うすら寒い充実感。ディズニーの実写映画も、すべて意図で埋め尽くされていて、たまたま映り込んだ要素はあらかじめ消されている。
だから僕たちは、フィルム時代の映画へ、モノクロ時代の映画へと遡行をつづけなければならない。「40~50代になったら新しいものを受け付けられなくなるぞ、感性が鈍るぞ」と若者を脅かしている人は勝手に鈍っていればいい。そういう人は若いころから探求心に欠けていたから、勘の鈍った中年になるべくしてなっただけだ。

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