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上記、最近アップされた記事3本です。
最後の『ダグラム』のコラムは、たいへん評価が高かったです。だけど、このコラムは台詞の良さや脚本の構成、ようするに「ストーリー」の良さを素直に誉めただけであって、そういう簡単に読解できる記事の評判がいいのは良い傾向ではないと思います。ストーリーの評価ではなく、映像演出を評価したいからです。
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金沢21世紀美術館、群馬県立近代美術館、横浜美術館へ出かけたのは、もう先月のことだ。
一昨日は、やはり泊りがけで千葉市美術館へ。「宮島達男 クロニクル 1995-2020」は、期待以上に感動的な展示だった。いま、一番好きな作家だ。
うっかり見落とすところだったが、一階には無料で見られる作品もあった。床面にデジタルの数字が漂う動画が映写してあり、その上を靴のまま歩ける。作品の規模は、いずれも大きい。八階の展示室に入ると、壁いっぱいに女性の顔が映写されているなど、驚かせて興味を誘う演出が上手い。休憩ゾーンの窓に数字が映っているなど、ふっと息をつかせる小さな展示もある。
撮影可能エリアにある作品。一部が鏡になっていて、鑑賞者自身が作品と関係を持たざるを得ない。だが、そこで完結せずに数字の配置を工夫したり、色を工夫したり、客観性とエンタメ性を意識しているところが気持ちいい。いつも他者を念頭に置いていて、自閉しない作家だと思う。
展示の最後は、円形の池のあちこちに数字カウンターがホタルのように明滅する巨大な暗室だった。大きな余韻を残して、展示室から出る。本当に、演出が冴えていた。もう一度最初から観ようかな、と思ったが、作品は触れた瞬間にすべてがあるので、再体験はできないような気がして、常設展示へ向かった。
どの美術館も常設展示は保守的で退屈なものだが、宮島達男の師匠である榎倉康二の写真がたくさん展示してあった。70年代に、演出や技巧を凝らして撮られた実験的な写真、解説文とともにじっくりと観てきた。
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このような高尚な体験がある一方で、近郊への小旅行は「格安ビジネスホテルに投宿」、「地元居酒屋で一人飲み」、これが最大の娯楽である。
今回入ったのはチェーン系の居酒屋だったのかも知れないが、何を注文して、どういう流れをつくるのか考えるのが面白い。「枝豆」「ポテトフライ」なんていう安易な流れは禁止する。
一人飲みは高くつく(3千円~5千円ぐらい)が、3杯ぐらいで「もう十分」というぐらい酔える。それでも、夜中に酒が欲しくなったら切ないので、コンビニで缶ビールを買ってホテルに帰る。帰ってからは、延長コードで充電しながらベッドに寝転がり、スマホで音楽でも映画でも何でも楽しめる。すごい自由と開放感だ。
スマホとWi-Fiによって手のひらで映画が楽しめるようになって、僕にとっては映画館の存在理由がほとんどなくなった。映画は「四角いフレームの中で時間によって情報が変化する」以上のものではないからだ。
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映画といえば、DVDレンタルよりも配信レンタルで観ることが多くなった。
昨夜は『トレマーズ』、『フォードvsフェラーリ』、『1917』。いずれも百円~四百円ぐらいで、帰しにいく期限を気にする必要がない。
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吉祥寺で、新しいジャケットを買った。男性店員は「これが定番です」「これが流行っているんです」しか言わないが、女性店員は柔軟性があり、「デザインや色が可愛いかどうか」を切り口に話題を展開してくれる。なので、服を買うのも楽しみになった。
(オタクの人は「服なんて寒さをしのければ安くて十分」と実用重視に陥りがち、努力を放棄しがちなので、それだけは気をつけている。努力を放棄したら、先ほど書いたように「酒のつまみなど、枝豆とポテトフライを頼めば間違いない」と思考停止し、堕落するだけだと思う。)
服を買った帰り、井の頭公園・松月の窓際の席でビールを飲んだ。
酒ばかり飲んでいるが、健康診断でのγ-GDPは非常に低く、医者に「お酒はまったく飲まないんですね」と言われるほどであった。
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