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2020年9月 8日 (火)

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「涼宮ハルヒの憂鬱」第9話は台詞と構図を連動させて、登場人物の「関係」と「距離」を描く【懐かしアニメ回顧録第70回】
こうしたカットワークや構図の意図は、本当は無意識に感じられるものなので、無理やり言語化しないほうがいいのかも知れません。しかし、「とにかく泣きました」「よく分からないけど感動しました」という無防備で無責任な状態が、僕は怖いのです。なので、これからも映像の意図を読みとり、なるべく言葉に変換していくと思います。


昨日は森美術館へ、『STARS展:現代美術のスターたち―日本から世界へ』を観に行った。あいかわらず駅からのアクセスが悪い(エレベーターで待たされる、昇った先で入り口が分からない等)が、展示はすっきりしていて、とても良かった。
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村上隆さんの作品を最初に持ってくるのも、まず入ってきた人をビックリさせる(等身大のフィギュア、“Ko²ちゃん”が客を出迎える配置)意図として、とてもよく分かる。不愉快な人は、さっさと次のコーナーに行けばいい。そうやって自分で鑑賞体験を調整できるところが、美術館の良さ。

宮島達男さんの展示は、ひとつの部屋を池のようにして、手すりにもたれて鑑賞するスタイル。水の音が聞こえ、あちこちにデジタルカウンターが置かれている。まるで、ホタルのように点滅している。
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その池(水を張ることは出来なかったので水音を入れたらしい)が何であるのか、ビデオで宮島さん本人が丁寧に解説している。すると、単調に思えたカウンターの見え方が変わってくるわけだが、それが良いことなのかどうかは、ちょっと難しい。
学芸員の解説パネルも、たまに解釈が入りすぎて邪魔に感じる場合がある。かといって、「感性」なんてものに体験の価値をまかせてしまうことに怖さも感じる。知識も必要なはずだ。その葛藤こそが、アート作品を見る面白さなのだ。

最後は、写真家・杉本博司さんの映像作品。横4メートル、縦2メートルぐらいのスクリーンだろうか。
映画館の大スクリーンに比べれば小さいじゃん……と思うはずだが、スクリーンのすぐ横に隕石なんかが置いてあるため、画面に映った花びらなどを「大きい」と認識してしまう。映画館でスクリーンの横に何か展示してあったら、邪魔なはずだろう。だけど、美術館ではスクリーンの物理的な大きさが映画館とは別の意味をまとう。つまり、劇映画を見ている間、僕たちは心の内側にスクリーンを持っている。美術館で見る映画は、肉体の外にある。


最近、レンタルで観た映画……『天気の子』。
まあ、これを観て中高校生が元気に生きていけるなら、それで存在価値は十分にあるだろう。やっぱり、今の若い世代をストレートに応援してくれる映画が少ないとは感じるんだ。
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コンビニ食やインスタント食をおいしそうに描いたり、現状肯定的、保守的なところが気になった。だけど、それは妬みなんだろうな、オジサンの。若い世代には、「今が一番いいんだ」「君たちは祝福されているよ」って、力いっぱい言ってあげないといけない。それが大人の責任なんだろう。

もう一本、『トラ・トラ・トラ!』。これには、度肝を抜かれた。僕が三歳のころに公開された映画だが、『スター・ウォーズ』が霞むほどの圧倒的な戦闘描写。本当に、わが目を疑った。
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滑走路から離陸しようとする戦闘機が、地上で走りながら爆発してしまう。よくあるアクション映画のようにバーンと粉みじんに吹き飛ぶのではなく、骨組みをむき出しにしながら並んでいる同型機に突っ込み、整備兵が逃げ惑う。戦闘機からは、回転したプロペラが機体から飛び出し、そのまま滑走路を跳ねる。
これらはリモコン操作で走らせたレプリカの戦闘機を実際に爆発したもので、ミニチュアではない。偶発性のかもす迫力。しかし、映画自体はオープニングからして、丁寧に構図が設計されている。それゆえ、予想外の爆発やアクシデント的な破壊シーンが生々しく感じられる。
この映画に対して、「何が言いたいのか」「メッセージが分からない」といった批判を読んだが、まったくナンセンスな話と思う。


“えぇっっっ!

この電通さんのデザイン料200万円!

高すぎる!と率直に思った件”

悪いんだけど、また共産党。根拠も示してなければ、代案も具体案もない。これじゃあ、素人の難癖じゃないか。国会議員の歳費は2千万以上と言われているんだから、問題だと思うなら具体策を提示しないと。「えぇっっっ!」なんてツイートしてる暇があるならさ。
本村伸子議員にはメールで意見を送ったけど、何の返事もない。Twitterで「えぇっっっ!」と驚いているだけで何の対策も考えられない国会議員なんて必要ないよ。ソースを示さないなら、同じ構造でデマを流布できてしまう。なんでこんなに無責任なの?

俺だって電通は嫌いだよ。確かに、政府のお金の使い方には不透明な部分が多すぎるかも知れないよ。だから、それを解決するのが国会議員の仕事じゃないの? 「えぇっっっ!」と驚くのが仕事なの?
うっかり、「また共産党」と書いてしまったけど、三鷹市の共産党議員に意見を送ったら、返事をくれたし、市民のために活動していることをちゃんと立証してくれたよ。そういう誠実な姿勢は、俺はどの党であれ評価しますよ。無責任に曖昧に、問題の所在をウヤムヤにするくせに自分の感情だけは最優先にする、その卑怯な態度を責めている。

(C)2019「天気の子」製作委員会

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