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2020年2月16日 (日)

■0216■

メカデザイナーズサミットVOL.08 3月21日(土曜日)14:00~16:00(
Lettaariapresentfin
上記のとおり、私が司会進行を務めさせていただきます。昨年、トークイベント【模型言論プラモデガタリ】を続けていて、ちゃんと認めてくださる方がいらっしゃった。嬉しいことです。


『宇崎ちゃんは遊びたい!』のポスターを環境型セクハラだと批判した次は、『ラブライブ!サンシャイン!!』のJAなんすん(南駿農業協同組合)とのコラボが、標的になっているという()。例によってTwitterの中での罵りあいで、キャンペーン自体は上手く進んでいるようです。だって、違法行為じゃないもん。
「気持ち悪い」「けしからん」「性的搾取だ」とWEBサービスの安全圏から喚いてないで、現行法の中で訴訟を起こすなりして、正々堂々、公平に戦ってください(「欧米では違法です」って誇らしげな意見が散見されるけど、日本国内では合法なので無意味です)。
でも、そこまで本気じゃないんでしょ? SNSの中で暴言を吐いて、リスクを背負わないまま鬱憤ばらししたいだけなんでしょ? だから、「ネトウヨ」同様、「ツイフェミ」なんて呼ばれてしまうんだよ。


ただ、ちょっと引っかかったのは、みせばや総合法律事務所代表(第一東京弁護士会)の岸本学弁護士のツイート。

この類いのイラスト、男性にとっては「罠」だと思うよ。
こういうのに浸っていると、現実の女性とのコミュニケーションとれなくなる。
現実の女性はこんな表情でこんな風にスカートをはかない。
間違った幻想を持って女性に接してもキモがられる。
二次元の女性なら受け入れてくれてると思い込む。

おそらく、現実女性との十分な交際・同居経験が無いまま、二次元で代償させることを続けていると、40才を過ぎた辺りから修正がとても難しくなると思う。
そうなればそのまま50代、60代へ。
親族からも男友達からも相手にされなくなる。
ま、そいつらの人生なんて、知ったこっちゃないがね。

アニメのイラストに浸っていると、現実の女性とコミュニケーションできなくなり、親族からも男友達からも相手にされないまま、60代になるそうだけど、それで何か問題あるんですかね。交際だけでなく、同居もしないといけないの? なんで?
二次元の美少女キャラで満足して、生身の女性と一切交流がなくても、それで幸せなら誰にも文句を言われる筋合いないでしょ? ゲームや小説のイケメンたちに惚れこんでる女性は、生身の男と同居しないといけないの? 幸せなんて、人それぞれでしょ? なあ、基本的人権を尊重すべき弁護士さんよ。 

この岸本学さんも、シュナムルさんや勝部元気さんと同じく、「俺だけは女性の味方!」「だって俺はキモオタや性犯罪者を憎んでるもん!」「とにかく女性の味方です!」という免罪符にすがっている。
「男性である以上、自分も性加害しないとは限らない」「自分も不勉強だし、何か間違っているかも知れない」というリスクを背負ってこそ、「それでも僕を信じてほしい」と、初めて言えるのではないですか? 「自分だけは潔白、絶対に加害者にならない」ことを前提にしているのは、ようはビクついてるんですよ。
「そんなこと言ったって、アンタだってチンポコと金玉のあるジャップオスじゃん」と、もし女性に言われたら、彼らはそのダメージに耐えられない。


僕が初めてエロ漫画を目撃したのは……、小学校二年のとき。少年誌に載っている漫画で、女の子キャラのおっぱいから汚いオヤジが乳絞りするという、すごい内容だった(題名は覚えてない)。
家に帰ってから、その漫画を必死に思い出して、ノートに再現した。そのノートを友達に見られてしまったとき、「俺が描いたんじゃないよ」「あんな漫画は嫌いだよ」と必死に言い訳した。友達は「恥ずかしいから、そんなこと言ってるんだよね」と、苦笑いしていた。小学二年生でも、性欲はちゃんとある。自分が何に興奮したのか隠し通したい、羞恥心もある。

中学になると、二歳年上の兄が、ベッドの下に漫画雑誌「エロトピア」を隠していた。
たまたま発見した僕は「恥ずかしい、汚らしい」「家の外に、捨ててこい!」と怒鳴った。兄は「ハイハイ、分かりましたよ」と苦笑しながら、捨てずに密かにエロトピアを隠し持っていった。再びエロトピアを発見した僕は、夢中で読みふけった。今でもセリフやコマ割りを覚えているぐらい。
ようするに、清い性欲も汚い性欲もなく、興奮した対象に向かって、何はともあれ「汚らわしい!」と蔑んでしまう矛盾を、男は抱え込んでいるのではないだろうか。本心ではエロ漫画に魅了され、心ゆくまで楽しみたい。そのくせ、兄弟や学友の前では、エロ漫画は不道徳な悪いものと断じる。卑怯だよね。そういう狡さを、僕らは持っている。

そもそも、セックス、性交が矛盾をはらんでいるよね。筒井康隆が書いていたけど、こんなにも神聖で、こんなにもエゲつなく汚らしい行為はない。
異性の肉体に欲望を感じねば、セックスはできない。ボーヴォワールが書いたように「裸でとっくみあう、二匹の獣」にならないと、生命は生まれない。両親がセックスして自分を生んだのだと知ったときの幻滅を、覚えているだろうか?
でも、その受け入れがたい、心が引き裂かれるような矛盾、清さと汚さを何とか飲み下すのが人間だ。自己嫌悪にさいなまれながら、それでもしぶとく生きていくのが人間だ。僕は、そう信じている。


その矛盾の中で、理想や欲望を投影できる二次元少女に惹かれたり、美しい恋愛だけを描いたゲームに救われたりすることが、どうも岸本学さんにとっては「代償」らしい。人間の欲望の複雑さを受け入れる度量がないから、「現実女性との十分な交際・同居経験」を優越感の道具にしか使えない。
シュナムルさんや勝部元気さんも似たり寄ったりで、「俺はモテる」「俺には妻子がある」ことが、幼稚な優越感の域を出ない。……まあ、その幼稚なエエカッコしいが彼らの可愛らしさでもあり、不思議な魅力でもあるんだけどね。
勝部さんが、かつて自分を「体液フェチ」とか変態アピールしていた事実()、シュナムルさんが『魔方陣グルグル』の幼女キャラ好きを露呈したとき()、とても人間性を感じた。変態だけど、性差別・性暴力は許さない。二次元キャラ好きだけど、性差別・性暴力は許さない。その方が説得力が感じられるのに。

そして、岸本学さんも、何かを隠している。
こうして過剰に他人を侮蔑して、横柄な口をきく人は「私は劣等感に苛まれています」「実は、器が小さく自信がないんです」と告白しているようなものだ。本当に満たされて、本当に自信のある人は、他人を尊重して丁寧に接するだろう。
海外在住、外資系勤務を理由に威張っている人も、ぜんぶ岸本さんと同類。劣等感を裏返した薄っぺらい優越感にもたれかかっているから、「お前は英語できるのか?」など、簡単に人を罵倒する。


それにしても、アニメやゲームが好きで、異性と交流がない人を、こうも踏みにじってよいものだろうか?

僕は離婚して以降の恋愛では、かなり痛い思いをしたし、異性とは距離をおいた方が幸せだ。面倒な親戚づきあいも、母の死によって霧散した。ひとりで生きることが楽しい。それではいけないのだろうか? 対人恐怖症で、とくに女性に対して緊張しながら生きているが、そんなに恥ずかしいことなのか? 充実した仕事によって自己実現できている。いい仕事仲間に恵まれている。
確かに女性からはモテないし、無残な失恋もした。だが、その痛みや悔しさは僕だけのもの。僕は、そこから再生するしかない。他人がほじくり返していい傷ではないのだ。

たとえ無職で、異性との交流がなくても、たとえお金がなくて毎日することがなくても、もし借金まみれのヤク中であっても、僕の思ってもみなかった幸せな人生を歩いている人は、きっといる。僕はそうした他人の価値観を、邪魔しないように生きたい。

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