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2019年12月 4日 (水)

■1203■

昨日は雨が小降りだったので、国立近代美術館の「窓展:窓をめぐるアートと建築の旅」()へ。
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(スマホを忘れていったので、画像は公式HPより)
ご覧のように、前庭にコンセプトモデルを移設してまで、象徴としての「窓」、概念としての「窓」、モチーフとしての「窓」、物理的存在としての「窓」、古今東西から自由自在に作品を引っ張ってきて、展示方法も多様。「窓」以外の共通項がまったく無い奔放さが良かった。

途中、「西京国」という、架空の国へ行くための税関もあり、そこでは歌をうたうなり踊るなりしなくてはいけない。
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まあ、ちょっと学芸員の自己満足っぽいんだけど、他の展示もかなり好き放題なので、それほど気にはならない。……気にはならなかったのだが、一日たって考えてみると、作品の発想は浅知恵かな。歌とか踊りが平和の象徴とは限らない。

展示物のキャプションに、学芸員の個性や自説が出すぎてしまっている。こんな好き勝手な解釈を書くんなら記名でやるべきじゃないかと思うんだが、それも美術館の個性なのかな。学芸員の意図が見えないほうが、カッコいいとは思う。


映画でもそうなんだけど、「作品を見る」こととは、時間を止めて、自分を幽霊のように透明な認識装置にしたい願望と、表裏一体なのだろう。少なくとも、僕は作品を見ている間だけは肉体を捨てていられる。理想どおりではないこの肉体を、邪魔とも感じている。

映画といえば、黒澤明の『素晴らしき日曜日』。これも大学の授業で観たはずなのだが、すっかり忘れていた。
Waynechanan94
ひとつだけ素晴らしいカットがあった。
沼崎勲と中北千枝子のカップルが、ささやかな楽しみを求めてさまよう。電車に乗って移動するシーンで、カメラは並んで座る沼崎と中北をティルト・アップで、足元から撮る。楽しくてソワソワしている中北が、足をパタパタと動かしている。そのまま楽しそうな二人の全身を下から撮って、カメラは二人の頭上へ。すると、そこではつり革が並んで、ゆらゆら揺れていた。
そのつり革の動きは、言うまでもなく二人の急くような期待、喜びを表現している。そのカットが見られたのだから、まあ良いじゃないかと思う。


1月28日(火)「対人恐怖症歴30年の独身中年男は、海外旅行でどんな目にあった?」
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こんなトークイベント、開催します。旅好きな方は、どうぞ。
写真をまじえた旅行記……ということになるんだろうけど、僕の場合、対人恐怖(というかパニック発作に近い)が海外旅行している間はほぼ治ってしまう……という点が売りで、おそらく「生き方」の話になるんだろう。 

でも、この「生き方」をテーマにする、言語化するってのが面倒を呼ぶのかも知れないな。
なんだか、僕の周りには上手く生きられてない人たちが、集まってきやすい気がしている。ネットでの僕の言動に意義をとなえてくる人は、勝手に僕を美化したり、いい加減な感情移入をしていると思う。俺は、俺のために生きている。誰かの期待にこたえるためじゃない。
この半年の間に、二人ぐらいの見知らぬ人に「あなたはあなたの人生を生きてください」とお願いせざるを得なかった。俺のことなんか気にせず生きてほしい。

僕は毎日、好きな時間に起きて、ほとんど一人で誰とも話さずに過ごしている。その贅沢な時間は、自分で手に入れた。友だちとワイワイやるだけが人生の成功じゃないよ。

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