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2019年12月28日 (土)

■1228■

木曜日、たまたまネットで見かけた期間限定の体験型美術館“teamLab Planets TOKYO”()へ行ってみた。
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館内はスマホを持って入って撮影OKだが、肉眼で見たままを撮影不可能だし、平面で見ても何の意味もない。
まず、入場券を買ったら入り口で並ばされ、30~40人ぐらいで鑑賞説明を受ける。荷物類はすべてロッカーに入れて、靴を脱いで靴下も脱いで、裸足になる。ズボンの裾は、膝下まで捲くる。水の中にザブザブ入る展示もあるからだ。
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安心したのは、ツアーのようにグループで歩いて回る形式ではなかった点。説明を受けた後は、順路どおりに歩いていけばいい。気に入ったら、ひとつの展示空間に閉館までいてもいい。あちこちにスタッフが立っているが、彼らに「さあ、次の展示へ」と促されるようなことはない(混雑しすぎないように、入場したい時刻だけはチケットを買うときに決める)。
どの展示(というか部屋)も暗くて、天井も壁も鏡張りだったりするので、出口が分からないような場合はスタッフに聞けばいい。
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水の中を歩いていくと、CGの鯉が泳いでくる。本物のように挙動するが、光の軌跡を引いて泳いだりもする。記録された画像を投影しているわけではないので、鯉の動きは予測できない。
鯉だけでなく、花が咲いている場合もある。しかし、足元で花はみるみる枯れてしまう。もう一度、花を見たいと思う。それが、水の中を歩く動機になる。前も後ろも、最初も終わりもない。この開放感は凄い。
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最後に、先に入った人たちの「わあーっ」という歓声が聞こえてきたのが、上の展示。案の定、まったく見えたままには撮れてないが、あれはあの場所に行かないと決して分からない。プラネタリウムのように天井が半球型になっており、大小さまざまな花が遠くから頭上まで近づいてきたり、咲いたり散ったり、さまざまなストーリーを展開する。
これらの花の動きにも同じパターンはなく、ひまわりが群となって体全体を包む込むような動きをしたり、花びらが視界全面に散ったり、いつまで見ていても飽きない。(ほとんどの人が、床に寝そべって鑑賞していた。普通の美術館や映画館で、そんなことあるだろうか?)

床も鏡面になっているので、地平線のあたりを見ていると、空全体がぐるぐる回るような巨大なトリップ感を味わえる。何が4DXだ、何が没入感だ、この展示を体感してから言えよって気持ちになってしまう。


すっかりリラックスして、曇天の新豊洲の駅前に出た。美術館の前には店もあったのだが、ガスコンロが故障して食べ物は売っていなかったので、コーヒーを頼んだ。駅のまわりの閑散とした風景すら気持ちよく感じた。
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ちょうど買いたいものがあったので、新豊洲からゆりかもめに乗って、ガンダムベース東京へ向かった。
すると例えば、上のような展示物も何が面白くないのか、どうすれば良くなるのか、漠然と考えが向かう。自分の考える楽しさとは何か、どうすれば世の中が少しでも面白くなるか。美術館へ行くのは楽しいが、それはコーヒーと軽食を味わうためでもある。最低でも、その場でコーヒーは口にしたい。
その「いいコーヒーを飲みたい」と思わせる動機は、何なのか。歩いた距離なのか、施設の雰囲気なのか。どうして、どの映画館も窮屈に感じるのか。もっと言うと、どうして通勤電車はあんなに圧迫感があるのか。なぜ、海外旅行はストレスがないのか。環境をエンタメ化すれば、生きづらさも低減されていくのではないか。


帰宅してから、レンタル屋で借りてあったキルギス映画『馬を放つ』。
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東洋とも西洋ともつかないキルギスの風景、民族衣装がいい。
だけど、「この映画は信用できる」と思ったのは、冒頭で馬を盗むシーン。同僚がトイレに入ったとき、外からカギをかけてしまう。カギをかけた男の顔から手前のカギへと、ピントが送られる。とてもシャープだし、なぜカギにピントを合わせたのか物語的な意味もある(映画前半では、誰が馬泥棒かがメインとなるため)。

他には、妻と息子が家を出て行ってしまった後、主人公がひとりで泣くシーン。家族で寝ていた部屋に、馬のおもちゃが置いてある。しかし、息子と遊んでいるシーンでは、そんなおもちゃは出てこない。つまり、家族を失って、主人公が民族の誇りとしてこだわっている馬だけが、「馬の概念」だけが残されたという意味だ。
そうした小道具の使い方が知的で、感心させられる。号泣だけが感動ではない。

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