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2019年11月26日 (火)

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敵味方のロボット・デザインの差異を無効化する「ブレンパワード」の革新的なメカ描写、君は気がついているか?【懐かしアニメ回顧録第60回】
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『ブレンパワード』は、シリーズ中盤で新主役メカ、ネリーブレンが登場します。ネリーブレンは、ヒメブレンと同じベージュ色だったものが、搭乗者ネリーの死とユウの引き継ぎによって、ユウのパーソナルカラーである青に染まっていくのが、ひとつのドラマとなっています。
当初のネリーブレンのベージュ色は、「ネリーはヒメと似ている」というユウの心証を裏づけるカラーリングです。なので、『ブレンパワード』においては、ロボットの色について無神経では許されない気がするのです。そういう意味で、第1話の評価はやや辛口にならざるを得ない。せめて、ユウのグランチャーを青(寒色系)にしてはいけなかったのか……。

一発で敵味方を区別できるという意味で、改めてザクの一つ目は(『宇宙空母ギャラクティカ』がヒントかも知れないが)、素晴らしい伝達力を持つデザインだったと感心します。対するガンダムが赤青黄色のオモチャ色だったのも、もちろん正解です。
また、『イデオン』の敵メカがすべて非人間型であったことは、同じフレームに入れた瞬間、シルエットだけで敵味方の判別がつく優れたアイデアでした。『ダンバイン』の一本角、『エルガイム』の純白のカラーリング、いずれも見事なアイコンでした。


昨日は、やや風邪気味ながらも、六本木の森美術館で開催されている『未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか』へ。
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結論から言うと、僕が美術館に求めているものが目一杯つめこまれていて、大満足。展示物が空間の中にバラバラに置かれ、どれを先に見てもOK。「こっちから見る」と視点が決まっている展示が少なく、自由度が高い。小部屋として仕切られている展示があるのも、視点がバラけて良い感じ。
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美術というよりは、研究物やコンセプトの成果物の展示なのだが、歩いて回るだけ本当に楽しかった。人体改造や人間と他の動物との異種交配など、倫理を踏み越えた見世物くささも素晴らしい。
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みんなが笑顔になっていたのは、上の展示。ひとつの部屋の壁面がすべてスクリーンになっていて、あらゆる角度から撮影された入場者全員が映る。そして、任意の客と客が線で結ばれ、「可能性アリ」「確認された」「距離をおいた」など、意味深なキーワードが表示されるのだ。
思わず、自分と結ばれた初対面の客を探してしまう。そんな、空間を共有する親近感と戸惑いが、ひとつの表現となっていた。


一方で、施設としての森美術館は、やはりあまり好きにはなれない。
今回は、Googleマップで最短と表示された六本木一丁目駅から行こうとしたが、(風邪なのに)土地勘のない曲がりくねった道を20分も歩くことは不可能である。現地でスマホを開いても「バスで移動して、さらに七分間も徒歩で移動」……などの無茶なルートしか表示されない。しかたなく、タクシーで移動した。十数分かかって、1060円。
森美術館のサイトは最寄り駅として六本木一丁目を指定してはいないので、まあ、Googleマップを信じすぎた僕がバカだった。

それにしても、エレベータに乗るたびに並ばされ、エレベータを降りてから美術館の入り口までグルッと歩かされるのはどうなのか。美術館に入ってからは……トイレがないんだよね。そこそこ広い会場なので、一箇所はトイレが欲しかった。塩田千春展といい、内容はとても良いんだよね。


実験者が「あなたの目の前でオッさんに100万円をあげますが、あなたが私に100円渡せば、あげるのをやめます」
と問いかけた際に……

上記ツイート、一瞬、何のことか分からないと思う。
これは要するに、自分と関係ない人が労せずして大金を得ることが我慢できず、自腹を切ってでも他人の幸福を阻止したい……、と望む日本人が多いということ。「ずるい」ってやつです。
生活保護制度に「不正需給が多い」「在日外国人が受給している」などと難癖をつけるのも、「ずるい」で説明がつく。他人の邪魔をしても自分の不遇な生活はまったく改善されないというのに、「他人がどう暮らして何を消費するか」に口出しする権利だけは欲しいわけだ。萌えイラストを広報に使うのは性の商品化と、わざわざ海外から口出ししてくるうるさい連中も、萌えキャラで癒されているオタクたちを「ずるい」と妬んでいるのかも知れない。
他人の幸福が許せない、邪魔したいってことは、あなた自身は幸福じゃないんだよね? 自分が幸福になる努力(というか選択)を、なぜしない?

なんちゅうか……「自分から始める」以外、何もないと思う。自分の得意というか、他のことよりはマシにこなせる分野を見つけて、そこを伸ばしていくしかない。得意なことを伸ばすのは、楽しい。
僕は最近、「名前は隠しているが、実は○○」「今は活動していないが、元○○」という人から「実は俺はけっこう凄い人なので、あなたは俺に一目おくべきなのだ」的に、ぞんざいな態度をとられることがある。いま何をしているのか、堂々と言えない時点で、あなたの負けだと思う。あなたにはあなたの人生があるのに、どうして他人の優位に立ったように錯覚したがるのか。□□に関しては古株です、古参ですってオジサンに多いよね。
自分が充実して楽しければ、他人から見て冴えない職業だろうと無職だろうと、関係ないじゃない? 僕は独身で年収も高くはないけど、ぞんぶんに孤独を楽しんでるよ。

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