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プラモデルなのか、ゲームグッズなのか? 「1/12テーブル筺体」を発売した株式会社ヘルメッツって何者だ?【ホビー業界インサイド第51回】(■)
ヘルメッツ代表の兒玉さんは理工学系のオタクで、文系の落ちこぼれオタクの僕には欠如している知性と熱狂をお持ちの方でした。機械や数字に強いオタクには、一方的な憧れがあります。
月刊モデルグラフィックス 2019年11月号 発売中
今月の「組まず語り症候群」は、上記のヘルメッツさんの「1/12テーブル筺体」を取り上げさせていただきました。シューティング・ゲームにハマれなかった僕の、羨望の気持ちを書きました。
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この十日間ほどの間に観た映画は、ゴダール『パッション』、野村芳太郎『砂の器』、シドニー・ルメット『オリエント急行殺人事件』。
『パッション』は相変わらず何がなにやらサッパリ……なのだが、ドキュメンタリックなシーンに、そのシーンがあたかも過去の出来事であるかのようなナレーションが被さる。僕たちは、たった今、目の前で流れている映像を「映画における現在」と勝手に解釈している。ゴダールは、その法則を壊す。彼の映画では、いつが「現在」なのか、見失ってしまうことがしょっちゅうだ。
『砂の器』は「ストーリーを説明してみろ」と言われても面倒なだけなのだが、クライマックスで丹波哲郎演じるベテラン刑事が事件のあらましを推察し、同時に犯人である作曲家の演奏会がスタート。オーケストラをBGMに、刑事の仮説と作曲家の追想が“同じ映像”として展開される。その構造こそが、『砂の器』であって、最後に誰が死んだとか何が起きたとか、そんなことは映画の「構造」の前には無意味。
思考を停止させ、言論を封印する「ネタバレ」という言葉が僕たちから何を奪っているのか、そろそろ考え始めるべきではないだろうか。
何しろ、『スター・ウォーズ』シリーズの解説で、ダース・ベイダーがルークの父親であることが「重要なネタバレ」として伏せられてしまう世の中である。
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NHKから国民を守る党の周辺、毎日いろいろなことが起きている。
地方選挙では、N国党からの候補者がボランティアと一緒に地道に活動して、勝ったり負けたりしている。NHK撃退シールは、1日数百枚は発送されている(ちゃんとレシートの写真がアップされている)。
だが、話題のほとんどは立花孝志代表が誰に公開討論を申し込んだとか、名誉毀損で訴えたが裁判に負けた、脅迫容疑で警察に呼ばれた……などの、あえて注目を集めるための「仕込み」めいた話題ばかりで、N国党への批判も仕込まれたネタに集中している。
今度は誰を訴えるとか、そのあたりの話に僕は辟易しているのだが、立花さんは政治家になる前から好戦的な性格なので、今後も変わらないだろう。
どちらかというと左翼がかった“純粋な”人たちから、N国党は蛇蝎のように嫌われている印象がある。
新日本婦人の会のように、いまごろ消費税増税反対デモをやって、何百人集まったと自慢しながら、内心では「どうせ増税は避けられない」「でも、一応反対したという思い出だけは残しておきたい」「次また、何か反対するための燃料がほしい」……と、矮小な自我をもてあましている人たちのターゲットになりやすい。
左翼は反権力のスタンスで、その点では僕と同じはずだが、なぜ巨大利権組織のNHKを問題視しないのか、不思議でならない。暴利をむさぼるNHKを擁護している左翼までいる。
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左翼がダメなのは、与党精神がないから。「私たちは弱い、弾圧されている被害者だ」という立場で自分の意見を正当化しておきながら、どうすれば権力に具体的ダメージを当たられるかの方法は留保しつづけ、「とにかく反対するのだ」という精神論に逃げている。
「明日から現政権が消滅するので、あなた方の好きにしていいよ」と言われても、彼らは別の権力者を見つけ出して、「弱者」「被害者」の立場に甘えつづけるだろう。
N国党に反発している人たちにも、「市民の自由な言論が潰される」「民主主義の危機」と、弱者スタンスを維持している人が多いように見受けられる。いやいやいや、君らほど自由な発言している人たちはいないと思うよ? 今ちょっと検索しただけで「クズ」「暴力団」「反社会勢力」、あと「ナチスの再来」「オウム以上に危険」と、言いたい放題なのだが、どこが言論の危機?
本当は自由を満喫しているくせに「不自由で困っている」「弾圧されている」と装うのは、卑劣だよ。まあ、それがあなた方の処世術なんだろうけどさ。
この国は、自分なりの強固な意見を持って、具体的な方法を編み出して実践する人を叩く傾向にある。「みんな我慢してるんだ、お前もみんなに合わせろ」、これが根底にある。NHKだけでなく、個人が責任を放棄して組織に隠れ、一人称が「我々」になることって、よくある。「みんなに合わせろ」、これが諸悪の根源なのかも知れない。
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