■0503■
モデルグラフィックス2019年6月号
●組まず語り症候群 第78夜
今月は編集部からの持ち込みで、イタレリ製の1/24トラック・アクセサリーセットです。
異色作「ベターマン」の生まれた時代と環境を、米たにヨシトモ監督が振り返る【アニメ業界ウォッチング第53回】(■)
『ガオガイガー』をリアルタイムで観ていたので、米たに監督がオリジナル企画を撮ると聞いたときは、本当にドキドキしました。だけど、この記事はパプリシティですからね。僕が残したいと思っていた部分は、土壇場で切られてしまいました。
プラモデルやフィギュア製品を「撮影する仕事」とは――? ベテランのホビー専門カメラマン、高瀬ゆうじさんの目撃した昭和~平成のホビー業界【ホビー業界インサイド第46回】(■)
バンダイ近辺を取材中、ごく普通に耳に入ってきたのが、キャラクター製品専門の高瀬カメラマンのお名前でした。私も、中高校生のころには、誌面でお名前を覚えていました。思わぬ話が聞けたし、記事の反響もあり、満足しています。
予定どおりの話を聞くってのは僕の仕事じゃないし、そうならないように気をつけてるつもりです。ホビー(フィギュアやプラモデル)は、文字パートが非常に弱いですから。
■
コミティアで発売される同人誌『MANGAの自由』(■)で、インタビューを受けました。
GMOメディアが、個人の制作した美少女フィギュアのブログを「児童ポルノ」と呼んで切り捨てたとき、抗議のために署名を集めましたので、それに始まる活動いくつかについて取材されました。最後に抗議活動をしたのは、テレビで児童ポルノ所持容疑の男性の私物として、市販のキャラクター・フィギュアが映されたとき。2016年3月、愛宕警察署まで抗議に行きました。
だけど、その後も美少女フィギュアって酷い目に遭わされています。最近では、フィギュアの首をすげかえてオークションで販売しただけで逮捕されましたよね。著作権法違反の容疑だけそうだけど、版権元からの通報ではなくて、警察の独自判断でした。そして、またしても水着姿の美少女フィギュアが「犯罪」を強調するためにテレビに映されました。
さすがに、ネットで「おかしいのではないか?」という声は高まってきました。
だけど、フィギュアメーカーや模型会社は「我関せず」の立場を貫いています。もし、フィギュアではなく漫画だったら、作家や出版社団体が抗議声明を出すと思います。ホビー業界って、そういう動きが一切ないんです。「社会性がない」と思われても、仕方がないでしょう。文化として未熟だから、警察のいいカモになっているのではないでしょうか。
メーカーさんは弁護士と相談して「黙っていても不利益はない」「余計なことを言うと危険だ」と、判断したのかも知れません。でも、そういう問題じゃないと思います。特に、個人が犯罪者のように排除されているのに、組織に属していながら沈黙しているのは、ちっともカッコよくないです。恥ずかしいです。「児童ポルノ」という、まやかしの言葉の圧力に、まんまと屈しているから。
だけど、酒の席とかでは「廣田さん、ああいう活動してて大丈夫なんですかねえ」なんて説教されるわけ。普段、フィギュアを商売にしている人から。もちろん、全員がそういう卑怯者ばかりじゃありませんけど、組織の中から個人に文句を言うのは楽でしょうよ。どんな立派な製品をつくっていても、どんなに素晴らしい技術やセンスを持っていようとも、心の底で僕は軽蔑してしまう。
だって、酔って僕の活動を批判するのは、「あの時、自分は何もしなかった」って恥じてるからでしょ? 「何もしない」「言わない」のは、頭がよさそうに見えます。でも、「何もしなかった」ことで責任を逃れられるかというと、世の中そんなに甘くはないですよね。皆さん、ご存知のはずだ。
■
NHKになぜスクランブル放送をしないのか質問したら逆切れされた3-1(■)
先日の選挙以来、「NHKから国民を守る党」の動きは、とてもスリリングです。上にリンクした電話のやりとりを聞いたら、受信料なんて払う気は消し飛びます。
なぜNHKがスマホやPC所有者からも受信料をとろうと息巻いてられるのかっていうと、不義理やウソや誤魔化しに誰も対峙してこなかった、それだけの話です。「何もしないのが、かえってカッコいい」「ここは黙ってやりすごすのが賢い」と、僕らは義務教育のころから組織への盲従を叩き込まれてきたんじゃないだろうか。牙を抜かれつづけてきた。でも、牙を抜かれたまま人生を終えるのは、どう言い繕っても負けだと思う。負けは負け、勝ちに転じることはない。
NHKのように有名タレントをいっぱい出演させている組織が、そんな詐欺みたいなことを働くわけがない?
その、「有名人が出てるから」「でかい組織だから」間違うはずがないって考えが、すでに「組織への盲従」そのものなんだよ。身も心も差し出せなんて、組織は絶対に言わない。彼らは僕たちに、「とにかく黙っていてくれ」と願っている――。それを忘れないでほしい。
| 固定リンク
コメント