■0325■
●組まず語り症候群 第77夜
今月は、タミヤのシルバーメッキ特別仕様のランチアストラトスターボです。
あと、『ひそねとまそたん』のVF-1バルキリー仕様は、僕が『ひそまそ』担当として呼ばれたとき、真っ先に提案したものです。当初は各社からのプラモデル発売直前にバルキリー仕様のまそたんを掲載して、プラモの作例をもって華々しく連載を終えるよう計画していました。ところが、プラモデルの発売が未定になってしまったので、僕は「バルキリーまそたんは作るの大変だし、もういいんじゃない?」と言っていました。今月、しっかり掲載されています。
●「絵」を「現実」と誤認させる「東のエデン」の入れ子構造【懐かしアニメ回顧録第52回】(■)
『東のエデン』を見て、「どうしてアニメーションの中の写真やモニターなどの“絵”が“現実”として認識されるのだろう?」などと考えるのは、一万人にひとりぐらいでしょう。だけど、僕はその「気づいてしまった少数派」のために書くんです。「このセリフに感動した!」「このキャラが好きだ!」って話は、他に書く人がいっぱいいる。あと、現場にインタビューしたとしても「特殊な処理を施した」ぐらいの答えしか返ってこないと思います。
ということは、作品を観る側が勉強して、好奇心をもって、主体的に、自分勝手でも何でもいいから解釈していくしかない。主体性のある人は少ないですから、「俺の自己解釈」を書ける人は、それだけで有利です。こうして、毎月お金になっています。「勝手なこと書きやがって」って人は一円も稼げてないわけですから、言わせておけばいいんです。
■
昨夜は【模型言論プラモデガタリ】第3回、平成ガメラシリーズ完結20周年をフィギュアで祝う会でした。

なんと、楽屋に撮影監督の高間賢治さんが現れたので、金子修介監督、螢雪次朗さん、栩野幸知さんと並んでいただいて記念撮影です。
高間さんの著書「撮影監督って何だ?」は、「マスターズオブライト」と並ぶ学生時代の必読書……というより、大学を出て同級生との間で話題になっていました。僕は日芸を出て、映画監督にもプロデューサーにもなれずに挫折したけど、それ以外に漫画家になりたくて挫折、ガレージキット原型師としても食っていけず……など数々の挫折経験を、フリーライターという曖昧な職業が、ひとつ残らず吸収してくれています。何ひとつ恨みや妬みにならず、創ることの大変さを知っているから、クリエイターさんに対しては無限のリスペクトを抱けます。
今回のイベントでは、80年代邦画の話をしましたけど、それだって、僕の挫折が生んだ強みのひとつですね。ATGやロッポニカやアルゴ・ピクチャーズの話が出来て、プラモやアニメの話と両立させられる人は、少なくとも職業の中でやってる人はいないですよね。
トークの中でも「若松プロ」なんて言葉がふつうに交わされるので、客席に「こういうレベルの会話で大丈夫ですか?」と聞いてしまったぐらい(笑)。ひょっとしたら、「80年代邦画」って、えらい金脈なのかも知れない。人口ピラミッドを見ても、客層は厚いと思うし、関係者も存命中だし。
(来場者の感想を聞いても、前半の80年代映画パートが面白かったそうだし……)
■
それとは別に、イベントの主催としては非常に苦しかったです。古賀学さんには飲み放題ということで許していただいたけど、他の出演者へのギャラを合わせると、数万円の支出になってしまいます。プラモデガタリで廣田が小銭を稼いでるぞ……と思われたとしたら、それは逆です。
秋山徹郎さんが株式会社MICの社員として毎回参加してますけど、MICがスポンサーになっているわけではないです。資料のスキャンをお願いしている程度。僕が各方面に交渉して、個人主催だから版権元にも大目に見てほしいとお願いしたり……そして、今回のように来場者が少なくて赤字になった場合は、貯金を切り崩すしかない。サラリーマンのように、会社のお金で……ってわけにはいかないです。
次回(■)は河森正治さんにダメモトでお願いしたら出演OKだったので、サンライズさんにも話を通して、それほど心配するほどでもない。
だけど、5月以降は不透明です。4社……というか、4人の方に一度は断られています。そんな状況で無理に進めて、傷口が広がらないのか? そもそも自分が楽しいのかどうか。何しろ仕事ではないので、「もういいや」って辞めちゃってもいいのです。「やるからには毎月やらないと意味がない」と言ってくれたのが、秋山さんなんです。だけど、人が集まらない、今回より少ないかも知れない……と分かりきっている状況で、自分は楽しくなるんだろうか? 自分が楽しくないのに「楽しいイベントですよ」と、人を集めるわけにはいかない。
ここで正直さを失ったら、すべてが崩れてしまうのです。木曜日に取材を請けるので、それまでに原稿を書きながら各方面に連絡して、結論を出さないとなあ……。
今月は、タミヤのシルバーメッキ特別仕様のランチアストラトスターボです。
あと、『ひそねとまそたん』のVF-1バルキリー仕様は、僕が『ひそまそ』担当として呼ばれたとき、真っ先に提案したものです。当初は各社からのプラモデル発売直前にバルキリー仕様のまそたんを掲載して、プラモの作例をもって華々しく連載を終えるよう計画していました。ところが、プラモデルの発売が未定になってしまったので、僕は「バルキリーまそたんは作るの大変だし、もういいんじゃない?」と言っていました。今月、しっかり掲載されています。
●「絵」を「現実」と誤認させる「東のエデン」の入れ子構造【懐かしアニメ回顧録第52回】(■)
『東のエデン』を見て、「どうしてアニメーションの中の写真やモニターなどの“絵”が“現実”として認識されるのだろう?」などと考えるのは、一万人にひとりぐらいでしょう。だけど、僕はその「気づいてしまった少数派」のために書くんです。「このセリフに感動した!」「このキャラが好きだ!」って話は、他に書く人がいっぱいいる。あと、現場にインタビューしたとしても「特殊な処理を施した」ぐらいの答えしか返ってこないと思います。
ということは、作品を観る側が勉強して、好奇心をもって、主体的に、自分勝手でも何でもいいから解釈していくしかない。主体性のある人は少ないですから、「俺の自己解釈」を書ける人は、それだけで有利です。こうして、毎月お金になっています。「勝手なこと書きやがって」って人は一円も稼げてないわけですから、言わせておけばいいんです。
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昨夜は【模型言論プラモデガタリ】第3回、平成ガメラシリーズ完結20周年をフィギュアで祝う会でした。

なんと、楽屋に撮影監督の高間賢治さんが現れたので、金子修介監督、螢雪次朗さん、栩野幸知さんと並んでいただいて記念撮影です。
高間さんの著書「撮影監督って何だ?」は、「マスターズオブライト」と並ぶ学生時代の必読書……というより、大学を出て同級生との間で話題になっていました。僕は日芸を出て、映画監督にもプロデューサーにもなれずに挫折したけど、それ以外に漫画家になりたくて挫折、ガレージキット原型師としても食っていけず……など数々の挫折経験を、フリーライターという曖昧な職業が、ひとつ残らず吸収してくれています。何ひとつ恨みや妬みにならず、創ることの大変さを知っているから、クリエイターさんに対しては無限のリスペクトを抱けます。
今回のイベントでは、80年代邦画の話をしましたけど、それだって、僕の挫折が生んだ強みのひとつですね。ATGやロッポニカやアルゴ・ピクチャーズの話が出来て、プラモやアニメの話と両立させられる人は、少なくとも職業の中でやってる人はいないですよね。
トークの中でも「若松プロ」なんて言葉がふつうに交わされるので、客席に「こういうレベルの会話で大丈夫ですか?」と聞いてしまったぐらい(笑)。ひょっとしたら、「80年代邦画」って、えらい金脈なのかも知れない。人口ピラミッドを見ても、客層は厚いと思うし、関係者も存命中だし。
(来場者の感想を聞いても、前半の80年代映画パートが面白かったそうだし……)
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それとは別に、イベントの主催としては非常に苦しかったです。古賀学さんには飲み放題ということで許していただいたけど、他の出演者へのギャラを合わせると、数万円の支出になってしまいます。プラモデガタリで廣田が小銭を稼いでるぞ……と思われたとしたら、それは逆です。
秋山徹郎さんが株式会社MICの社員として毎回参加してますけど、MICがスポンサーになっているわけではないです。資料のスキャンをお願いしている程度。僕が各方面に交渉して、個人主催だから版権元にも大目に見てほしいとお願いしたり……そして、今回のように来場者が少なくて赤字になった場合は、貯金を切り崩すしかない。サラリーマンのように、会社のお金で……ってわけにはいかないです。
次回(■)は河森正治さんにダメモトでお願いしたら出演OKだったので、サンライズさんにも話を通して、それほど心配するほどでもない。
だけど、5月以降は不透明です。4社……というか、4人の方に一度は断られています。そんな状況で無理に進めて、傷口が広がらないのか? そもそも自分が楽しいのかどうか。何しろ仕事ではないので、「もういいや」って辞めちゃってもいいのです。「やるからには毎月やらないと意味がない」と言ってくれたのが、秋山さんなんです。だけど、人が集まらない、今回より少ないかも知れない……と分かりきっている状況で、自分は楽しくなるんだろうか? 自分が楽しくないのに「楽しいイベントですよ」と、人を集めるわけにはいかない。
ここで正直さを失ったら、すべてが崩れてしまうのです。木曜日に取材を請けるので、それまでに原稿を書きながら各方面に連絡して、結論を出さないとなあ……。
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コメント
こんにちは。プラモデガタリ第3回も皆さん楽しまれたようですね。主催の廣田さんは大変なようですが…
さて当方ですが、ガンヘッド音声データについてのブログを開始しました。
「Have a Party, Gunhed」
https://guaranaman.wordpress.com
随時更新する予定です。お時間のある時にでもご覧いただければと思います。
※メインページもありますがあまり内容はあり充実しておりません。
http://ikibata.in.coocan.jp
投稿: Inα | 2019年3月29日 (金) 09時15分
■Inα様
こんにちは、ブログ開設おめでとうございます!
Twitterで紹介させてください。
投稿: 廣田恵介 | 2019年3月29日 (金) 10時23分
了解しました!よろしくお願いいたします。
投稿: Inα | 2019年3月29日 (金) 12時52分