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2019年2月22日 (金)

■0222■

モデルグラフィックス 4月号 25日発売
Dz8euymw0aasprb●『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』特集
企画・構成・執筆でクレジットされています。
序文やアニメ素材の解説パート、片渕須直監督のコメント、モデラーさんとの対談などを、まとめて書き起こしています。自分で撮影に立ち会ってラフを切ったページもありますが、艦船や飛行機パートは編集部にお任せして、ハウトゥ記事だけではなく監督のコメントや対談を入れてもらえるよう、先回りしてテキストを書いておきました。
そのテキストがなかったら、『この世界の片隅に』特集とは呼べないので、編集部が独自にまとめてしまう前に、先に書いて割り込ませておくのです。
しかし、コメントを個別に録音している時間はありませんから、打ち合わせの合間合間に、監督に「この演出ってどういう意味ですか?」と聞いておくんです。後からテキストとして使いやすいよう、聞き方を工夫して。その段取りこそが、ライターの技能ですよ。

また、昨夜のイベント【模型言論プラモデガタリ】で見せた「撮出しデータ」を、この特集では多用しています。
撮出しデータは監督との打ち合わせとは別に、僕が何度かMAPPAへ行って、監督から直接受けとってきました。次に、新作カットのデータを使ってもいいかどうか、東京テアトルさんに確認をとります。
それから、ひとつひとつのデータを開いて、編集部に渡せる状態に区分けしてファイル変換して……と、僕がやったのは主にそういう作業ですね。書くより先に実務、実務の連続です。


昨夜、阿佐ヶ谷ロフトAで行われた【模型言論プラモデガタリ】第2回は、モデルグラフィックス誌の販促イベントとして成立させることが出来て、おかげさまで大盛況でした。
モデグラ誌の自分の担当パートを早めに終えて、イベントのプレゼン資料を作っていくうち、やっぱり、撮出しデータを生の状態でお客さんに見せたくなってきました。
Kimg2922金色はどうして金色なのか考えて、『アリーテ姫』で具体的な表現技法に置換したように、空気感や水や光の質感をレイヤー単位で構築していくエンジニア的手腕も、片渕監督の技能のひとつです(ほかに、エンターテイナーとして脚本を書く才能があることは、『名探偵ホームズ』での大抜擢を考えれば、誰しも納得いくでしょう。『BLACK LAGOON』のシリーズ構成も、優れた計算力の為せる仕事です)。

「感動」や「美しさ」の裏には、必ずメカニックが働いています。「なんとなく良いな」と感じるからには、必ず理由があります。
アニメーションは実写よりは素材を分けやすい(というより、素材を作ってから記録するので実写とは順番が逆)ので、「感動」の秘密を発見しやすいと思います。
ところが、アニメの制作素材を模型趣味と結びつける人が、ほとんどいなかった。いえ、模型趣味を切り離して考えても、現場の制作素材がアニメファンの目に触れる機会は、稀ではないでしょうか。かつては制作資料の詰まっていたアニメ誌は、いまや「版権イラストの載った絵本」です。
「公式」という概念が強くなりすぎて、ひとりひとりの受け手が探究心をもって開墾していけるフィールドが貧しくなっているのではないでしょうか。僕のテーマは、公私ともに「名もない個人が自由に、主体的に力を行使して、理想を実現すること」です。イベントを毎月開催することも、そのひとつです。


“登壇者筆頭の廣田恵介さんは、「マイマイ新子と千年の魔法」のとき、続映を求めるネット署名をしてくださったり、書籍「メイキングオブ マイマイ新子と千年の魔法」の編集をしたりしていただいたのですが、実は、映画学科監督コース出身でありつつ模型雑誌ライターをしておられた方で、さて、今回は。”(

この片渕監督のツイートは、イベント後に気がついたのですが、嬉しいです。
アニメの取材仕事を減らしつつも、アニメと映画と模型をシームレスに、建設的な関係にできないか?と、ここ2~3年は模索していて。日芸時代に撮影・現像・編集でフィルムを触っていたこと、サンライズ在籍時にセル画末期の時代の「撮出し」を見せてもらえたことが、今回のモデグラ特集に繋がっています。

それにしても、『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』特集を入稿しおわった古屋編集長Kimg2921_3 がイベントに登壇することになり、楽屋で仕事抜きの話をしている時間、そこにクリーム色のセーターを着た片渕監督が、いつもの包容力をもって現れて、とりとめない話を始めたときの和んだ雰囲気は忘れられません。

僕の身内に不幸があったとき、監督が「私も廣田さんの友達のつもりでいます」とメールをくださったこと、忘れてないです。
監督自身も、つらい目やイヤな目に遭ってきただろうと想像します。初めてお会いした10年前より、とてつもなく人間の器が大きくなりました。しかし、頑固なところは頑固なままだし、こちらの仕事に対しても一定の厳しい目を持っておられます。
書店に並ぶモデルグラフィックス誌は、そういう人の目を通過した本なので、期待して手にとってください。

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コメント

こんにちは。「プラモデガタリ」第2回も盛況だったようで、おめでとうございます。

以前にお話しした「ガンヘッド」音声のデータベースですが、暫定版としてまとめる所まではできました。ファイルをお渡ししたいので、このコメントのアドレスまでご連絡いただけますか。よろしくお願いいたします。

投稿: Inα | 2019年2月23日 (土) 16時18分

■Inα様
こんばんは、ありがとうございます。
先ほどメールをお送りしましたので、ご確認ください!

投稿: 廣田恵介 | 2019年2月24日 (日) 00時12分

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