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2018年12月13日 (木)

■1213■

“加藤智大氏の「彼女さえいれば」との発言を紹介した投稿に対し「女は承認のための道具じゃない」的な厳しい指摘を複数見た。それはそう。女には自由意志があるから思い通りにはできない。だからこそ選ばれたいし、選ばれたら救われると感じるのだろう。そういう切ない願いまで全否定しなくてもと思う。”

またTwitterの話題で恐縮なんだけど、このツイートにつけられたコメントが、まあ厳しい。「彼女が出来たとしても、彼女を殺してしまうんではないか」とか、情け容赦ない発言をしている女性がいるので、探してみて……。

僕の友人で、イケメンで非常にモテる男がいるんだけど、若いころ、彼とオナニーの話題で盛り上がった。そのワイ談の最後、彼は、こう結んだ。「まあいいや、俺には彼女が出来たから、オナニーなんかする必要ないからな」。
そんなことTwitterに書いたら、どうせ「女はオナニーの代わりか!」と激怒されるんだろうけど、「彼女」をそういうポジションに捉えている人もいるし、彼に「どうして彼女が必要なの?」と聞いたら「自慢できるから」と明快に答えていた。
実際、「今つきあってる子は、こんな感じなんだ」と、よく写真を見せてくれたし、彼女をつれて飲みに行ったりしたものだった。彼が実家からの資金援助をうけながらアパートに暮らし始めたのも、「彼女とおおっぴらに会えるから」が理由だった。

会った早々、「私の彼氏が」「僕の彼女がですね」と切り出す人もいて、悪いけど、僕はそうした人たちに微弱なコンプレックスを感じとってしまう。ようするに彼らは「私は、僕は一人前ですよ」「異性と懇意にできるぐらい社会性がありますよ」と、手っ取り早く表明したい……早い話が、自信がないのではないだろうか。
日ごろ、女性といえばクリーニング屋の店員さんとしか会話しない独身中年に言われたくないだろうけどね。


僕らしく対人恐怖にからめて語ると、僕にも「彼女」が必要な時期があった。
16歳のときに、隣席の女子を意識して汗が噴き出して以来、電車で隣に女性が座ると、ほぼ例外なく汗だくになり、たとえ遅刻しそうでも次の駅で飛び降りる羽目になった。映画館でも、女性が隣になると、入場料を払ったのに飛び出してしまうほどだった。
ところが、たまに彼女が出来て、セックスすると数週間は対人恐怖がおさまる。20代のはじめ頃、対人恐怖がセックスで克服できると気がつき、常に彼女をつくっていれば、もっと言うと、いつもセックスしてさえいれば自信がついて、対人恐怖から逃れられるのではないか――と、安堵というよりは焦りを覚えるようになった。

ところが、30代なかばで結婚してから対人恐怖は収まるどころか、嫁さんの「キモい」「ブサイク」などの毒舌が日々ひどくなり、さらには頼みの綱の精神安定剤を「お金がもったいない、我慢しろ」と止められそうになり、離婚を決意するにいたったのだから、人生は険しい。
(離婚間際は、奥さんの前で精神安定剤を飲んでパニックを抑えていた。)


離婚後はキャバクラ、ガールズバーに通う数年間がつづいた。
商売と割り切った冷たい子もいたけど、母が殺されたときなど、黙って手を握ってくれたり、何も言わずに大粒の涙をポロポロこぼして泣いてくれた子もいた。わずかな間といえども同情してくれたので、水商売の人たちには感謝している。

私生活での恋愛は鳴かず飛ばずかと思いきや、すでに結婚や離婚を経験している人たちから恋愛感情を持っていただいた。40代になると、顔なんか気にせず、どれだけ相手が喜んでくれるか、どれだけ楽に過ごせるかを女性たちは第一に考えてくれた。あれが「愛する」という事だったんだと、最近になって思う。
大学時代、たまたまセックスしてしまった同級生に言われた言葉がある。「あなたは、自分の性格的欠点を、ぜんぶ顔のせいにしている」。
そう、顔は関係ない。すべては心だ。しかし、そういう意味でも僕は失格で、せっかく親切にしてくれた女性たちに、つっけんどんな態度をとり、つらい時だけセックスを求めた。
彼女たちは失望して、立ち去ってしまったのだと思う。「愛する」という自己犠牲をともなった対人スキルは、ついに僕の身に備わらなかった。


今は海外旅行に行くのが楽しみだし、海外では「珍しいアジアの動物」とでも思われているのか女性に話しかけられるし、仕事は面白いし、特に私生活に親しい女性が必要とは思わない。航空券を買いたいから、一晩で数万も消費するキャバクラにも、すっかり寄りつかなくなった。
忘れた頃に対人恐怖がぶり返してくるけど、もはや「彼女」がいないせいではない。海外に行けば、ウソのように消え去るのだから、原因は別のところにある。

『ヴィンランド・サガ』のアシェラッドによれば、「人はみんな何かの奴隷」だそうで、恋愛依存の人なんて珍しくない。最近、この人()も、なりふり構ってなくて心配になってしまう。服部元気さんの私設ファンクラブとかって、シュナムルさんにとっての「ラブレター」サービスだよね。シュナムルさんは子どもも奥さんもいるらしいけど、恋愛依存、女性依存症なんだろうね。
話を冒頭のツイートに戻すと、「女は承認のための道具じゃない」と言わざるを得ない女性も、きっと何かに依存している。他人をやたら罰したがる人って、やっぱり人間として未熟なんだと思う。自分に自信がない人ほど、言葉づかいが乱暴だもの。

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