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EX大衆 12月号 発売中
●機動戦士ガンダム 宇宙世紀メカニックガイド
『ガンダムNT』に合わせて、『逆襲のシャア』~『F91』~『Vガンダム』あたりまでのメカ設定、メカ描写を掘り返しています。サナリィやシルエットフォーミュラ91も出てきます。全5ページ。
ちょうど20年前、ライターとして働きはじめた頃は、まだまだ『ガンダム』コンテンツの規制が緩くて、割と適当なサイドストーリーが多くて、しかも熱烈に愛されていたように思います。
90年代末は新世代ゲーム機が出てきたばかりで、エンタメの世界はとても元気がありました。僕は今よりは貧乏だったけど、毎日毎日、アニメとゲームとオモチャに首までつかって、ずっと遊んでばかりいました。
対立する両者の力の差をモビルスーツで描き分ける「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」の演出力【懐かしアニメ回顧録第48回】(■)
『逆襲のシャア』のメカ演出について書きたかったのですが、前半20分ぐらいでのアムロとシャアの大きさの対比用にモビルスーツが使われている……というお話になりました。
こういうコラムは、とりあえず作品を見ながら要素を書き出していって、書けそうなテーマを三つぐらい比較するんです。なので、あと二つ書けと言われたら、書けてしまいます。
『ひそねとまそたん』 接触編
ブックレットのインタビューとかミニ記事、キャプション類を書きました。構成は氷川竜介さんです。
僕たちの仕事……、たとえば数ページでアニメの記事を考えてくれと言われたら、作品解説に登場人物紹介に各話解説にインタビューと、条件反射的にフォーマットが思い浮かぶと思います。
そうしたフォーマットは、『宇宙戦艦ヤマト』のときに氷川さんたちが考案したもので、30分のアニメ番組のエンタメ構造をよく解き明かしていて、だからこそ今でも真似されてるんだと思います。
必ずしもそのフォーマットでなくてもいいんだなあ、と気づかされたのは「アニメスタイル」ですね。原画を見開きで載せることで、アニメ表現の本質に触れられる。その方がナマというか、レアな感じがした。
「アニメスタイル」が出てきたのは2000年ごろで、やはりすごく生きのいい時代だったのでしょう。アニメの製作工程がデジタル化されつつある、という時代の雰囲気も良かった。
その頃……僕は、誰も書き手がいなかった『地球少女アルジュナ』のVHSとDVDのキャッチコピーやブックレットをやっていました。『アルジュナ』はパターンでは対応できないタイプの異色作なので、手探りだったし予算もなかったけど、すごくエキサイティングでした。
河森正治さんは『ひそまそ』にも参加してらっしゃるけど、やっぱり野心も好奇心も衰えてない。煮えたぎるような創造力、反骨精神を持っている。炎は消えないんだなあ……。
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日本に帰ってきてから一週間が経過して、Twitterでは原爆投下を正当化する人たちが口汚い議論だか罵り合いだかを展開している。
特に、『境界線上のホライゾン』の表紙を、娘が「気持ち悪い」と言ったから「暴力」呼ばわりしているシュナムルって人(■)。ゲームをしている娘をイラスト化していて、そういうイラストは綺麗だと言いたいらしい。自分の娘を二次元的に美化する情動は、まったくの想像で理想の女性を描くより気持ち悪いんだが……。娘と2人で手をつないでいるシルエットを撮って投稿したり、ちょっと病的なものを感じる。
で、このシュナムルって人が『星の王子さま』が好きで娘に読み聞かせていて、スマホを尻ポケットに入れたつもりが『星の王子さま』の単行本が入っていたそうで、スマホと本は触れば判別つくだろうに、どこまでもキザぶりたいんだな、気持ち悪いなあ……と思っていたから、ジンバブエで「バオバブの木が見られるよ」と言われたとき、気が進まなかった。
だけど、有名になりすぎてしまって、バオバブの木のまわりにダセえ土産物屋が二軒も出店していて、そのような惨状を前にして、妙に安心したのを覚えている。
そういう罪のないどうしょうもなさの方が、俺は美しいと思う。
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