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2018年11月12日 (月)

■ジンバブエ旅行記-3■

■11/3-5 カミ神殿
ブラワヨの“Licenced Restaurant”のバーカウンターで、パーカーのフードを頭からすっぽりかぶっていた女の子。僕にビールを渡すとき、「栓抜きがない、どこへやったっけ?」とキョロキョロしていた仕草も、よく覚えている。
だが、先へ急ごう。僕はホテルに戻り、レセプションに待機しているモーガン・フリーマンのような守衛さんに「カミ神殿へ行きたい。タクシーを呼んでもらえないだろうか」と話した。守衛さんは、「今すぐですか? お待ちください」と電話を手にとった。
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ホテル“The Bulawayo Club ”の内装は、素晴らしいものだった。細かな調度品にまで、しっかりと手入れが行き届いている。
ロビーで待っていると、ヒョロッと背の高いタクシー運転手の青年が現れた。モーガン・フリーマン似の守衛さんは、「あとは2人で決めてください」と、深入りせずに距離を保った。
間違いがないようにメモ帳に図を書きながら、僕と青年は相談した。彼の場合、10キロごとに10ドルかかるという。カミ神殿までは30キロだから、往復で60ドル。格安だ。
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僕がカミ神殿を見学している間、青年はタクシーで町に戻っていると言っていたのだが、なんとなくガイドの女性と3人で歩いて回ることになった。
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青年はガイドさんの解説を聞いて、「ここってコンクリートで補強してないんだって」「この岩、面白い音がするから叩いてみて」と面白いポイントをシンプルに切り取って、僕に伝えてくれる。そのセンスは素朴だが、卓越したものだった。
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神殿の一角に、コインが溜まっている場所があった。ローマの「真実の口」みたいなものだろう。ガイドさんは「寄付だと思って、ぜひコインを置いてほしい」と言った。僕が札しか持っておらずグズグズしていると、青年がポケットから1ドル硬貨を取り出して、十字の真ん中に置いた。僕は、1ドル札を青年に渡した。
青年の判断はひとつひとつが的確で、フェアだった。

カミ神殿の名物のひとつが、隣接するダムだ。
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ダムまで行って入り口まで戻ってくると、ざっと2時間ほどだ。僕と青年は、トイレに向かった。こんな土地柄なので、水洗ではない。手を洗うための水道はガッチリと固まっていたが、「あそこにもうひとつあるよ」と、青年が水道を見つけた。まるで、神様が正しい道へ青年を導いているような気すらするのであった。彼は、とても丁寧に手を洗った。
ハンドルを握る仕事だから? コレラが怖いから? どちらにしても、彼の行いは完璧に洗練されていた。帰りの道では、「これがさっきのダムの水だよ!」と窓をあけて写真を撮らせてくれた。反対側の窓も開けて「撮ったかい? じゃあ、行こう」。僕は彼の段取りの良さに、すっかり感服した。
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ブラワヨの町に戻ってきた。
青年は約束どおり、「60ドル」と言ったが、僕は75ドル渡した。ホテルに戻ると、モーガン・フリーマン似の守衛さんが「神殿はどうでしたか?」と微笑んだ。そして、やや表情を堅くすると「……運転手は?」と聞いた。「彼は素晴らしい。とてもいい仕事をしてくれたよ」と、僕は素直に伝えた。ホッとした守衛さんは、僕の渡した青年のネームカードを見ると、番号をメモして、彼に電話をかけていた。おそらく、お礼の電話だろう。
プロは、プロの仕事を認める。

■11/3-6 バス停
いちど部屋に戻ってシャワーを浴びると、明日の早朝、向かわねばならないバス停を確かめておきたくなった。
なので、守衛さんに日本から持参した地図を見せながら「ここまで歩きたいのですが」とお願いした。もはや、信頼というよりは甘えである。「ホテルの前の通りが、8番なのです。9番、10番、11番と12番の間にバス停があります」と、その教え方は合理的で無駄がなかった。そして、かみ締めるように何度もしっかりと繰り返してくれた。繰り返すたび、ますます無駄がそぎ落とされていった。
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バス停に寄ってから、僕は例のレストランへ行ったわけだ。
どこかで歯磨き用の水を確保しておきたかった。ガソリンスタンドは物騒なムードを発していないので、そこで2本購入した。カード払いばかりで現金を扱うのに慣れていないので、レジの女の子に「このお金が何だか分かる? 今日、この国に来たの?」と子ども扱いされたが、少しも腹が立たなかった。

■11/4-1 インターケープ
翌朝、まだ暗いうちからバス停に向かった。レセプションにいたのは、昨日の守衛さんではなく、もっと年上の男性だった。なので、素晴らしい働きをしてくれた人に挨拶すらできなかった。
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しかし、守衛さんの完璧な説明のおかげで、迷わずにバス停に着くことができた。
インターケープはネットで乗車券が購入でき、バスの中にはトイレもあると評判が高い。しかし、朝5時半に来いと言っておきながら、数分遅れて、ようやくひとりだけ社員が来た。出発時間の6時になってもバスは来ないし、そもそも社員がだらだら出社してくる。
2時間も遅刻して、ようやくバスが到着するのだが、このだらしなさには閉口した。
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夜が明けてきた。昼間は暑くなるが、朝はコートを着ている人までいる。僕はTシャツと短パンで震えていた。
インターケープは時間にもだらしないが、サイトで乗車券を予約しようとすると便が少なく、どうしても早朝や深夜に発着することになってしまう。せっかく優れた車両を持っていても、効率よく運用できていない。インフラの悪さは、旅のあちこちで感じた。それゆえ、効率的に仕事を回そうとする人たちの働きが、際立って感じられるのであった。

ともあれ、バスで6時間かけてビクトリア・フォールズへ向かう。

(つづく)

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