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2018年10月 6日 (土)

■1006■

『ニルスのふしぎな旅』グラフィック展 本日開催
Dorztpdxcaej6x8_2本日から28日(日)まで、三鷹コラルで開催されています。春に開催した『この世界の片隅に』資料展と同じく、ディレクションを担当しています。

このパネル展の企画は、一年前の『魔法の天使クリィミーマミ』ビジュアル展でお付き合いの出来たぴえろさんからの私への持ち込み。私から三鷹コラル商店会さんに話して、実現しました。だいたい4ヶ月ぐらいかかっています。
『ニルス』の各話演出として参加した押井守さんのインタビューも行っていますが、これは『逆転イッパツマン』のムック本で、押井さんのインタビューを僕が担当していた縁です。そのとき、プロダクション・アイジーの窓口になってくれた方に、「ひょっとして『ニルス』のことでインタビューできませんか?」とお話しして、押井さんのお時間をいただきました。
実績と信頼がないと、こんなこと個人でやれないですよ。

もっと言うと、パネル制作のデザイン会社さんから見積もり書を出してもらって三鷹コラルさんに提出して、期日を決めて打ち合わせをして、ぴえろさんにデザインを監修してもらって……などが続き、絵を選んだり文章を書いたりは、全体の二割ぐらい。八割は、関係各所との調整です。


昨日の『1005 全年齢向けプラモが「18禁」として排除された話』()、このブログにしてはかなりのアクセス数があり、その間もフィギュア・メーカーや出版社の人たちから、さまざまな情報をもらいました。
股間にボカシを入れたのはメーカー側の手落ち、「さあ、18禁にゾーニングしてくれと言わんばかりではないか」と指摘されましたが、実はボカシが入るまでに二転三転あったとも聞きました。僕がいちばん最初に聞いた話は「股間には何もないので、ボカシは入れない」だったし、ランナーは何も隠さず展示してあったんです。
(メーカー側には、しっかり意思統一してほしかったですけどね)

その辺りの話は、映画『ぼくのエリ 200歳の少女』で、股間にボカシが入れられた顛末に似ています()。『ぼくのエリ』の時は配給会社がボカシを入れた犯人のように責められていたけど、実は「ボカシを入れないかぎり審査しない」と映倫が恫喝を行っていたのです。


さて、「PLAMAX Naked Angel 1/20 天使もえ」が通販サイトで18禁製品にされた件、どんなリアクションがあるのかな?と、Twitterを検索してみました。
やっぱり、「AVが18禁である以上、AV女優のプラモデルも18禁であるべき」「裸なんだから、18禁に決まっている」との意見が多いように受け取りました。
「18禁」って、便利な言葉だと思いましたよ。みんな未成年のことなんて考えてなくて、「ゴミ箱」みたいな感覚で使っている。厄介なものは「18禁」というゴミ箱に放り込んで、そこから先は感知しない。

もうひとつ、僕のブログの文章や主張が「キモい」と笑いあっている人たちを発見しました。
「間違っている」ではなく「気持ち悪い」と言ってしまえば、そこから先の思考を放棄できるし、反論を封じられる。自分が言われてみて、初めて分かりました。
ライトノベルの表紙でも萌えキャラでも「気持ち悪い」で機先を制すれば、言ったもの勝ちで話にならなくなる。「18禁」「気持ち悪い」で、どんな議論も停止できる気がしてきます。

「裸なんて18禁」と言っている人は、「萌え絵なんて気持ち悪い」と言っている人と傾向が似てますね。自分からは、主体的に働きかけようとしない。だけど、自分の要求だけは通したい。


「18禁と決められたからには、18禁でいいだろう」と、完全に思考放棄している人もいました。
だけど、AV女優の裸だから表現規制だとか、メーカー側の表現の自由が……とか、そんな大げさな話ではないんです。

僕がライターになりたての頃、「バカバカしい」という言葉を原稿に書いてはならないと怒られたことがありました。理由を聞くと「バカは悪い言葉、人を罵倒する言葉だから」とのことで、文脈は無視。「バカ正直」という言葉をカットされたこともありました。
くだらない話のようだけど、表現規制って日常に忍び込んでいるから、誰にとっても大事な話題のはず。別に、エロ表現とヘイトスピーチだけが表現規制の対象ではないです。
だけど、いちいち筋を通していたら面倒。「決まりは決まりだろ」で意志も思考も放棄したほうが楽。物事に異議をとなえる人は「パヨク」で片付けてしまえばいいし、世の中の良くないシステムは「アベ政権」のせいにしておけば、自分は無力なままで鬱憤だけは晴れる。

「PLAMAX Naked Angel 1/20 天使もえ」にボカシが入ったり、18禁に追いやられたことは、「面倒だから、誰か適当に処理してくれ」という怠惰な社会の、ほんの末端で起きた象徴的な出来事です。
だって、本気で「18歳未満に売ったらダメ、買わせてもダメ」と主張するなら、18禁製品に区分される前に予約した未成年の販売分は、キャンセルしないとダメですよね? だけど、Amazonもユーザーも、そんな面倒なことしないでしょ?  

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