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2018年8月21日 (火)

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Jウィング 2018年9月号 本日発売
Dlcszsjv4aat83d●『ひそねとまそたん』特別企画 それゆけ!女性自衛官 特別編/岐阜基地 基地渉外室 甘粕ひそね 2等空曹
当企画にて、突発的に始まったJウイングさんの『ひそねとまそたん』短期集中連載はいったん終了です。
ひそねのインタビュー記事を掲載しよう、という話は最初の打ち合わせから出ていて(確か編集長からの提案)、たまたま「版権イラストに予算がいくらかかって納期はこれぐらい」と知っていた僕が、イカロス出版さんとワーナーさんとの間で話し合いをもってもらい、形にすることが出来ました。
予算とスケジュールの提案まで含めての「企画」です。

そして内容に関しては、自衛隊にパイプのあるJウイングさんが、航空幕僚監部を通じて岐阜基地・基地渉外室に取材申請しました。
誌面を見ると「ふーん」って感じかも知れませんが、それぞれが得意技を出し合って、4ヶ月じっくり準備して成立した企画です。僕は絶大な自信をもっています。

●「千と千尋の神隠し」に秘められた「解放への道」を、シーンとキャラクターから探る【懐かしアニメ回顧録第45回】
T640_773816いつも冗長になってしまうコラムなので、今回は簡素にまとめました。キャラクター自体が「道」であり「場所」であり、それゆえに束縛もするが脱出口にもなるという視点は、そんなに的外れなものではないはずです。
だけど、アニメ作品を深読みするとしたら、「カオナシの正体とは?」など謎本のような企画か「このシーンが好き!」といった共感を誘う感情的なものが受けます。画面を凝視して解析するというスタイルは、「流行らない」と断言できます。


アニメ作品の評論は、『新世紀エヴァンゲリオン』がヒットした95年以降、けっこう盛んだったはずです。氷川竜介さんがたてつづけに単行本を出して、新作旧作とわず分析や研究が盛んだった時期がありました。
それ以前、『宇宙戦艦ヤマト』ブーム下の1977年にロマンアルバムが発刊されて、設定資料・名場面・インタビュー・グラビアで構成するスタイルが生まれました。そのフォーマットに落とし込めば、どんなアニメでも書籍化できるんです。

今でもたまに、「各話解説」「各話レビュー」「インタビュー」でアニメ特集いっちょあがりな企画を見ます。『オトナアニメ』や『Febri』で、僕も手を貸していたから偉そうなことは言えない(笑)。ああいう記事に、カットワークや作画のことを書くと、編集部にいやがられるんです。解析ではなく「思い」を書いて共感を得ることが、あの手の特集だけではなく、レビューの目的になってしまった。プロの映画評論家すら「ただただ、泣いた」と書いてしまう時代になった。
図書館で映画評論の本を探すと、構図の効果だけひたすら研究したり、フィルムからカメラ位置を割り出してる人もいます。アニメ研究家は何人もいらっしゃいますが、専門知識なしには出来ないものなんです。ただ、ネットというかSNS的には流行らない。
「流行なんて関係ねーや」という気持ちに、最近ようやくなれました。流行らなくても、本当に自分が面白いと感じたことだけを解説していこう。


もうひとつ気になっているのは、ロマンアルバム的な書籍に「公式」と銘打たれるようになったこと。「公式」って言葉には権威を感じられるから、出版社も読者も安心なのでしょう。
企画者や編集者が絶対の自信をもっているなら、「公式」という言葉に頼らなくてもいいはずだと、僕は思います。世の中全体、与党精神が衰えてますよ。

「公式が認めたんだから間違いない」って考え方が芽生えたのは、ここ十年ぐらいでしょうか。あと、仕事がらみで「~様」を誰もが乱用するようになりました。僕だったら「アキバ総研様に記事をご掲載いただきました」とでも言えばいいんだろうか。仕事って、発注側も受注側も対等の関係のはずですよ。いったい、誰に何を遠慮しているのか。やっぱり、波風たてず穏便に……という世相なのでしょう。
心からの敬意と感謝をかんじたときは、僕も「~様」をつけるでしょう。だけど、何かの保障のように「公式」「~様」を連発すると、当事者意識が逃げていく。空虚な世間体だけが残るような気がしています。

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