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モデルグラフィックス 9月号 発売中●『ひそねとまそたん』ミニ特集
全8ページのうち、作例ページをのぞく青木俊直さんインタビューを含む7ページを構成・執筆しました。
青木さんのインタビューに合わせて、作例がフィギュアになることは先に決まっていたので、残りのページで『ひそまそ』を初めて知る人にインパクトを与えられるよう、工夫しました。
●組まず語り症候群 第69回
今回は、シャーペンとパソコンのプラモデルです。担当者が変わると、こんな簡単な連載でも、不思議なことにページの雰囲気も変わります。
ホビージャパン エクストラ 2018 Summer 31日発売●プラモデルってこんなに簡単で楽しい! BANDAI SPIRITS ホビー事業部のキャラクター・プラモデルたち
取り上げているキャラクター・プラモデルは『Dr.スランプ アラレちゃん』、『ドラえもん』、『ワンピース』、『ドラゴンボール』、『ポケットモンスター』、『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』、『スター・ウォーズ』、『仮面ライダー』、『ポチッと発明ピカちんキット』、『パシフィック・リム:アップライジング』、ラストにこの夏の新製品いろいろです。
『ワンピース』と『Dr.スランプ』と『ドラえもん』の企画者お2人の対談、『スター・ウォーズ』開発チームへのインタビューもあります。
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この特集はホビージャパン編集部に企画書を提出したところから、ネタ出し、バンダイさんへの取材、20時間におよぶ模型撮影のディレクション、ページにどう写真を配置するかのラフ書き、本文やキャッチコピーやキャプションの執筆、ときには版権元さんへの問い合わせまで、50ページをひとりで担当しました。
もちろん、担当編集さんが台割りを決めて、版権元とバンダイさんへの連絡と確認など、締めるところは締めています。カメラマンさん、デザイナーさんのアイデアも入っています。バンダイさんから「このプラモデルを取り上げてほしい」という要望もありました。
「塗装は一切しない」「シールすら基本的に貼らない」、工具は「安くて入手しやすい最低限のものだけ」、ひたすら手ぶらで「簡単に作れる」ことだけをアピールした企画が、関係者全員に「許された」一点だけでも、僕は希望を持っています。
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なぜかというと、塗装も接着もしなくてすむように進化してきたガンプラですら、知らない人や昔作っただけの人は「塗らないとダメなんですよね」と誤解しているからです。
アラレちゃんやドラゴンボールのプラモデルが出ていることさえ、今ひとつ世間に伝わってない。イベントで素組みしたプラモデルを売っていると、「塗装しないとこうならないんでしょ?」と聞かれます。「作りたいんだけど、ニッパーを持ってない」という友だちもいます。
そういう人たちはプラモデルを作らなくていい、関係ないんでしょうか? そういう人たちにこそ、誰でもカラフルな完成品を手に出来るバンダイのプラモデルをアピールすべきではありませんか?
ホビージャパン本誌ではなく、エクストラであれば、他の趣味の雑誌に混じって置いてもらえるチャンスがあるんです。表紙も、編集と営業が何度も話して、絞り込んで決めています。
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僕も高校時代は「塗装・改造は当たり前」で、色すら塗らない友だちを軽蔑すらしていました。あるいは、プラモデルはランナー状態がいちばん面白いのだと前提した連載を始めてからも、「プラモについては俺がよく知っている」「俺のほうがレベルの高い思考をしている」、意識高い系モデラーと競争しているような気持ちになり、それはそれで、また疲れるのです。
とにかく、優劣がある世界、誰かが誰かに勝ったり負けたり、教えたり従ったり……という世界から距離を置きたくてしかたがない。
だから、模型雑誌でない媒体に、「こんなプラモがあるんですよ」と宣伝して歩いて、いくつかは記事になってますよ。上下も優劣もない、誰もが気軽に楽しく過ごせる世界が理想なので。
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『ワンピース』のプライズ・フィギュアって、喫茶店や美容院なんかに飾ってあるぐらい、超メジャーな立体物です。そういう人たちに「プラモデルもあるのか、ひとつだけ買ってみよう」と思ってもらいたい。
そして、そのまま二度とプラモデルを買わなくてもいいとも思います。なるべく多様な人たちが、ちょっとずつプラモデルに触れては去っていく。そのほうが世の中、豊かになると思います。「素組みじゃダメだ、塗装して上達しよう」って世界は、もう十分に構築されています。濃い人たちに濃いものを投下するシステムは、完備しています。
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だから今、企画を考えてどんどん売りこむことが楽しくて仕方ないです。
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