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2018年5月29日 (火)

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「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」では、メカから吹き出る“煙”までもが演技している!【懐かしアニメ回顧録第42回】
51aglpjjjyl飯田馬之介さんが監督になってからの『08MS小隊』は、まずシローとアイナの関係を説得力あるものにして、周囲の状況も細かく整理しながらシローを主人公にふさわしい人物に仕上げてクライマックスに向かわせる、その悪戦苦闘の連続です。

第7話では、まずシローがアプサラスの外壁をよじのぼるシーンが「ギガント」そっくりなので、さすがは宮崎駿さんの演出助手だ、と感心します。
しかし、陸戦型ガンダムとアプサラスが交戦状況から雪山へ着地するため力を合わせるプロセスで、煙の描き方・使い方が変わっているように見えます。ラストで、シローと別れるアイナの姿を煙が覆い隠す演出は、誰でも気がつくと思います。

それを手がかりに、煙の動きを冒頭から追っていくと、対立していたふたつのメカ、ふたりのキャラを結びつけるファクターこそが煙のように思えてくるのです。
もちろん、こじつけだし、我田引水です。しかし、「監督はシローとアイナの再会と別れを印象的に描こうとした、だから印象的に見えて当然なのだ」では、何も言ったことにならないし、何も観たことにはならないと思うのです。


あるプロデューサーに熱烈に推薦されたので、立川シネマシティで『レディ・プレイヤー1』。試写会に行きそびれたので、あまり気は進まなかったのだが、キャラクタービジネスの今後について考えさせられた。
640「ウケ狙いでガンダムなんて出すの? だっせー」とタカをくくっていたのだが、ガンダムがメカゴジラに立ち向かうシーンでは、ずっと涙ぐんでいた。ちょうど1981年夏、玩具的ギミック満載の1/100ガンダムと出会ったときの「出来は良くないんだが、よくぞ発売してくれた(後は俺が改造する)」という、あの「イマイチなんだけど、だからこそ俺が介在できる」感覚に似ている。37年前の新鮮な気持ちに立ち返ることができた。


クライマックスで、悪役大企業のノン・キャラクター物の兵器や兵士と、版権つきのゲーム・映画・コミックのキャラクターたちがぶつかり合う。彼らを動かしているのは、お金もなく現実に希望を見出せない市井のファンたちだ。
現実世界で、巷のコスプレイヤーは版権元の許可など必要なくルックスや人柄で人気を集めているし、ヴァーチャルYoutuberはオリジナル・キャラなので、商品化の要望は彼らのところに来る。大企業がキャラクターを独占する状況は、古いものになりつつある。

“作家さんの自由です。日本のIPのように「このキャラは絶対にこう表現してください」「そうでなければ許諾しません」なんてことは、一切言いません。”(
「パクリしかできない」と蔑まれてきた中国のフィギュア産業は、ここまで先駆的な考え方をしている。一方の日本では、造形のことをろくすっぽ分かっていない版権元が監修を繰り返した結果、偏差値ばかり気にしたフィギュアが増えてしまった。

『レディ・プレイヤー1』には、特に優れたショットがあるわけではない。
だけど、キャラクターと生身の個人との関係に、楽観的な未来像を示してくれた。

(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED

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