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2018年5月26日 (土)

■0526■

月刊モデルグラフィックス 2018年7月号 発売中
1672318_o●「組まず語り症候群」第67回
今回は『ひそねとまそたん』推しなので、ハセガワさんの1/72・F-15J、たまごひこーきのF-15Jの2キットを取り上げ、さらにマックスファクトリーさんから発売されるプラモデルについて、担当者にミニインタビューを行っています。
巻頭のヘッドライントピックスにも『ひそまそ』記事があり、なんとマックスファクトリーさんとプラッツさん以外からもキットが出ます。どのメーカーか知ってるけど、いまのところ書かないでおきます。

月刊ホビージャパン 2018年7月号 発売中
Deaq4eguwaa7utf●バンダイと考える、これからのプラモデル
こちらでは、FiguriseLABOホシノ・フミナに関する6ページ記事を構成・執筆しています。フミナの企画と開発をなさった西村悠紀さん、山上篤史さんにもインタビューしています。

このお2人については、すでにWEBでインタビュー記事が出ています()。
模型媒体ではないので苦労したと思いますが、最先端の超絶技術で出来ているように見えるプラモデルでも、何十年も前から続いている「高温高圧で樹脂を流し込み、冷やして固める」基本原理からは逃れられないのです。
バンダイ製プラモデルの代名詞である4色成形(いろプラ)も、ぶっちゃけた話、金型を成形機に4回かけて順番に4色を流せば、原理的には同じ成形品が出来てしまう。4回も回していては時間がかかりすぎて、価格が上がってしまうため、短時間で一度に成形しているのだそうです。

昨年から今年にかけてスーパーミニプラ(キャンディ事業部)、ガシャプラ(ベンダー事業部)の企画や開発の方にインタビューしてきて、静岡ホビーショーでもホビー事業部の方たちに立ち話でいろいろ聞かせていただきましたが、プラモデルの成形技術は拍子抜けするほど当たり前のことが多いです。その「当たり前」が、模型誌の読者には伝わっていない。地味な成形過程にまで興味をもって聞きにいくインタビュアーも少ない。だから、僕にはあれこれと仕事が回ってくるんです。

中国からハイセンスな造形物を発信する“末那models(マナズ・モデルス)”って何だ!? 日本支社代表・神田修さんに聞いてみた!【ホビー業界インサイド第35回】
T640_761590_1プラモデルではありませんが、日本の造形作家の作品を、がっちり色を塗った完成品として販売している“末那models(マナズ・モデルス)”さん。2年ほど前に、たまたまネットで見つけて以来、ずっと気になっていました。
今回、個人的に日本支社の神田修さんにコンタクトをとって、インタビューが実現しました。

この取材は、先月に行われた上海でのワンフェスで、日本から中国へ渡った関係者がみんなショックを受けて帰ってきたように思えたので、あわてて企画しました。日中でのオリジナル造形物への温度差が感じられると思います。
日本のワンフェスの、小さなブースにしか行き場所のなかった造形作家たちが、中国では広々としたスペースで個展を開いてもらえる。個人がリスクを負うことなく、好きな作品を作れるし、お金にもなる。この動かしがたい事実を無視はできません。


FiguriseLABOの登場、食玩やカプセルトイの流通経路で販売される組み立てプラモのヒット、その系譜に連なるグッドスマイルカンパニーからのプラモデル発売、上海ワンフェスの開催……、この2018年は、模型文化に起きている変化が顕在化してきた年です。「進化」ではなく「変化」です。良いことばかりとは限りません。
個人的なトピックとしては、「組み立てキット」の概念を変えたNintendo Labo。もうひとつ、あさのまさひこさんの著書『MSVジェネレーション』も加えるべきでしょう。

これらの動向を無視して「プラモデルだけは昔から変わらず……」などとノスタルジアに浸っている余裕は、僕にはないですね。
逆に、新製品を「旧キットより精度が増した」「技術が向上した」などと、本質に届かない空疎なテンプレートで撫で回している暇も、やはりないわけです。変化にダイレクトに触れて、直球で届く言葉を探さねばダメです。


映画はチャップリンの『モダン・タイムス』、ジーン・ケリーの『雨に唄えば』などのクラシックを見ていたけど、若いアニメプロデューサーから推薦された『ビリギャル』。これが見事な出来だった。
Main_large小学生レベルの学力しかない女子高生が、どうすれば慶応大学に受かることが出来るのか。ミッション物としてかなり徹底されており、情緒的なシーンに流れそうになると、思い切ってバツンと流れを切ってしまうのが気持ちよかった。

後半、父親と和解するシーンも、セリフのレベルでは「お前は俺の希望だ」「今さら、分かったようなこと言うんじゃねえよ」と齟齬が生じる。ようするに、言葉上では解決しない。
ほぼラスト近く、父と娘の和解はカットワークによって達成される。大学に受かった娘が、父親の背中へ走っていく。画面右から左奥へ、ロングで。
次のカットはアップで、父親が娘をおぶる。そのカットはドンデン(カメラを反対側に据えてアングルを変える)で、父親の顔は右側、娘の顔は左側に配置されている。だが、娘の顔は高校生ではなく、なんと幼稚園児ぐらいの子供なのだ。

つまり、「父親が娘をおぶる」アクションだけは繋がっているが、時系列が飛躍している。大学に受かった娘は、ようやく幼児の心境にもどって、父親に甘えることができた。その心の変遷をセリフではなく、カットワークのみで語っている。
ヒッチコックの『北北西に進路を取れ』のラストが、アクションのみ繋げて時系列を飛ばすカットワークだった。2015年の日本映画にも、60年前のヒッチコック映画のロジックが応用されている。それだけでも、めっけもんである。

(C)2015 映画「ビリギャル」製作委員会

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