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EX大衆 6月号 発売中『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 誕生 赤い彗星』マスターガイド
CGプロデューサーの井上喜一郎さんにインタビューさせていただきました。井上さんとお会いするのは、『ゼーガペインADP』のブックレット以来です。
EX大衆誌でアニメやSFX映画の記事をまかされるようになって、もう十年以上になります。かつてはテキストが少なめで、煽るような茶化すようなテキストを求められました。今の担当者になってから、自分たちが本当に良いと思った部分だけをぎっしりと書く方針に変わりました。
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今週末の19日(土)から、三鷹駅南口の商業ビル「三鷹コラル」で、
『この世界の片隅に』資料展が開催されます(■)。6月1日~3日までの広島物産展と連動した企画で、物産展を企画された広島市出身の方、地元で上映イベントを企画された方たちの働きかけで実現しました。アニメ業界と関係の薄い方たちとアニメの話をすると、新鮮な気持ちになれます。
僕はMAPPAさん、ジェンコさんと連絡をとりながら、原画や背景画をお借りして、展示パネルを構成しました。ひさびさに、片渕須直監督ともお会いしました。
監督の個人事務所に行くと、ドアと窓が開け放たれていて、監督は窓際に腰掛け、カーテンをなでる4月の風の中で、メガネをかけて分厚い本を睨んでいました。
その知的なムードは、もはや“色っぽい”と言ってもいいぐらいでした。監督と話すと、何をどうやっても2009年の秋から冬にかけて、『マイマイ新子と千年の魔法』が苦境に立たされていた頃の雰囲気になって、あの頃の資料がポロッと出てきたりします。
『この世界の片隅に』の成功がなかったら、きっとほろ苦いような気持ちで、そうした資料を見ることになったんだろうなあ、などと思いつつ……。
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“「オタクは性犯罪者」という偏見があるが、僕は「スポーツは乱暴者がエラぶっていて、一般的なモラルが全く通用しない理不尽な世界で、子供の教育に本当に悪い」って偏見持ってますけどね。”(■)
“大学の体育会系のクラブやサークルで輪姦事件が続いても「スポーツで体を鍛えすぎると性欲が強くなって性犯罪に走りやすい」とか「チームの一体感などを刷り込むと集団で犯罪行為を行なったり隠蔽する危険性が」とは言わないのにね”(■)
“まさにこれだよね、僕たちの小中高生活を統治していたもの。(■)”
もう、あれこれ事件やニュースを引き合いに出すまでもないと思う。
高校時代、僕は甲子園を目指す健全な球児たちの「裏の顔」を反吐が出るぐらい見せつけられたし、怪我をしかねないほどの暴力を振るわれても体育教師は見ないフリをしていたし、スポーツ界に対して不信感と嫌悪感しかないですけどね……。
スポーツ界だと体力と政治力が結びついて露呈しやすいだけで、誰にでも「他人に言うことをきかせたい」支配欲があるんだと思う。僕のようにオタク業界でデスクワークをしていても、理不尽な要求を飲ませようと圧力をかけてくる人がいる。そういう人は、己の支配欲を制御できないんだと思う。
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映画『ワンダーウーマン』を見ていてウンザリさせられたのは、冒頭に女だけが暮らす理想郷が出てくるんだけど、それが力の強い戦士が政治の中枢にいるマチズモ的世界であったこと。男性優位社会を、ただ女性のルックスで糊塗しただけ。
ポリティカル・コレクトネスに配慮して、女性監督も登用しているはずのハリウッドですら、父権的な社会から抜け出せていない。
残虐な犯罪が起きるたび、脊髄反射的に「死刑にしろ」とツイートする人が多い。僕は被害者遺族として裁判に出席して「容疑者を極刑にしてほしい」と意見陳述したが、もちろん通らなかった。人を殺しても求刑8年とか、そんな程度だったから。
「ムカつくから死刑でいいよ」ツイートを見るたび、愚民どもの野蛮な懲罰感情にたずなをつけるためには、そうそう簡単に死刑にできない法整備にしておいて良かったな、と思わざるを得ない。
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