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Figure-rise LABO ホシノ・フミナ(■) 6月発売予定製品にはまったくタッチしていないのですが、説明用の資料、キャッチコピー、コラム、これまでのFigure-rise Bustシリーズの解説など、いろいろ書きました。今年冬のワンダーフェスティバルのバンダイ・ブースでFigure-rise Bustが展示されましたが、その解説も書きました。
ただ、僕の考えたキャッチコピーはプレスリリースには使われているようですが、「あなたが作って、あなたと進化する」という素晴らしいコピーは、僕の書いたものではありません。商品の特性を的確に言い当てた名文だと思います。
というか、僕の書いた文は(今のところ)ワンフェス以外では露出していないので、ひょっとして、ぜんぶ没なんじゃないかと思っています。本当に、夢みたいなお仕事だったので。
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これまで、プラモデル周辺の文章って、プラモデルを改造したり塗装して綺麗に仕上げられる人たちだけが担ってきたんじゃないでしょうか。
僕は、プラモデルに色は塗りません。もちろん改造もしません。箱の中のパーツを素組みして何が出来るのか知りたいだけの人間です。ここ数年、モデルグラフィックス誌の連載をもらったり、ホビージャパン誌からレビューを頼まれたり企画を持ち込んだりしていますが、最初の頃は「作れもしないくせに」と、Twitterで笑われていました。
パーツの合わせ目を消して、綺麗に塗装できる人にだけ「プラモデルの面白さを語る資格がある」と、そういう認識が現在でも生きていると思います。だけど、ガンプラに限らずバンダイのプラモデルは20年ほどかけて「塗装しなくても組み立てるだけで見栄えがする」メソッド、価値観を確立し、今もアップデートを繰り返していますよね。
誰が作っても、不器用な人が作っても、同じクオリティのものが手に入る。プラモデルの民主化です。というより、プラモデルという工業製品は、もともと民主的だったのでしょう。工作・塗装という側面だけが肥大しすぎたような気がします。
結果、「作れもしないヤツが偉そうに語るな」という風潮が消え去らず、ガンプラを気軽に素組みしている人たちは肩身の狭い思いをしてるんじゃないでしょうか。
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だけど、まったく塗装しない、ニッパーと接着剤だけで最低限のプラモデル趣味を楽しんでいる素人の僕のところに、メーカーさんから公式な文章を書いてほしいと話が来ました。直接的には、ホビージャパン誌の2018年1月号で、Figure-rise Bustシリーズのミニ特集を構成したことが契機だと思います。家に素組みしたキットはあったのだけど、ランナー状態のものはなかったので、新たに全キットを買いなおしました。
完全に「好き」だけで企画した特集で、もちろん作例はありませんが、ちゃんとバンダイさんは「商品の特徴や魅力を文章で伝える」部分を見ていてくれたのだと思います。あと、『我々は如何にして美少女のパンツをプラモの金型に彫りこんできたか』(■)もお読みいただけたそうで……。
今回のFigure-rise LABOは、それこそ打ち合わせの翌日には最初のテキストを提出して、自主的に何度も書き直しました。
ライター生活20年目にして「こういう嬉しいこともあるんだなあ」と喜びを噛みしめると同時に、企画担当の方がホビー事業部から異動になると聞いて、少し寂しい思いもしています。
いま、プラモデル関連の企画をいくつも提出しています。昨日も、ある出版社で打ち合わせがありました。Figure-rise LABOの仕事を立脚点に「作れもしないヤツ」がどこまで面白いプラモデルの本を作れるか、楽しみに待っていてください。
(C)創通・サンライズ
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