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レンタルで、1946年のソ連映画『石の花』。
中学時代にテレビ放映され、その異様な色彩の人工美は漠然と記憶していた。ソ連初のカラー作品とのことだが、アメリカでは1932年にディズニーがアニメ映画『シリー・シンフォニー』で、初のテクニカラー方式の映画を実現している。少なくとも、原初期においては、カラー映画はアニメや特撮のジャンルに属していたような気がする。
『石の花』も光学合成を駆使した特撮ファンタジー映画で、監督は『妖婆 死棺の呪い』で独創的な世界観を醸していたアレクサンドル・プトゥシコだ。『石の花』は、全編がセットというよりは大規模な舞台装置上で撮影されている。
したがって、俳優の背後は書き割りでふさがれており、演技はもっぱら、その手前で行われる。いきおいカメラアングルは限定され、カットワークは単調となる。
しかし、そうした演出の稚拙さを補って余りある色彩の美しさに目を奪われた。
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結婚式のシーンで、民俗音楽にあわせて男たちが踊る。その衣装がキラキラと金属的な光沢を放って、綺麗なんだ。この宴のシーンは尺も長く、大きな見せ場となっている。
また、主人公の青年を誘惑する石の女王の衣装がシーンごとに変わって、全身がブルーなのにイヤリングだけ赤く照り返しているとか、現像段階で何か工夫したんじゃないかと思う。
また、俳優が老若男女とわず青白いドーランを塗っていて、誰もが不健康な顔色をしている。ソ連では初のカラー作品なので、誤ってモノクロ映画向けの大げさなメイクをしてしまっているのではないか?と早合点してしまう。しかし、中盤以降に登場する衣装の繊細な色彩感覚を考慮すると、俳優のメイクにも何らかの狙いがあったような気がしてくる。
どうしても、カラー・トーキーが当然の時代に生まれた僕らは、モノクロ・サイレント映画を下位において考えてしまいがちだ。構図やカットワークといった映画固有の文法は、モノクロ・サイレント時代に開発され、発展した(クレショフ効果が発見されたのは1922年のこと)。その認識がないと、4DXで水をかけられたり椅子を揺さぶられたりするのを「最も進化した映画」と勘違いしてしまう。
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「約束の時間に間に合う人と間に合わない人」(■)
この解説、そのまんま仕事の話に当てはまる。「時間の価値が分からず相手の時間を粗末にする」、だから、スケジュールを決めようともしないし、守らなくても何とかなると思っている。
良い悪いではなく、そういう性格の人は自分の人生から排除していく、これだけだ。それだけで納得のいく良い仕事ができるし、イライラしなくてすむ。ダメな相手と仕事していると、仕事と関係ないことでも心が疲れてしまうんだよな。
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