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【ホビー業界インサイド第31回】女子高生を1/35でキット化! 「35ガチャーネン -横山 宏ワールド- JKフレンズ」に秘められた “理想のプラ模型像”を、海洋堂・宮脇修一センムが語る!(■)カプセルトイといえども、インジェクション・キットとして女子高生フィギュアを成形しているのだから、プラモ文化という側面から光を当てるべきと考え、取材をお願いしました。
結果、文房具屋で売られていた“吊るしプラモ”、エアフィックス~フロッグ系の英国製プラ模型の質感など豊かなお話を聞くことができました。というより、宮脇さんの「プラ模型」という素朴な呼び方が、すでにガンプラ登場以前の概念を言い表していると思います。
こういう実体験的なお話は、ガチャーネンが売れるとか売れないとか、出来がいいとか悪いとかは直結しないように思います。「熱い」とか「こだわりがある」「プラモ愛」って誉め方も、ちょっと論点が違うような気がします。○○愛って言葉は、危険ですね。
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アキバ総研の担当編集さんのスケジュール管理能力……というより、危機管理能力のおかげで、海洋堂さんへの取材申し込みと記事掲載はスムースでした。
実は、来月掲載分の取材も、昨年中に終わっています。僕が早め早めに申し込んでいたせいもありますが、担当さんが「もしコレがダメなら、以前に話が出ていたアレでいきましょう」と先手を打ってくれるから、一回も休まずに続けていられるんです。(それと、責任分担がハッキリしているので判断が早い。)
どんな仕事でも、段取りが8割でしょうね。実力だの才能だのは、僕は2割以下だと思ってます。2割以下で比率が低いから手を抜くのではなく、2割しかないんだから、実作業はおのずと一生懸命やることになる。実作業に集中するには、スケジュールに余裕がなければならない。
いつまで経っても、それが分からない人がいる。「誰かがどっかで無理すれば終わる」と漠然と、曖昧に考えている。「スケジュール」という概念がない人たちがいて、その人たち同士で仕事を回しあっている。ダメな人たちは、ダメ同士でかばい合ったり誉め合ったりするから、すぐ分かる。
危機を察知する感度が高ければ、ピリッと緊張感をもっているはず。ナアナアでやっている人には、独特のだらしなさがある。
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レンタルで、『サウンド・オブ・ミュージック』。『鴛鴦歌合戦』(■)は、歌が映画を駆動させていたのに、『サウンド・オブ・ミュージック』は飽くまでも俳優が歌っている。四角四面に「ここからここまでが歌です」と決まっている。
『鴛鴦歌合戦』はトーキー化から10年後の映画だが、そこには無声映画から掬い上げた「形として」美しい肉体が力強くダンスしている。
そして、無声映画の残した遺産はトーキー化によって、どんどん忘れられていったのだろう。『サウンド・オブ・ミュージック』を見ると、よく分かる気がする。
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