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11/1■夜、成田発、イスタンブール(アタテュルク国際空港)経由
11/2■マルタ島(マルタ国際空港)着、チェルケウア港からゴゾ島へ
11/3■ゴゾ島観光 ゴゾ島泊
11/4■ゴゾ島からマルタ島へ移動 スリマ泊
11/5■スリマ、セントジュリアン観光 スリマ泊
11/6■スリマからヴァレッタへ移動 ヴァレッタ泊
11/7■ブルーグロットほか観光 ヴァレッタ泊
11/8■夜、マルタ島(マルタ国際空港)発
11/9■成田着
なんとなくやる気のない日程表だが、実は観光先の詳細は決めていない。バスで二時間も走れば島のどこへでも行ける雰囲気なので、おいおい考えればいいと思っている。
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レンタルで、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『ボーダーライン』。
別に狙ったわけではないけど、『ブレードランナー 2049』の監督作だ。『メッセージ』も知的な映画だったし、信用できる監督と思って間違いない。
だいたい、特殊メイクや血糊、弾着や死体のプロップなどの出来がいい映画は、ほぼ「当たり」である。
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エミリー・ブラントの演じるFBI捜査官が、国防総省のメキシコ麻薬カルテル殲滅作戦に参加する。ところが、チームに属しているコロンビア人の男(ベニチオ・デル・トロ)は、平然と違法行為を犯す。彼は家族を殺された私怨からチームに参加し、汚職警官を利用しては呆気なく射殺し、ついにはカルテルのボスを家族ごと皆殺しにしてしまう。
クライマックス、狭いトンネルの中をチームが進む。暗視ゴーグルとサーモグラフィを介した不鮮明な映像が続き、すさまじいストレスを感じさせる。
そのトンネルを抜けた先では、メキシコ人の汚職警官がパトカーから麻薬を降ろしている。人ひとり通れるのがやっとな長いトンネルの先に、決定的な出来事のおきるステージ、舞台が広がっている。この空間構成が、まことに冴えている。
全編、大胆なシチュエーションを展開しながら、冷静に細部を組み立て、緊張感を途切れさせない。素晴らしい充実感。
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冒頭、任務中の爆発事故に巻き込まれたエミリー・ブラントがシャワーを浴びている。彼女の頭からは血が流れている。次のカットは、彼女が頭に負った怪我を、洗面所で治療しているアップ。爆発のとき、彼女も負傷していたのだと分かる。
つづくカットは、彼女が洗面所に、無言で両手をついている。その周囲には、血のついたガーゼが散らばっている。カメラはUPして、鏡に向きあった彼女の顔をとらえる……が、鏡は湯気のため曇っており、その表情までは読みとれない。
だが、安易に表情を見せないほうが、複雑な心境が伝わってくる。(表情を見せたい演出であれば、鏡が曇っている時点でNGテイクのはずである。)
麻薬カルテルの幹部が椅子に縛られ、500mのペットボトルの水を飲まされている。それが拷問のひとつなのだと、会話で分かる。
廊下で、ベニチオ・デル・トロが上司と会話している。彼は1ガロンの大きなペットボトルに水をたっぷり入れて、それをひきずるように幹部の閉じ込められている部屋へと向う。デル・トロは幹部の両足を開かせ、体を密着させたまま会話を始める。そのシーンのラストカットは、1ガロンのペットボトルの置かれた床、そして排水口だ。カメラは、思わせぶりに排水口へ寄る。
ペットボトルの水についても、排水口についても、一言の説明もない。しかし、これから凄まじい拷問が行なわれることは十分に予感できる。密室、縛られた男、大量の水。セリフで説明されない要素だけが画面に残され、残された物だけを手がかりに、僕らの想像力は最悪の事態を予期する。
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先日、片岡義男について、聞いたふうなことを書いてしまった。ちょっと反省して、『長距離ライダーの憂鬱』をダウンロードして読んでみた。素晴らしくソリッドで美しい文体で、何よりチャプターが短いので読みやすい。
そして、片岡義男を映像化するにはメカフェチ、バイク・フェチであることが最低条件なのだと理解できた。
(C)2015 - Lionsgate
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