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2017年9月25日 (月)

■0925■

ホビージャパン 11月号 発売中
Dkxi5xfueaatlmd●素材をめぐる冒険
マックスファクトリーさんのプラモデル「1/20 霞」を題材に、1980年代からレジンキャスト、ソフトビニールキット、PVC完成品へと変遷してきたフィギュア素材について、MAX渡辺さんにインタビューしながらレポートしてみました。

90年代後半から00年代初頭のフィギュア雑誌だけでなく、オークションでキャストキットやソフビキットを手に入れて、検証に徹しました。今後、他の製品についても「プラモデルとして発売されるまでの文脈」レポートを予定しています。


レンタルで、アイルランド・イギリス・カナダ合作映画『ブルックリン』。
640_21950年代、アイルランド人の女性がアメリカのブルックリンへ移り住み、イタリア人の男性と恋に落ちる。恋愛映画なんだろうけど、僕はジャンルは割と何でもいい。
まず、船で旅立つ主人公が、家族と別れるシーンが良かった。
主人公は船に乗っているので、港で見送る姉と母が小さく見えている。やがて、別れの悲しみに耐えかねた母は画面右手へ去っていく。それを追うように、姉も画面右手へと去っていく。
船から、去っていく2人を見ている主人公。船が動き出したので、彼女もまた、画面右手へ向かってゆっくり移動する。彼女の見ている、港の人々も、船の動きにあわせて、画面右側へ流れていく。いわば、別れのシーンは「画面右側へ人々が動く」ことで、美しく統一されている。
ところが、ひとりになった主人公が船内に下りてくると、彼女は後姿でタラップを降りてきて、画面奥へと歩き出す。次に、廊下へ顔を出す。廊下の奥から船員が歩いてきて、主人公を気にもとめず、画面手前からフレーム外へ抜ける。

つまり、家族との別れのシーンはゆったりした「横の構図」。ひとりになった途端、ソリッドな「縦の構図」になる。
もしかすると、船内はロケセット(実際に存在する場所をセットとして使う)で、この構図でしか撮れなかったのかも知れない。
640_2_2だけど、彼女が調和的な人物、特に恋人と一緒にいるシーンは、ほぼ間違いなく横の構図。関係のはっきりしない、あるいは調和的ではない人物は彼女の手前か奥にいる。そのほうがギクシャクした感じが出る。プロットが明快だから、よけいに構図の効果が気になる。


もうひとつ、格別に美しいシーンがある。
主人公は、移民の世話をする神父と知り合って、教会の炊き出しを手伝う。同じアイルランド人のホームレスのおじさんたちを招いて、クリスマスの夜に食事会を開くのだ。
汚いおじさんたちが食事している中、ひとりだけ歌手がまじっていて、その場に立ってアイルランドの民謡を歌いはじめる。これが郷愁を誘う、とてもいい曲なのだ。
それまで引きの絵で食事会の全体を捉えていたカメラは、ひとりひとり、くたびれたおじさんたちがしんみりと歌に聞き入る表情をアップで撮る。前後の人物がボケているから、一見すると似たような人たちばかりのようで、実はひとりひとりに表情があると分かる。

その、朗々とした歌声がつづいたまま、みんなが乾杯しているカット、食事会が終わって眠りこんでしまった老人を起こすカットなどを、細かく入れていく。主人公がボランティアを終えて外に出ると、雪が降っている。彼女は画面手前に歩いてくるが、ちょっとスロー気味にして、アクションを飛ばしている。そして、時間経過とは関係なく、美しい歌声が続いている。
とても詩的なシーン。僕は、いまネットで調べるまで、アイルランドとイギリスの関係、アメリカへの移民などの事情は、まったく知らなかったんだけど、映画って知識をこえられる。
少なくとも、移民して仕事のない人たちの悲哀は、このシーンが美しく撮られているがためにちょっとだけ理解できたし、ちょっと調べてみようとも思うわけ。

世間では「何を」題材にした映画なのか、ジャンルやモチーフが重要視されていることも知ってはいる。だけど、モチーフが「どのように」描かれているか、そのメカニックを解き明かす人たちがいなくなってはいけないと思うのですよ。

(C)2015 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.

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