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2017年7月 7日 (金)

■0707■

月刊GoodsPress 2017年8月・9月合併号 発売中
Decpwduiaas2l6■GP FRONTLINE
バンダイから発売予定の1/72ミレニアム・ファルコンの紹介記事を書きました。
この時はバンダイに質問状を投げただけで、テストショットも何も手元にありませんでした。だけど、第一作『スター・ウォーズ』のスクリプトに当たって、ちゃんとハン・ソロのセリフを引用しました。有名なキャラクターから興味を持たせるほうが、一般誌では有効な気がしたので。

反面、今月下旬発売のモデルグラフィックス誌では、キットの開発スタッフにがっちりインタビューしてきたので、コアなところを記事にしています。


レンタルでアントニオーニの『太陽はひとりぼっち』と、ベルイマンの『処女の泉』。どっちも学生時代に観ているはずなんだけど、今のほうが良さが分かる……なぜだろう? 特に、『処女の泉』の一部の隙もない構図、カットワークに目が釘付けになった。
11023_002日本でもアメリカでも、長い間、削除されたままだったというレイプ・シーン。左の画像のように、人物の後ろに木が倒れていて、画面に絶えず木の枝が入り込む。この画像では、仲良く昼食をとっているので、手前に障害物が入ることはない。ところが、男たちに行く手をはばまれた娘が、木をのりこえて逃げようとするため、その後のほとんどのカットでは、木の枝が斜めに画面を分断している。
セリフはひとつもない。印象だけでしか映画はつくれないんだと分かる。見たそばから、映画は過ぎ去っていくから。

もうひとつ、強烈なカット。娘が犯されているのを目撃した養女が、石をつかんで走ってくる。彼女は男たちを止めようとして、“カメラに向かって”猛然と走ってくる。つまり、映画を、娘が犯されているのを凝視している我々に向かって怒っているわけです。
そのカットが入るだけで、見てはならないものを見ている感じ、罪悪感が増幅する。優れた映画は、観客を共犯者にする。


「ゆらぎ荘の幽奈さん」の性表現「子どもに悪影響」だと波紋(
最初に、問題視されたカラーの画像を見たとき、「過激だな、やりすぎじゃないか」とは思った。だけど、買わないと見られない漫画誌の一部だけを切りとって「ひどい」と叩くのであれば、少年ジャンプでも成人向け漫画誌でも同じだよね。恣意的に一部だけ切りとった側が、実は卑劣ですよ。フェアじゃない。

いつものことなんだけど、告発し、批判した側が反対意見や罵詈雑言をくらうと「ほら、エッチな漫画を見て育った子供たちは、こういう大人になってしまう」と論理をすりかえる。気に食わない相手を叩き、嘲笑し、優位に立つための道具に、自分の嫌いな漫画表現を転用する。人として下劣です。
「ズリネタを擁護したいだけ」という発言も、よく目にする。オナニーは恥ずかしいもの、性欲は禁忌すべきものという前提に立っている。世の中を良くしたいのではなく、「世の中はひどい、救いがたい」と嘆いているだけだし、そのひどい世の中に便乗している。混乱と対立を煽っているだけでしょ? 性別関係なく、人として共感できないですね。


小学校一年生か二年生のとき、友だちの家で、美少女キャラが乳搾りされる漫画を見た。タイトルは思い出せないけど、家に帰ってから、「こんな感じだった」と思い出しながら、ノートに描いてみた。それが人生初の二次元コンプレックス的な体験だった。そのノートを友だちに見られてしまい、「俺が描いたんじゃないよ」と白を切ったところ、「本当はあの漫画が好きなくせに、恥ずかしいから誤魔化してる」と笑われたものだった。

漫画の内容に興奮したのは確かだけど、友だちに笑われたことのほうがショックだった。
そういう子供には、将来がないんですかね? 性犯罪者予備軍に数えられるんですかね?
「性的に乱れた漫画を見ると、子供に悪い影響が出る」という人は、子供をバカにしているし、その子供が思春期をくぐりぬけて、実社会にもまれながら大人として振舞わねばならない複雑な経路を想像できない。
果たして、僕の人生は取り返しがつかないんですかね? そんな話も、20日のイベントではテーマになると思います()。

(C) 1960 AB Svensk Filmindustri

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