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2017年4月 9日 (日)

■ケアンズ旅行記-1■

4/1から4/8まで、オーストラリアのケアンズへ旅行してきました。
まず、ケアンズからキュランダという熱帯雨林へ移動して二泊、ケアンズに戻ってからフェリーでフィッツロイ島という小さな島へ移動して二泊。それだけです。ケアンズには日本からの観光客が多いので、たぶんあまり参考になる旅行記にはならないと思います。下調べが足りなかったので、キュランダではほとんどの観光ポイントを見逃しています。フィッツロイ島では、海を見ながら、ひたすらビールを飲んでいました。

正月にケアンズへ家族旅行してきた友だちから(日本語版もふくむ)観光パンフレットを沢山もらっていたので、これまでの欧州や南米よりは、安全で楽チンで、たいしてエキサイティングな旅にはなるまい……と高をくくっていたのですが、途中で「早めに帰るべきか?」「絶食してでも留まるべきか?」を真剣に考えるほど、追いつめられました。
その詳細は、おいおい記していこうと思います。


まず最初に、ケアンズへの往復に使ったジェットスター航空について書きます。「ジェットスター ひどい」で検索すると、数え切れないほど膨大な悪評が出てくるので、それも参考に。

もとはといえば昨年、アルゼンチンから帰ってきた直後、またすぐに海外へ行きたくなり、「飛行機に乗っている時間が短い」「航空券が安い」という理由だけで、ケアンズを選んだのでした。H.I.S.で検索していて、「えっ、なんで?」と思うほど安かったのが、ジェットスター。

即座に航空券を押さえたものの、不審に思って評判を調べてみると、だいたい以下のことが分かりました。

●普通に荷物を預けるだけで、手数料をとられる。
●機内食は出ない。代わりに、機内販売がある。
●ただし、「お湯」だけで200円もする。

なるほど、普通の航空会社が航空券に含めているコストをバラして、必要な客にだけ払わせるシステムか……と、良くも悪くも納得はしました。
機内食は食べたくもないタイミングで運ばれてくることが多いし、メニューを英語で選ばされるのが苦痛なので、なくてもいい。食べたい人が食べたいときに買えるのは、けっこう合理的なシステムなんじゃない?と、そのときは思ったんです。


まず、俺は通路側が好きなので、いつものようにウェブ上で座席指定しようとしました。ところが、出来ません。ジェットスターに、直接いわないとダメ。
やむなく、ジェットスターの公式サイトからメールフォームを送ったところ、「そのメールアドレスでは予約が見当たらない」との返信。「コールセンターに電話してくれ」とのこと。通話は、有料です。フリーダイアルではありません。
当方の電話代もちでコールセンターに電話してみると、ちゃんと予約されていました。座席を通路側にしてもらったら、それだけで800円ぐらいだったかな。往復で1,600円かかる。もちろん、他の航空会社ならタダです。

出発当日、成田第3ターミナルのジェットスターの窓口には、チェックイン待ちの行列ができていました。後から来たお客さんが「えっ、この列に並ぶの?」と驚くぐらい。
しかし、客のさばき方が悪いわけではなく、意外と早く順番が回ってきました。スーツケースを預けるので、それなりの手数料を覚悟していたら、片道で1万6千円。航空券+3万2千円なので、これだったら、最初から他の航空会社にしたほうが安かったかも知れない。
「だけど、よく調べなかった俺が悪いのさ……」と、自分を責めるしかない。


俺が乗った便は20時発だったので、ターミナルのフードコートで、ちょっと大きめのハンバーガーを食べました。これで6時間ぐらいは持つだろうと思い、あとはミネラル・ウォーターを買って、機内で飲むことにしました。6~7時間のフライトなら、これで十分。

なにしろ「機内食は出ない」という前情報でしたから。
ところが、機内食は出ます。事前にジェットスターに予約した人にだけ、出ます。俺の隣のカップルが「カレーライスとチャーハン、どちらになさいますか?」と聞かれていたので、「あれ?」と軽く驚きました。さらに「お食事のお客様には、コーヒーか紅茶もお出ししています」。俺は予約してないので、水すらもらえません。

ギリシャでもアルゼンチンでも、一時間程度のフライトの国内線に乗りました。どちらも、ジュースやコーヒー、スナック類やチョコレートなどがふるまわれました。
それらの軽食代は、あらかじめチケットに含まれていたか、どこかで相殺しているはずです。だけど、「コストがかかってます」という裏事情を「お客さんに見えないところで」処理するのが、「仕事」ではないでしょうか。

機内は寒くて眠れなかったのですが、トイレに立つと、ブランケットにくるまっている客がチラホラ。ブランケットも機内で「売っている」のだと、帰国してから知りました。いや、そもそも売りに来なかったんですけどね。


最後のとどめは、朝食です。
ケアンズに着く一時間ぐらい前、「ただ今より、朝食サービスを行います」とアナウンスがあったのです。もちろん、乗客全員に聞こえるように、機内アナウンスしたわけです。
「ああ、さすがに朝食だけは全員に配るのか」と勘違いした俺は、テーブルを引き出しました。ところが、またしても隣のお客さんには朝食とコーヒー。俺の存在は無視。日本人のCAさんに、「僕がサービスを受けられない理由は何ですか?」と聞くと「食事は、ご予約のお客様だけです」との返事。

朝食をもらえず、決まり悪そうにテーブルを片づける人が、俺のほかにも何人かいました。あれは、本当に屈辱だった。
だけどジェットスターには、より多くの金額を支払っている客しか見えていないようです。


――ケアンズについて三日後、俺は間抜けな勘違いを重ねて金を失い、途方にくれていました。
精神的にも肉体的にもヘトヘトに疲れて、たまたま通りに面していたJTBケアンズ支店()に入店したところ、カード会社二社に電話をかけてくれました。そんなの、ぜんぜんJTBの業務じゃないはずです。さらに、両替してくれる場所や確実に現金を引き出せるATMの場所を教えてくれて、「せっかくご来店いただいたので、お礼です」と、コアラのマスコットをくれました。そのマスコットの原価は、僕に見えないところで償却して、僕に対しては笑顔と役立つ情報のみを与える……。これこそが「サービス」ではないのでしょうか?

もちろん、一円も要求されることなく、「困ったらまた来てください」とまで言ってもらえました。何の得もないのに、僕を助けてくれた。
今後、何らかの形でJTBオーストラリアを利用したい、お金を使いたいと思ったし、自分にメリットがなくても、困った人を助けようって気持ちになれたよね。そうやって前向きな労力を社会に還元して、みんなが幸せになれるようにする。誰もが、より快適に生きられる、健全な社会を循環させていく。
JTBケアンズ支店の、献身的なサービスだけではないです。「より良く相手に接する」「お互いに楽しくなる」にはどうすればいいのか? そんなヒントにあふれた旅でした。

格差を肯定する不良企業ジェットスターのことは忘れて、しばし、間の抜けたケアンズ旅行記にお付き合いください。

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