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2017年4月17日 (月)

■0417■

Febri Vol.41 明日発売
10437175a●Febri Art Style
今回は『リトルウィッチアカデミア』の美術監督、野村正信さんにインタビューしました。
美術ボードだけでなく、初期のコンセプト・アートも掲載させていただきました。


いくつかの原稿、宮尾岳先生の原画展準備、どちらも一段落したので、新宿ピカデリーで『ゴースト・イン・ザ・シェル』。
640_2士郎正宗さんの『攻殻機動隊』の映画化ではなくて、押井守監督の『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』の実写化。ラストには、川井憲次さんのあのテーマ曲が流れるので、オマージュとか、そういうレベルではない。

クゼというキャラクターが出てくるけど、『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』は関係ない。人形使いの立場を占めるオリジナル・キャラクターが、たまたまクゼって名前なだけ。(素子と出自が近いという点では、確かにクゼなんだけど……果たして、そこまで考えてるのかな?)

アクション・シーンのカット割りばかりか、ビルの谷間から見上げる飛行機のシルエットなんていう、押井監督オリジナルのレイアウトを丁寧にコピーして何がしたかったのかというと、ようするに「95年の『GHOST IN THE SHELL』のクールなアクションは絵に過ぎなかったけど、あれは俳優とCGを使った実写映画として残すべきだよね」程度の動機だと思う。
2D作画の日本のアニメは、しょせんはマイナーであって、「カートゥーンのくせに暴力や裸が出てくるなんてクールだよな」という受け方をしているのであって、電脳空間に流れる情報の海から生命が生まれるなんて文学パートは、やっぱり見てなかったんだなあ……と、ちょっと苦笑してしまった。

原作や劇場アニメのドラマツルギーは継承されてなくて、「私の身体は機械かも知れないけど、心は人間」みたいなモノローグが入って、公安9課の戦いはまだまだ終わらない!という頭の悪いポジティブなラストは、ちゃんとハリウッド娯楽映画になってるじゃん?と、それほど悪い気持ちはしなかった。


士郎正宗さんの『攻殻機動隊』は、電脳化や義体化を積極的に受け入れる楽観さがあって、ドラッグやセックスの描写に嫌悪感をおぼえつつも、「とても尖った価値観だな」と圧倒されもした。
続編の『攻殻機動隊2』は、突き抜けた楽観性が、より加速しているような気がした。なりふり構わぬ快楽至上主義が、芸術的なまでに下世話なエロを追求した『PIECES』に繋がっていくんだろう。 

電脳とか義体というアイデアは30年前のものなんだけど、その設定を使って人間が際限なく快楽を求めたり、無限の利便性に甘えきる泥沼のようなパラダイスを描いたから、いまだに『攻殻機動隊』は新しい。というより、誰も『攻殻機動隊』の価値観を刷新していないというだけの話。
いつもいつも、映像作品では「機械の身体より生身のほうが尊いに決まっている」「テクノロジーの発達に振り回されてはいけないのだ」という保守的なヒューマニズムに陥ってしまい、今回の『ゴースト・イン・ザ・シェル』も同じであった。
プロデューサーのひとり、マイケル・コスティガンは、あのハードコアな『悪の法則』を製作しているんだけど、今回は発言権が弱かったのかな。

アニメはともかく、日本のマンガって、おそろしく先鋭的なんだと思い知らされた。それを実感できただけでも、新宿ピカデリーに行った価値はあった。
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