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2017年3月14日 (火)

■0314■

吉祥寺プラザで、『モアナと神話の海』。誕生月割引なので、1,100円。
Moanaこの映画館はネット予約も座席指定もないので、混雑する映画では、ロビーに並ばされる。平日昼間のせいか、今日は行列ができるほど、混雑はしなかった。
『リトル・マーメイド』や『アラジン』の監督コンビにとっては、初の3DCGだそうだが、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオは、インフラが軍隊並に強固なため、まったくほころびが出ない。水滴ひとつにいたるまで、パーフェクトな完成度。

入れ墨が動いたり、壁画の世界にまぎれこむようなシーンでは、2D作画が使われている。いったい、どれだけ人材のストックがあるのかと呆然とさせられる。何百人という人間がローテーションで作っているのに、それでも「ディズニーらしい」と悪口を言われるのは、むしろ凄い(怖い)ことではないだろうか。


ポリネシアの神話をベースにしているそうだが、専門家に言わせると、あまりにもアレンジしすぎらしい。
外洋から流れ着いた先住民の意志をついで、平和な孤島から、再び新天地を求めて外洋へ進出する……というプロットには、確かに釈然としないものを感じる。欧米人からすれば、未開拓の土地に進出して簒奪するのは、違和感ないんだろうけどね。

また、手に入れなくてはいけないアイテムが二つあったり、貫徹目標(どうすれば物語が終わるのか)が明確でなかったり、欠点も多い。しかし、秒単位で挿入されるアイデアの豊富さに圧倒され、考えるのがアホらしくなる。キャラクターの繊細な表情も、有無をいわさず素晴らしい。太陽光の反射した波だとか、満点の星空だとか……。
それはもう、いいとか悪いとか、好きとか嫌いとかの問題じゃない。全世界の、あらゆる階級の人たちに残らず伝えたい……という、強固な思想めいたものを感じる。これが文化的侵略なのだと、おののきながらも感動する。

「自分が好きだった映画は、ストーリーで好きになったんじゃない。ワンショットを見た瞬間に“あっ、これは素晴らしい”って。それが、映画だと思っているから。」(宮崎駿)


ひとつ気になったのは、監督コンビが「『マッドマックス 怒りのデス・ロード』からインスピレーションを受けた」と語っているアクション・シーン()。観客サイドが『怒りのデス・ロード』だけで、作品全体のイメージを塗りかためて、一過性のネタにしているように見える。
でも、海賊が出てくるカットが似てるってだけでしょ? ポスターとのギャップが笑えるぜってだけでしょ?
『怒りのデス・ロード』のチェイス・シーンは、元をたどれば『駅馬車』まで遡れると思う。だけど、『怒りのデス・ロード』って、チェイス・シーンだけの映画だったかな。もっと雄大で、映画の根源まで遡るような作品だったよね。あらためて、考えなおしてしまう。

何だか、みんな映画の突出した要素(ネタ)だけを共有して、普遍性を切り捨てているように思えてならない。実はディズニー映画の世界は、すべて裏で繋がっているんだとかさ。次の『スター・ウォーズ』に、誰がカメオ出演しているとかさ。バルス祭が、盛り上がったり冷めたりするのも、分かりやすい一箇所だけしか共有できてない証拠だよね。
その一方で、流行りの映画を見て、言葉にならないほどのショックを受けて、何十年も胸に秘めつづける人がいると信じたい。そういう人が、誰の声にも耳をかさず、次の時代をつくるんだよ。

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