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2017年3月 1日 (水)

■0301■

いま抱えている仕事は、十分すぎるほどの時間をいただいているので、夜中0時まで書いた後、3時間かけて来月の旅行のホテル予約をした。

■4/2 ケアンズ着 キュランダへ移動 キュランダ泊
■4/3 キュランダ滞在
■4/4 キュランダからケアンズへ移動 ケアンズ泊
■4/5 ケアンズからフィッツロイ島へ移動 フィッツロイ島泊
■4/6 フィッツロイ島滞在
■4/7 フィッツロイ島からケアンズへ移動 ケアンズ泊
■4/8 ケアンズ国際空港から成田へ

旅の後半は、どこか島に泊まるつもりでいたが、人気のある島は一泊8万ぐらいするので、宿泊費の安いフィッツロイ島にした。旅行記で、三~四泊ぐらいしている人がいたので、島をぶらぶら歩くだけでも退屈はすまい……が、とにかく知らない島だ。地図で見ても、島が丸ごと国立公園になっている。レストランは、一軒しかないようだ。

結局、僕にとっての旅の面白さって、「聞いたこともない場所へ行かざるを得ない状況をつくること」に尽きる。ケアンズとかキュランダを、「アレフガルド着」「モス・アイズリーへ移動」と書き換えても通じるというか、そっちのほうが、まだ僕の実感に近い。
異世界への旅行プランを立ててる気分になり、「僕は、新たな惑星植民地への旅行プランを練っているんだな」と、錯覚しようと努める。
そして、その異世界なり惑星植民地なりへ、本当に行けてしまうのだから、僕の生まれてきた世界は、そうそう捨てたものじゃない。
半世紀も目にしてきた酷い現実を、きらびやかな冒険世界へと接続する手続きなんです。僕にとっての海外旅行って。


そして、異国へ行ったら行ったで、足の裏に感じる地面の質感は、いま住んでいるマンションの近所とたいして変わらない。「この国も、確かに物理的な現実世界なのだ」と、僕は足裏から感じとる。
それでもしかし、ここは聞いたことのない街。読めない文字。知らない言葉を話す、肌の色の違う人々。僕に与えられた武器は、ふたつの眼球と手足と、声ぐらい。それらは乏しいが、あまりに力強い武器なので、僕は僕を頼もしく感じる。異世界を冒険する勇者とまではいかなくとも、自己肯定せざるを得ない。

物理現実に直面する角度を変えて、フラットな自分に愛着をもつ。
そのために、僕は海外へ行く。悲しいような、寂しいような、だけど心の躍る、絶対に必要な体験。人生よりも大事。
もし本当に、決まりごとの通りに、僕に死がおとずれるとしたら、海外で自己肯定している間に迎えたい。


プラモデルが好きなあなたに贈る、「プラモデルを作らない権利」の話。

僕の連載「組まず語り症候群」は、この人が担当となって始めた記事なので、「おお、その視点はなかった!」と驚愕するようなことが書いてあるわけではない。
だけど、上の記事を読んで、まだ「プラモデルは組み立ててナンボだ! ごちゃごちゃ理屈を並べずに作れ!」とわめいている人がいるとしたら、かなり頑迷固陋な、つまらない人生ですね……としか、返す言葉がない。
(誤解している人がいるけど、上記リンク先の記事を書いたのは、模型雑誌で作例をつくるほどの腕前や知識を備えた現役モデラーです。僕も「色は塗らない」「素組みしかしない」と言いつつ、かつてはウェーブさんやコトブキヤさん、マックスファクトリーさんから完成見本を依頼される程度には、作ってきた人間です。)

僕は、素組みしているプラモデルの写真を、Twitterにアップしているけど、それは「作った」ことにはならないのだろうか? 「色を塗らないと作ったことにならない」と言いたい人たちは、塗ったら塗ったで「まだまだ下手くそ」「コンテストで賞ぐらいとらないと」など、ハードルを上げつづけるような気がする。
僕は、そのデスレースを辞退したかった。僕とプラモデルとの関係は、そのレース、そのルールの中では幸福になれない。射出成形された観賞用の工業製品に、素手で触れていたい。だから、ゲート跡やパーティングラインを残して、かつてそれが「メーカーによって生産された組み立てキット」だった痕跡を、とどめておきたい。
メーカーが半分まで作り、のこり半分を僕が受け継いだ、その混じりけのない事実。誰にも否定できない、細くて強い絆。色を塗ったら、工業製品から遠ざけたら、自分の「手癖」「嗜好」が介入し、バランスが崩れてしまう。


まだ20代だった頃、80年代に流行ったキャラクター・モデルを古い模型屋で買いあさり、とにかく接着剤とニッパーだけで、次々と組み立てた。素材感むきだしのプラスティックの上に、そのまま指示どおりにデカールを貼ったりした。30代、40代になると、塗料やマテリアル、アフターパーツを買いこんで、塗装や改造に没頭するようになった。

だけど、年末に素組みしたタミヤの1/48 F-14がショッキングすぎて、それから途切れずに、スケールモデルを素組みしつづけている。組み終わって、手元に何も無くなるのが怖くて、どんどん買い足す。
パーツの合い具合、説明書に記された工程、プラスティックの色、すべてに魅了される。秩序と合理性、機能美。自分は、パーツとパーツを組み合わせる過程に参加したかっただけなんだ、と初めて気がついた。そして、最後のパーツを接着した瞬間、ふっと興味が薄れることも知った。過程が、すべてなんだ。

個人の美意識や人生観によるんだろうが、今のところ、プラモデルの素組みが日々のリズムに組み込まれて、まあまあ、上手いこと回っている。

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