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2017年2月28日 (火)

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ホビー業界インサイド第20回:ジオラマ作家・WildRiver荒川直人に聞く、「シチュエーション」と「スケジューリング」の重要性
T640_722933ホビージャパン誌の『ローグ・ワン』のディオラマを見て、我慢できずに取材をお願いしました。
荒川さんは「小さいのに本物そっくり」だとか、「考証に正確」といった評価軸から、ほどよい距離を置いてらっしゃる点が心地よいのです。


レンタルで、『ゴーン・ガール』。
Df01828cc_large_2どうも見覚えがあるな……と思っていたら、去年の3月に視聴済みだった。
決定的に、「これは以前に観たぞ」と確信したのは、主人公の家に浮気相手の女性が入ってくるシーン。
そのシーンでは、部屋の扉が画面の左側にある。主人公は、画面右側にいる。女性は、左側の扉から室内に入ってきて、右側にいる主人公のところへ詰め寄る。主人公の家には妹がいるので、彼は「妹に気づかれる」と焦る。

ここで、観ている側まで焦ってしまうのは、位置関係を把握しているから。前のシーンで、妹が泊まっていることは分かっているし、主人公が画面右側にある扉をチラッと見て「妹が寝てるんだ」と言うので、女性が画面の右側に行ったらマズいことになる……と分かるわけ。
女性は一瞬、画面右側へ回りこんで主人公にキスをせがむんだけど、主人公は彼女の肩をつかんで画面左側へ戻す。妹の寝ている場所は画面右側だから、彼は徹底して右側に立って、“敵”の侵入をガードしないといけないわけ。
相手のシュートを防ぐ、ゴールキーパーのように。

あのね。「観ていて、切なくなった」「観ている側も、穏やかな愛に包まれる」なんて叙情的・ポエム的“映画評論”をしているヒマがあったら、こういうところを見てほしいの。
「切なさ」や「穏やかな愛」なんてものも、実はカメラワークやカッティング、構図や人物の位置関係といったロジックによって成立しているからです。


先日のワンダーフェスティバル直後、売ったガレージキットが、ヤフオクで転売されている……というツイートを、いくつか見かけた。
「シリアル番号を付ければいい」「客に誓約書をかかせるようにしては」「住所・氏名などの個人情報を開示してもらってから売ればいい」等、売った側に負担をしいるようなアドバイスが、多数寄せられていた。

だが、それよりも「このキャラクター、大好きなのに」「これ、欲しかったのに」「買おうと思っていたのに」と、およそ模型趣味とは縁遠いと思われるアカウントからの返信が気になった。
暴動に加わるのは、このような「衝動的な感情を表明せずにいられない」人たちなんじゃないだろうか。とにかく、悲しみでも怒りでも憎しみでも何でもいいから、段取りをすっとぱして、誰かに「共感」して憂さ晴らしをしたがる人たちが、僕はいちばん怖い。

だから、facebookで気軽に押せる怒りマークや悲しみマークが怖いし、映画レビューで頻繁に使われる「感情移入」という言葉にも、恐れを感じる。「自然と涙があふれた」なんて感想にも、僕はビビってしまう。
どんな出来事にたいしても、一段階でいいからロジックをはさんで、冷静に自分の心の動きを直視していたい。

(C)2014 Twentieth Century Fox

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