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2017年2月24日 (金)

■0224■

モデルグラフィックス 2017年 04 月号 発売中
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●組まず語り症候群 第52夜
今回は、エレールの1/60建設機械シリーズ3 ホイールローダー。担当編集さんが用意してくれた、オモチャみたいなプラモデルです。

しかし、今月号の表紙はすごい。どんどんやれ、としか言いようがありません。今までの模型雑誌のあり方が、保守的だっただけ。「買いづらい」とか「模型の雑誌なんだから、模型を表紙にしろ」なんて声は、織り込みずみだと思います。
「○○しなきゃダメ」という縛りが、模型の世界で強すぎたような気がする。比例して、模型雑誌は「こうすれば上達する」ハウトゥ一辺倒になってしまい、その影響を受けつづけた僕らが「模型雑誌はハウトゥを載せるもの」という先入観を壊せないでいるだけだと思う。

テクニックだの上達法だのの前に、手ぶらで楽しめる側面が、プラモデルには山とある。誰も手をつけていない。気づいているのは、からぱた氏()ぐらいなものだろう。


この一週間ほどは、本当にひどいスケジュールになってしまった。
一日二件の取材があり、三本もの仕事を併走させねばならなかった。そんな事態にならないように工夫しているつもりが、断れない仕事ばかり重なってしまった。調整に調整を重ねて、ようやく無理のないスケジュールに戻りつつある。

しかし、映画はレンタルしてこられない、4月の旅行の計画も、ほぼ手つかず。一ヶ月前には、ホテルの予約をしておきたいのに。


世間は、プレミアムフライデーだそうで、サタデーもサンデーも仕事にあてて、平日に遊んでいる僕は、いろいろ考えてしまう。
「時間がない」と、すべての仕事は悪化する。「時間がない」時点で手遅れなので、事態が好転することはあり得ない。「少しでもマシにする」、それが精一杯だ。それを分かっていない人が、大半なのかも知れない。

時間がないと、いくつかの道筋を検討している余裕なんてなくて、見つかった一本きりの道を進むしかなくなる。その道が間違っていたと気づいても、引き返す時間なんてないのだ。
時間がないと、書き上げた原稿を読み直す時間すら削られていく。誤字脱字が多くなる。ふだんなら間違えないような、簡単な数字の読み間違いも起きる。
選択肢はない、事故やミスが多発する。程度の低い本が出来て、僕の評判が落ちて仕事が来なくなる。とにかく、悪いことしか起きない。

「時間がない」時点で、もうすでに間違っている。確実に、仕事のクオリティは落ちる。
仕事がどうとかいうより、そんな雑な生き方はしたくないな、と思う。「時間はないけど、頑張りましょう」なんて平気で言える人は、生き方が雑なんだろう。


ついでまでに、ひどい話をしておきたい。
僕は、自分で受けきれない仕事を、他のライターに回すことができない。
僕の腕がナンバーワンだ、と言いたいのではない。シメキリを守るライターが、あまりにも少ないことを知っているからだ。

ある本に書いたとき、奥付に、見知ったライターの名前が20人ほど並んでいた。
その本の担当編集と飲んだとき、「あの中で、シメキリを守ってくれたのは、廣田さんと○○さんの二人だけです」と聞いた。「ウソでしょう? みんな雑誌やムックに書いている人たちですよ?」と聞きかえすと、「ひどい話だけど、毎度のことです」。
時間がないけど……と相談された仕事を、まさかシメキリすら守れないライターに回すわけにはいかない。そんな無責任なことはしたくない。

逆を言うと、僕のところに仕事が来るのは、シメキリを守れるからにすぎない。
「ライターさんなら、文章が上手いんでしょうね」と、よく言われる。それで鼻を高くしているヤツなんて、相手にしてはいけない。スケジュールを、いかに無理なくさばくか。それが、仕事の9割だ。文章力がどうした、売り込みがどうしたという話は、シメキリを守ってから。
だけど、シメキリを守ってない人がライター講座だとかやっているので、この界隈も、意外と闇が深いのかも知れない。

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