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2016年11月28日 (月)

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アニメ業界ウォッチング第27回:プロデューサーという職業の抱える理想とジレンマ 松尾亮一郎インタビュー
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『この世界の片隅に』の制作プロデューサー、松尾亮一郎さんに取材しました。
『マイマイ新子と千年の魔法』で7年前に知り合いましたが、これまでの仕事歴や、仕事にたいする考え方をまとめて聞いたのは、今回が初になります。


レンタルで、友人から薦められた『最後の恋のはじめ方』と、『スリング・ブレイド』。
Mv5bmtq5mzg2odyxov5bml5banbnxkftztg殺人歴のある精神病患者を主人公にした  『スリング・ブレイド』は、なんとも言えない後味が残る映画だった。
アクション映画のようなタイトルだが、閑散としたアメリカ南部の町が舞台の静かなドラマ。
まず、閉鎖的な町の雰囲気に魅了される。主人公が仲良くなる少年が「ひとりになりたい時に来る」という沼にも、他人の深層意識をのぞきこむような、隠微な魅力がある。


それと、構図に絵心を感じる。ドラマを予感させる知的な構図で、必要以上にカットを割らない。
ファーストカットは病院の中で、患者たちが窓のほうを無言で見ている。ひとりの男が、椅子をひきずりながら、主人公の近くまで歩いていく。窓際で外を見ている主人公のアップ。隣に、男が座る。ロングからアップまで、ワンカットで撮っている。この静謐としたシーンの印象強さが、ラストカットで反復される。反復される理由は、映画を見てほしい。

途中、叙情的な音楽が多用されたり、善良なキャラクターが多く登場しすぎて、「精神病患者=純粋でいい人」風の甘ったるいドラマかと白けそうになるが、見終わったあとは、ちょっとイヤな気持ちになる。そのイヤさ加減が、ずっしりと心地よい。

冒頭、田舎町のしけたファストフード店の店員を、ジム・ジャームッシュが演じている。心憎いほど、気だるい、いい雰囲気を出している。どの役も、おもしろい俳優を連れてきているので、それだけでも得した気分になれた。


来年4月のオーストラリア旅行に向けて、ちょっとずつ準備をしている。
航空会社は格安な分、荷物の運搬費や機内食を有料にすることで、儲けを出そうとしている。6~7時間の飛行なら、食事は空港ですませたほうが絶対にいい。座席指定のために電話すると、さっそく800円の手数料をとられた。往復で1,600円だ。

11月の旅行では、飛行機の中で緊張して発汗してしまうのではないか……と、怖れた。
旅行直前まで、近所を歩いていても対人緊張のあまり腰痛になったり、夜中に不安感がこみあげてきて、体が緊張して足がつりそうになったりした。最悪の状態だった。
ところが、いざ空港についてしまうと、未知の場所へ旅立つ高揚感のため、緊張も不安も、ほとんど起きなかった。むしろ、日本に帰ってきてからのほうが、社会に対して圧迫感や不自由をおぼえる。日本には、嫉妬や近親憎悪が、うずまいている。誰もが誰かを責めたがっているというか……。

海外を通りすぎるだけの自分は、誰の目を気にするでもなく、欲求と目的がピタリと一致していた。自己肯定感に満ちていた。趣味だし休暇なんだから、ひとりで好きなように過ごして、楽しければそれでいい。人生全体を、趣味のように考えらないものだろうか。

(C)2000 Buena Vista Home Entertainment

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