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2016年11月22日 (火)

■1122■

昨日は、『RWBY VOLUME 3』日本語版のマスコミ試写。
今回は180分もあるので、ワーナー・ブラザースさんから案内をもらったときは「トイレ休憩をはさんでください」と、割とまじめにお願いした。だが、その必要はなかった。今回ばかりは、トイレに行っているヒマなどなかった。

軽い気持ちで試写会に行った『RWBY』に、涙するほど恋してしまい、強引に日本語演出の打越領一さんに取材を申し込んで、一年が経過した()。
『VOLUME 2』以降の日本語版は、実はすっかりあきらめていた。僕の交友範囲がせまいせいもあるだろうけど、『RWBY』を見た、面白い、ハマっているといった声は、ただの一度も聞かなかったから。では、どう面白さを伝えればいいのか、僕は言葉をもたなかった。

先月、上映・発売された『RWBY VOLUME 2』はアクションに脂がのって、ゴージャスで軽快なRwby_vol_3_soundtrack_art印象だった。今回の『VOLUME 3』は、原作・監督、そしてアクションを一手に引き受けていた創造主モンティ・オウム氏が「クリエイト・脚本」でしか、クレジットされていない。彼は昨年2月に亡くなってしまったから。

なので、「おそらく、いちばん面白いのは『VOLUME 2』であって、『VOLUME 3』は小粒な出来なのではないか」と、勝手に思い込んでいた。ところが、とんでもない。
『VOLUME 3』は、『スター・ウォーズ』でいえば『帝国の逆襲』。味方側の策はことごとく敵に利用され、仲間たちは傷つき、倒れ、ちりぢりになってしまう。ひとつひとつのアクションが今後の展開を左右するため、ずっしりと重たい。キャラクターひとりひとりが深く彫りこまれ、しかし陰鬱になることなく、逆境の中、沈黙していたキャラクターたちが、武器を手に立ちあがりはじめる。


『RWBY』の面白さは、『ジャイアント・ロボ 地球が静止する日』に通じる。
登場人物は、ほぼ全員が超能力者で、それぞれ得意技をもっている。主人公の上位には、かつて歴戦の勇士として名をはせた大人たちが位置している。今回、主人公のルビーの才能を見出したオズピン学長が、悪化していく事態のなかで、ついに武器を手にする。『ジャイアント・ロボ』でいえば、中条長官がひとりで大怪球に立ち向かうシーンだ。
絶体絶命の窮地に、いちばん戦いそうもない年長者が、あまりにも予想外かつ勇敢なスタイルで戦いに参加する……「熱い展開」ってやつです。「よくある」「お約束」と言ってもいい。だけど、この活劇が雪だるま式にスケールアップしていく高濃度な展開を、大手エンタメではまるっきり見かけなくなった。『RWBY』だけが着々と、シリーズ物の「お約束」を活用・発展させている。物語の濃度が「絵」に力をあたえ、以前とはさほど変わっていないはずのアクションが急速に重さを獲得していく……あいかわらず、「テーマ」はない。勧善懲悪だ。でも、だからこそ「展開」の強度が増す。

この面白さを、『RWBY』のファンのみが満喫しているとしたら、それはとてつもない喪失だと思う。この100倍、1000倍の予算をかけたハリウッドの超大作シリーズが出来ていないことを、四方八方からアイデアを尽くして実践しているというのに。
僕は『RWBY』のファンとしては、かなり薄いほう。だからこそ、「まったく見たことがない」人たちと、どうにかしてこの芳醇な果実を分かち合いたいと焦っている。
(C)2016 Rooster Teeth Productions, LLC.

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