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旅行へ行く前に、なにか一本見ようと思い、レンタルで『ズートピア』。とにかく、表現力がすごかった。デザインのひとつひとつ、芝居のひとつひとつが考え抜かれている。
『アナと雪の女王』のメイキング本で、ちょこっとデザインの一端に関わっている無名のスタッフが、作品の奥深いところまで豊かな語彙で語っていて驚かされたけど、ディズニーは少数精鋭ではなく多数精鋭なんだろうな。ディズニーというより、ハリウッド映画全体がそうだよね。創作的偏差値が高い。好悪を抜きに、認めざるを得ない。
ギャグのセンスが大人っぽくて、『ゴッドファーザー』などメルクマール的な映画をよく分析しているし、喜劇の古典的なフレームを、丁寧に応用している。スタッフ、勉強家です。
トーキング・アニマルは僕も好きじゃないけど、惜しみなく予算と才能を投入した第一級の映画を見ておくことは必要なことです。「ディズニーは嫌い」ってだけで見ない人は、絶対に損をしている。『フォースの覚醒』以降、僕のディズニーに対する信頼は薄まったけど、アニメはまだ大丈夫です。
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いちいち言葉に残しておかないとダメだと思うから書くけど――『ズートピア』が好きとか、『ズートピア』で感動したって話は、完全に別なんです。作品の価値って、個人の情緒とは別のところにあるの。
見るからには、客観的に「一流」と呼ばれるものに触れておきなさい……という言葉は間違っていない。劇団四季やスーパー歌舞伎は、好悪なんて関係なしに見にいきました。それから来月、ひさびさに小演劇を見にいきます。それも、研究目的といったほうが近い角度から。そうやって新しい材料を仕入れて、自分の中の価値観を刷新しないと気がすまない。
「好み」とか、自分の嗜好ってのは、ずっと消えないから。ほっといて大丈夫。
しかし、「好み」以外の価値観は、勝手に向こうからは来てくれません。情報と刺激を整理し、行動力に転化しないと、獲得できない。
「好み」だけで生きてる人は、年老いるのも早いです。そういう人は、自分の「好み」以外の作品に攻撃的だったり侮辱的だったりするので、すぐ分かります。直情径行が許されるのは、20代までって気がします。
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11/1 17:35 成田発。34時間後、イグアスの滝国際空港着。
11/2~11/6、ホテル“Residencial Los Lapachos”に4連泊。
デルタ航空とアルゼンチン航空を使用。
今回は、イグアスの滝に近いプエルト・イグアスまで飛行機を予約、面倒なのでホテルもセットで予約してしまった。移動の楽しみは、一切ない。トータル、23万円ぐらい。
だけど、今回はこういう旅なのだと割り切って、ブラジルへの国境ごえや、ステーキを楽しむことにする。
向こうはこれから夏なので、Tシャツとハーフパンツ、割といいビーチサンダルを買った。
日本では、こんな格好はしない。せっかくの休みなんだから、もうダラダラでいいのだ。
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