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2016年9月16日 (金)

■0916■

昨夜は、『RWBY VOLUME 2』のマスコミ試写。
Maxresdefault前作は、ゆるくも硬くもできる、魔法少女アニメと学園アニメを足したような雰囲気からスタートし、後半に行くにしたがって、メンバーの出自や対立が明確化していった。冒頭は軽薄といってもいいぐらいアップテンポの主題歌で始まったのに、エンディングが静かな大人っぽい曲で、その落差に感嘆した。こんな通俗的な設定でスタートしながら、こんな深いところまで潜れるのか……と、愕然としたものだった。すっかり感激して、試写会場をあとにした。

ブルーレイを毎晩のように見て、シーズン2が日本語吹き替えされるのを待ったが、以前からのファンの人たちは、すでに英語版で見ていた。
製作会社Rooster Teethの公式サイトで、冒頭の何本かのエピソードを日本語字幕つきで公開したので、今年になってようやく見た。
まずは、悪役2人の登場シーンに凄みがある。彼らは対立相手の潜伏する本屋に入店し、少しずつ店主を脅していく。逃げられないと悟った店主が先制攻撃に出たところでシーンは終わり、時間経過があった後、2人は意気揚々と店を出てくる。「ああ、店主は戦いに負けて殺されてしまったのだな」と分かる。

では、新登場した悪役2人は、いかにして主役のルビーたちと対峙するのだろう? いつ戦いのシーンがあるのだろう? ルビーたちが遊んでばかりいるシーンがえんえんと続くので、やきもきさせられる。……が、こちらが敵の存在など忘れてしまったころ、ルビーは廊下で誰かとぶつかってしまう。ぶつかった相手は、制服に身をつつんだ悪役2人なのだ。
もちろん、彼らはその場で戦ったりはせず、思わせぶりなセリフをはいて、その場をあとにする。全編、どこかで見たような、それゆえに安心してドキドキさせられる演出ばかりだ。エンタメとして、洗練されている。


前半は、ルビーたち4人が力をあわせて、数メートルもあるロボットと戦うシーンがクライマックスとなる。このロボットは、ハリウッドのSFX映画に出てくるような、線の多いパワードスーツ系。『RWBY』のローポリな絵柄には似合わないのだが、とにかくこのアニメ、絵柄にだまされてはいけない。ありとあらゆるアイデアを投入して、生身の4人がロボットを粉々にしていく様子を、説得力をもって描いている。

“人形劇効果”という概念を聞いたことがある。ゲームでいえば、初期のドラクエぐらいの情報量のほうが、観客は気持ちを込めやすいのだという。
『RWBY』のキャラクターデザインは愛らしいが、線は少ないし、最初は手抜きにさえ見える。その手抜きキャラがアクロバティックな動きを動体視力ギリギリのスピードで見せ、「まさか」と耳を疑うような複雑なドラマを展開するから引き込まれるわけで、線が多かったら、ここまで愛着をもてなかっただろう。
別の言い方をすると、アクション向けのローポリなキャラクターの感情は、ボディランゲージかセリフを聞かないと分からないわけで、だからこそ、「日本語吹き替え」であることの強みが問われてくる。
線が少ないからこそ、「劇」としての側面が立ち上がってくる。「耳で聞かせるドラマ」として成立する。


今回の『VOLUME 2』は、12本のエピソードをつなげたものなので、2時間半もある。トイレの近い僕は、ラストの戦いで席を中座してしまった。エンドロールの後に重要なシーンが来るはずなので、それまでにトイレに行っておきたかった。
逆をいうと、クライマックスのトレイン・チェイスは、トイレに立ってなんていられないほど綿密に構成されている。四つの戦いが、一本の列車の中で同時進行し、勝負がつくかどうか……のタイミングで、ひょいと次のシーンへ飛ぶ。まさに、極めつけの職人芸なのだ。

しかし、何よりも『VOLUME 2』で感心させられるのは、大人たちの挙動だ。ファンタジックな魔法の世界かと思わせておいて、他国の軍隊が介入してくる。大人が、子どもたちを守ってばかりとは限らない。新登場したアイアンウッド将軍は、敵味方どちらともつかない態度をとっている。
繰り返すが、『RWBY』は“人形劇”だから、ここまで振幅を持たせられたのだと思う。モンティ・オウムのような巨大な存在を欠いた『RWBY』が、今後どうなっていくのか不安ではあるが、ここまでやったんなら十分……という気もする。作品は過程が大事なのであって、オチがどうあるかは、僕は重要視していない。

(C)Rooster Teeth Productions, LLC.

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