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モデルグラフィックス 10月号 発売中●組まず語り症候群
連載「組まず語り」は第46回をむかえていつも通りなのですが、「すずさん立体化計画」はショッキングだったと思います。もうネットに公式情報が出回っているので書いていいと思いますが、『この世界の片隅に』が、プラモデル化されます。
モデグラ編集部に『この世界~』宣伝の方をお招きし、「プラモデルという媒体を使って、何か展開できないか」という相談をうけました。そのときは「『艦これ』仕様のパッケージとか出てるけど、まさかね」と笑ってたんですけど、後から電話で「話を聞いてくれそうなメーカーはどこですか?」と聞かれて。
だから、僕も編集部も、ちょっとは橋渡しになれて、このタイミングで声優さんも発表されて盛り上がって、嬉しいです。
新海誠Walker 発売中●田中将賀さんインタビュー
●安藤雅司さんインタビュー
●神木隆之介が旅する新海 誠の世界(神木さんと新海監督の対談)
こんないい仕事をさせてもらえて、本当に感謝です。安藤さんとは、『千と千尋の神隠し』のムック以来、15年ぶりにお会いしました。
『シン・ゴジラWalker』の直後だったのかな。短い期間に、高密度の取材を行い、もう即座に原稿にしないといけなくて。
物語をつくる人、絵を描く人、演じる人、みなさん凄いです。その凄さを本の中に再現するのは、不可能です。不可能だけど、やるんです。クリエイターの方は、「事実」を整然と話しているわけではありません。話す相手、話すときのコンディション(誰が同席しているか等)によって変わります。その変化を踏まえて、僕の人生を触媒にするんです。
自分が、この記事の当事者だという意識が必要だし、(関係者ではなく)読者のほうをしっかり向かないと記事はつくれません。関係者の言うことをハイハイ聞いて宣伝マンに徹していれば、仕事はいっぱいくるでしょう。だけど、誰が書いてもいいような薄っぺらな記事になってしまう。
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「幸せなんて、どう終わるかじゃない、どう始めるかだぜ」「幸せなんて、何を持ってるかじゃない、何を欲しがるかだぜ」と、はっぴいえんどは歌う。
いまどういう状態であるか、何が事実で、何を知っているかなんてどうでもいい、これから何をするかが、いつだって重要なんだ。
僕は30代の後半、40歳をすぎた途端にダメになる、ウソをつきながら開き直る大人たちを見てきた。「ああはなるまい」と決意した。
果たして周囲を見渡すと、ウソをつきながら開き直っている同年輩、年上ばかりになっていた。どんなに世の中に名前が知られている人でも、どんなに安定した暮らしを送っている人でも、平気で不義理をおかす。ウソをつく。今年に入ってから、昨日も今日も、おおいに、心の奥底から失望しながら生きている。怒りよりも、諦めのほうが残酷だ。
でも一方で、好きなことだけを全身でやっている正直な人たちも確かにいて、彼らが僕を絶望させない。彼らは何が欲しいか、何が必要か、体の奥で知っている。
人間は、堕落するようにできている。怠惰に、不勉強になると、人間性まで汚れてしまう。そのメカニズムだけは鉄壁だ。
だから、抵抗するのだ。誰も見ていなくても、無人島に暮らしていても、自分に恥ずかしくない自分を目指すのだ。
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