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2016年6月24日 (金)

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モデルグラフィックス 2016年 08 月号 25日発売
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●インジェクション成形の美女キットといえば、海外のゲームメーカーを忘れてはいけません。
ひさびさに、巻頭特集にページをいただきました。モノクロ見開きですけど、写真は大きく掲載しました。
これらハイレベルなキットを無視しては、それこそ「模型雑誌」の名前が泣きますからね。

●組まず語り症候群・第44夜
今回はフライホークの「1/700 オーロラ軽巡洋艦 1945」。
そして、「すずさん勝手に立体化計画」は読者からの投稿がギリギリになって届いたので、本文では触れられませんでしたが、写真は掲載できました。
記事3本分、写真撮影は一度に終わらせないといけないので、段取りを考えるのが大変でした。


3本だけでも大変なのに、思わぬ方向から、模型関係の仕事が舞い込んできました。
夜中に、編集者の前で話しているうちにコンセプトが固まってきたんですけど、もう「初心者入門」みたいなスタンスはやめて、上達を目的としない「遊び」に徹することはできないだろうかって話になりました。
「缶スプレーを卒業してエアブラシにトライ!」とか、受験勉強みたいな直線思考は捨てようぜって話です。無塗装でスミ入れだけして気に入ったんなら、もうスミ入れ用の塗料さえあれば、一生それで楽しめるんじゃない? 絶対に現物どおりに塗り分けないとダメ? 

自分の中学時代を思いかえすと、シェパード・ペインの「How to Build Dioramas」を見て、いきなり油絵の具でブレンディングをしてたんです。近所の絵画教室で油絵を習っていたから、絵の具は家にあったんです。
個人の環境によって、どこから何を始めるか、何をもって完成とするかは変化するし、年齢によっても集中力とか修練度は変わるでしょう。「初めての人は、パーツ数の少ないキットから始めるといい」なんて、傲慢で雑な発想だと思います。
僕の従兄弟なんて、大きなパーツだけ組んでシルエットさえ出来れば、残りの細かいパーツは捨ててましたからね。それをもって「完成」としてはいけないんでしょうか。

「スーパーフェスティバル」で、毎回、未塗装で普通に組んだだけのプラモデルを並べてるんですけど、成形色一色でも買ってくれる方たちがいて、いつも完売します。
その人たちは、プラモデルの面白さを知らないんでしょうか? 僕らの知らない角度から、模型の面白さを見出しているのかも知れないでしょ?


結局ね、「組み立てられない」「色も塗れない」など、相手の「ない」を指差すことでしか自尊心を保てない。相手の欠落を優越感の材料にしている――その可能性を疑ってみる必要は、ありそうです。
(僕も「組まず語り」を始めた当初は、「作れもしないくせに」とツイートされたものです。作れもしないくせに4年近くも続けちゃって、ごめんね。)

アニメや映画でも、「あんまり面白くなかった」と言っただけで、「本当は見てないんじゃないか?」と突っ込んでくる人がいる。自分と違う価値観を認めることができない。
「どうせ途中までしか見てないに違いない」「テレビ版しか見てなくて、劇場版は見てないんだろう」「見たかもしれないが、リアルタイムでは見てないんだな」と、どんどん「ない」方向へ話を落ち着けようとする。
じゃなくてね、異なる意見・感想を認めないと、とんでもないディストピアになるよ?

たとえば、ある映画を機内上映で見て、すっかり魅了されてしまった――という人がいたんです。「あの映画は音響が素晴らしいんだ。音響設備のいい映画館で見ないと、見たことにならない!」って突っ込まれてた。
いやいや、機内上映の小さな画面とイヤホンで見て、それでも魅了されるほどの映画、感性って、素晴らしいじゃないですか。どうすればみんなが楽しくなれるか、意識して楽しくなる方向を目指さないと、やっぱり生きやすい社会にならないね……。

楽しみ方の基準、条件、資格みたいなものが偏差値なみにピシーッと一律に決められている感じが、たまにするんですよ。

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