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2016年6月15日 (水)

■0615■

Febri Vol.35 17日発売予定
51aemycfq4l__●Febri Art Style
今回は、『くまみこ』の背景美術です。美術監督の森川篤さんにインタビューして、美術ボードを選んでページを構成しました。

このページは、いつも「どのアニメの背景がいいでしょうね?」という担当編集との会話から始まるのですが、今回は第一志望がすんなり通りました。森川さんも喜んでくださったようなので、ぜひご覧ください。


クラウドファンディングで、僕も少しだけ出資した劇映画『月光』()が、先週末より公開されています。
あれから二度も引っ越したので「チケットを送ったのに、戻ってきてしまいます」と、監督の小澤雅人さんから、メールが来ました。なので、まだ映画は見にいけていません。
小澤監督に、僕のニコ生の番組に出ていただいたのが、2~3年前のような感覚です。でも、たしか去年だったような気がする。【ら】という映画のトークゲストで、僕も一緒に壇上にあがらせていただいたり……

ツイッターで検索したかぎり、評判は上々。
性暴力に走るのは、いたって「普通の人間」だ
「この映画を作るにあたって、性犯罪に関する本をたくさん読みましたが、そういう本を読めば読むほど、加害者は変態でも狂人でもなく、僕たちの身近にいるようなごく普通の人だと分かったんです。それをまさに映画でも描きたかった。」
「加害者の動機は、性欲よりもむしろ支配欲だと言われています。この点は、トシオを演じた古山さんにも、すごくしつこく言いました。『トシオは性欲じゃなくて支配欲だよ』と。」
以上、小澤雅人監督の発言。さすがです。これは、性犯罪の本を読まないと、分からないです。

いつも、「性犯罪=性欲が原因=性欲を喚起するものが悪い」……で、表現規制という明後日の方向へ話がねじ曲げられてしまう。いつも、いつも。


話はそれるけど、僕の新刊()が、発売前だというのに「こういうタイトルで、こういう表紙だと、また叩かれるのでは?」と言われています。
でも、それは「不快です」と叩かれることに対して、「怖い」「面倒だ」という感情でしかありませんよね。法的に問題だ、という話でもないですよね。
「不当な言いがかりをつけられているのは、自分たちだ」という意識が、主体性があるなら、何を臆する必要がありましょう。

確かに、美少女フィギュアは、「児童ポルノ」という便利な用語とゴッチャにされて、削除されたりさらし者にされてました。
僕は、二度、抗議署名を集めました(2014年と2016年)。
こうした事態を知ったベテランのフィギュア・モデラーが「別世界の出来事」と呼んだのを、僕は今でも忘れていない。それは、「誇りより保身」ってことですよね。

逆に、性犯罪に反対している女性ライターの方から、「フィギュアの中にも、児童ポルノに該当するものがありますよね?」と面と向かって言われて、懇切丁寧に法の趣旨・定義を説明したこともあります。
「フィギュアは児童ポルノ(というかワイセツで不愉快で遠くへ追いやっていましたい汚いもの)」と断じている本人たちは、条文すら読んでないから法的定義も知らない、まして、判例など調べていない。
そんな程度の相手にビビっていること自体、恥だと思います。


「カオリに対する性暴力も、トシオにとっては支配力の誇示だったのではないかと思います。女性を性的に支配することで、自分の価値観を高めたいという欲求なのだと考えています。」(前掲記事“性暴力に走るのは、いたって「普通の人間」だ”より)

さらに言うと、わが子を手にかけるのは、社会的に身分の高い人も多い。地元の名士だとか、医者だとか。『なかったことにしたくない』の東小雪さんの場合も、お父さんが演劇界の偉い人でしたね。
だから、性虐待や性暴力をバックアップするのは、「力の強い者が弱者を支配する」父権社会です。家父長制は、女性はもちろん男にとっても、しんどいはず。

「アキバ文化が」「気持ち悪いオタクたちが」と責任転嫁したがる人たちは、性虐待・性暴力を行使する、現実社会に存する「父権」との対決を避けてますよね。
それでは、性を支配ツールに使う「普通の人間」たちを擁護することになりかねない。教師の生徒に対する性犯罪を、「父兄がこぞって隠蔽しようとした」なんて話は、当たり前のようにあるんですよ。

僕らの敵は、「男でさえあれば、大人でさえあれば無条件に支配力が強まる」父権社会ではないのでしょうか? 「エロマンガやフィギュアが悪い」と見当違いなことを言っている今この瞬間にも、弱者への支配欲を満たしたい男たち・親たちが、何をしているか――。
もう一度、言います。「親だから、教師だから、子どもに何をしてもいい」「男でさえあれば、女性に何をしてもいい」……そういう理不尽な力関係こそが、男女双方の敵なのではないでしょうか。

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